【本編完結】農民と浄化の神子を並べてはいけない

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第三章 神子

痛い R18※無理矢理注意

「あ、ぐ…あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーーッ」

めりめり、と下部を通じて体全体に異音が響いた感覚がした。

痛い、痛い。気持ち悪い。

涙で滲む視界の向こうで黄金色の瞳は獰猛に輝いている。

「いた…、い…!あ゛あ゛あ゛!!!」

ぐじゅ、と音を立てるそこは異物を受け入れる為に体液を溢れさせている。感じているわけでもないのに血の臭いに交じって溢れ出すその感覚に情けなくて涙も止まらない。

いつの間にかグリニッジはいなくなって腕は自由になってたけど、もう腕どころか指先一本すら動かないくらいの痛みにただただ悲鳴をあげて泣くしかできない。

何でこんな事を。知った所で到底納得できない理由だろう。

「もう、やだ…!」

自分が悪いわけではないのに、ごめんなさい、と口が動きそうになるのを必死で耐えた。

屈するわけにいかない。みんなの所に戻った時最後まで屈しなかったって言いたいから。

(ああ、でも…)

こんな事が知れたら軽蔑されるんだろうか。
つがいだからきっとお互い離れられないけど、軽蔑されたまま一緒にいるのは辛いなぁ。

冷めきった目を想像したくないから、優しいみんなの事を思い出す。

ディアはいつも表情が乏しいけど、不意に爆笑したり微笑んだりする。2年経って前よりもっと笑ってくれるようになった。
ローゼンは相変わらず過保護ですぐ俺の心配してくれて、いつでもニコニコ笑ってて。
ティエは同い年だからか他の二人より感情の出し方がストレートだと思う。でも頼りになって、同い年なのにすごいな、って尊敬する事も多かった。

みんなに会いたいな…。

「ひ、あ゛あ゛ッ」

ずる、と引き抜かれ、うつ伏せにされて腰を掴まれまた中に入れられる。入口が裂けて、十分に濡れる前に擦られた所為で自己防衛本能で十分に濡れた今も中がビリビリと痛んだ。

気を失いたいのに痛みで何度も引き戻されて、いっそ殺してくれ、と叫びそうになる。けどダメだ。諦めたらダメだ。俺が死ぬならみんなの所に帰ってからだ。みんなに見捨てられたその時が俺が死ぬ時で、今ここで負けるわけにいかないんだ。

その思いだけで気力を振り絞って泣き叫んで許しを請いたいのを唇を噛んで耐える。不意に律動が止まって、小さく安堵の吐息をついた。このまま終わってくれ。このまま解放してくれ。願うのはただそれだけ。

しかし、

「本来は発情中が良いのだが」

ふ、と吐息が背中にかかる。

「このまま中に出してやる」

「は…、や、やだ…!!!中はやだ!!!」

発情期はまだ来てない。けど、もしかしたら初めての発情期は特に何もなく終わった可能性もある、ってパーピュアに言われたんだ。稀に発情期が早すぎる未成熟な子供がいて、その子達は総じてちょっと怠いな、程度で初めての発情期を終えてしまうらしい。だから2年前、一時期俺がやたらと眠たがってたのはそれが原因だったんじゃないかって。ただその後本格的に発情期が来てないからパーピュアもあくまで可能性の話だ、って。

でも少しの可能性があるなら、中出しだけは絶対に避けなければいけない。だから必死で拒否した。何度も殴られ、首を絞められ、ギシギシ痛む体に鞭打って、必死で。

「それだけは嫌だ…ッ!!!!」

暴れて後ろ手に押しのけようと痛む腕で突っ張って。
しばらくして、またずるりと抜けていく剛直に安心したのも束の間。また正面に戻されて大きく足を開かされる。相変わらず血の臭いと一緒に中から体液が溢れてシーツに滴る。

「中は嫌か」

「嫌だ…ッ」

「そうか」

唇を歪めて笑って、また中に入ってくる。

「いやだ…!!!やめろ!」

振り上げた手は簡単にベッドに縫い付けられて、

「しっかり孕め」

「いやだ…やだぁーーーーッ!!!」

ガツガツと奥を突かれ、俺の絶叫と共に中がじんわりと熱くなった。


 ◇


「う、あぁぁ…っ」

エテュセは地下牢に戻って堪えきれない嗚咽をもらしていた。
泣き叫ぶすなおを笑って犯し、抵抗する彼を何度も殴り首を絞めたあのイオに殺意がわく。しかしそれ以上に、何も出来なかった自分自身を殺してやりたかった。
あの場にいたのに。動けなかった。あのイオが恐ろしかった。けれど、朴を守るならあの時自分を犠牲にしてでも朴を逃がすべきだった。

「だから言っただろ、やめとけって」

グリニッジと呼ばれたイオが言う。
こいつは知っていた。朴がどんな目に遭うのかを。知っていて、止めた。

わかっている。ただの八つ当たりだ。守れなかったのはエテュセ自身で、このイオには何の責任もない。ただ嫌な光景を見たくないならやめておけ、と忠告したに過ぎない。

「…殺してやる…ッ、殺してやる!!お前も!あのイオも!!!!」

「丸腰で魔力も封じられたお前がどうやって?」

「この首もがれても噛み切ってやる…ッ!!!」

最後の瞬間まで戦って、死んでも、例え悪魔に身を落としても、地の果てまで追って必ず。

「殺してやる…ッ!!!!!」

「それなら精々生き延びるんだな。惨めに、敵の施しを受けて」

柵の隙間から差し込まれた食事を、エテュセはマナーも何も放り投げ手掴みで口に運んだ。毒があったって知った事ではない。むしろ死んで怨霊にでもなった方が手っ取り早くこいつらを殺せるかも知れない。だから味もわからないそれを口に詰め込んで咀嚼した。涙を何度も拭って、食べきって粗末な布団に潜り込む。遅効性の毒じゃない限りは毒物の類は入っていなかったらしく死ななかったから、寝て鋭気を養うのだ。
グリニッジはそれを見届けて、空のトレイを回収して去った。後には爽やかな若葉の香りだけが残ってエテュセは黴臭い布団に顔を埋めた。

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