168 / 203
第三章 神子
もしかして
あれから一週間が経って、俺はようやくふらふらせずに自力で歩けるようになった。少し前から固形も食べられるようになったし、食欲もある。ただ沢山食べすぎると吐いちゃうから食べすぎ注意なんだけど。
俺のご飯はいつもローゼンが作ってくれるんだけど、他の人のはちゃんと料理人がいるんだって。俺はローゼンのご飯が好きだからありがたいんだけど、ローゼンの負担だったら他の人と一緒でも…って言ったら断固拒否された。まだパン粥しか食べられない俺に出来たてを食べて欲しくて一度オーマイアに頼んだことはあったけど、固形が食べられるようになった今俺にご飯を作るのは自分の役目だって言って譲ってくれなかった。ローゼンがここまで主張する事って少ないし、ありがたく今でも作ってもらってる。ティエが餌付けだ!って失礼な事言ってくるけど、ローゼンのご飯美味しいんだもん。独り占め出来て嬉しい。
今日は珍しく全員休みの日。今日も外は雪が降っててどこにも行けそうにない。あの日からコトネの事とかあの青年の夢とかは見ない。朝陽もあれから来てくれない。
今どうしてるの。本当に無事なの。どこにいるの。誰に連れて行かれたの。
訊きたい事は沢山あるのに。
「スナオ?」
「…ティエ…」
「ぼんやりしてどうしたの?具合悪い?」
「朝陽の事考えてた」
元気になってくると焦ってくる。
朝陽は人質だって言ってた。だから死んでない筈。だけど不安だ。眠ってるって言ってたけど、眠ってるだけなら食事なんてしてるわけない。
「焦ったっていい事ないわ。今は耐えて確実に助ける方法を考えましょ」
「…うん」
あの棺は明日ようやく開けてもらえる事になった。レイアゼシカだけではダメで、テューイリングが王命として神官を捩じ伏せてくれたんだ。くそ眼鏡亡き後神官長の座に就いた人は野心溢れるくそ眼鏡と違って随分信心深い人らしく、かなり渋ったみたいだけど。
よしよし、と頭を撫でてくれるティエに寄りかかってたらローゼンにも頬を撫でられた。
「大分顔色も良くなりましたね」
「ローゼンのご飯のおかげ」
もうここに来てから俺の体はローゼンのご飯で出来てるって言っても過言じゃないと思う。隣でティエがボソッとローが憎い…、俺も餌付けしたい、って呟いたけど聞かなかった事にしよう。餌付けってなんだ餌付けって。俺は野生動物か何かか。
最初は頼りになってオネエ口調なのにかっこよかったティエが結構子供っぽいって知れたのも嬉しいんだよね。かっこいいディアが赤ちゃんにびびる姿も新しくて良かった。
本当に帰ってこれて良かったなって思う。だから早く朝陽にもそう思ってもらいたいんだ。もう朝陽に今回は諦める、なんて思わせないように。
その夜。今日は俺の両隣にディアとローゼン、ローゼンの向こうにティエがいる。
この家の暖炉はディアが好きだから使ってるだけで、実はなくても空調は万全らしい。だから暖炉を消しても暖かいのか。
寝る前他愛もない話をしてる内に何だか体が熱い事に気が付いた。あれ、おかしいな。また熱が出てきたのかな?
そう思ってたんだけど…。
「…スナオ様?」
「ん…っ」
あれ。何でだろう。体が変だ。ゾクゾクする。
「やだ、なにコレ…!」
今そんな雰囲気欠片もなかったのに、下半身が急に疼いて…しかも何だか微妙に勃ってない!?何で!?
さらに皆の匂いが妙に濃く感じて、しかも3人分混ざり合った結果新たな匂いを生み出してしまってるし!ブレンドティーか!なんとも形容しがたい、でも調香師が作りましたか?ってくらいうまい具合に混ざったその香りで頭がクラクラする。
「…これは…」
「発情期か…?」
発情期…?
だって何の予兆もなかったんですけど…!え?あれ??もしかして予兆ってない物なの??こんな突然来るの??いや、でもホントにこれ、ヤバイ…!!
「あ…!」
体を起こしたローゼンの動きで布団が擦れただけでもびくり、と反応してしまう。
嘘だろ、これだけで完勃ちなんですけど…!!あと何か…気のせいだと思いたいんだけど、後孔がぬるぬるしてない?前も後ろもヤバいんだけど!!
「団長…スナオはまだ抑制剤ないですよね…?」
ティエが荒い息を吐きながら、すっげぇいい匂い、って呟いたけど俺はそれどころじゃない。ティエの地声は18禁だって言ったじゃん…!!声だけでイきそうになったよ!!
「緊急時の抑制剤がある筈だ。オーマイアに訊いて来よう」
「あ、や…、ディア…!」
行かないで、と思わずその手を掴む。早くめちゃくちゃにして欲しい。早く中に注いでほしい。みんなの子種、早く頂戴。一人でも欠けたら嫌だ___って欲望のままに強請りそうになってまだ微かに残る冷静な部分が口を噤ませる。
ダメだ、ディアは俺の為に抑制剤?を取りに行ってくれようとしてるんだから邪魔しちゃダメなんだ。
ああ、だけど、体が疼いて勝手に腰が揺れてしまう。
「やだ…、なにこれ、怖い…!!」
寝巻が擦れる感覚だけでもゾクゾクと快感に変わってしまって、ローゼンの大きな手が宥めるように頬を撫でただけで…イッてしまった。
俺のご飯はいつもローゼンが作ってくれるんだけど、他の人のはちゃんと料理人がいるんだって。俺はローゼンのご飯が好きだからありがたいんだけど、ローゼンの負担だったら他の人と一緒でも…って言ったら断固拒否された。まだパン粥しか食べられない俺に出来たてを食べて欲しくて一度オーマイアに頼んだことはあったけど、固形が食べられるようになった今俺にご飯を作るのは自分の役目だって言って譲ってくれなかった。ローゼンがここまで主張する事って少ないし、ありがたく今でも作ってもらってる。ティエが餌付けだ!って失礼な事言ってくるけど、ローゼンのご飯美味しいんだもん。独り占め出来て嬉しい。
今日は珍しく全員休みの日。今日も外は雪が降っててどこにも行けそうにない。あの日からコトネの事とかあの青年の夢とかは見ない。朝陽もあれから来てくれない。
今どうしてるの。本当に無事なの。どこにいるの。誰に連れて行かれたの。
訊きたい事は沢山あるのに。
「スナオ?」
「…ティエ…」
「ぼんやりしてどうしたの?具合悪い?」
「朝陽の事考えてた」
元気になってくると焦ってくる。
朝陽は人質だって言ってた。だから死んでない筈。だけど不安だ。眠ってるって言ってたけど、眠ってるだけなら食事なんてしてるわけない。
「焦ったっていい事ないわ。今は耐えて確実に助ける方法を考えましょ」
「…うん」
あの棺は明日ようやく開けてもらえる事になった。レイアゼシカだけではダメで、テューイリングが王命として神官を捩じ伏せてくれたんだ。くそ眼鏡亡き後神官長の座に就いた人は野心溢れるくそ眼鏡と違って随分信心深い人らしく、かなり渋ったみたいだけど。
よしよし、と頭を撫でてくれるティエに寄りかかってたらローゼンにも頬を撫でられた。
「大分顔色も良くなりましたね」
「ローゼンのご飯のおかげ」
もうここに来てから俺の体はローゼンのご飯で出来てるって言っても過言じゃないと思う。隣でティエがボソッとローが憎い…、俺も餌付けしたい、って呟いたけど聞かなかった事にしよう。餌付けってなんだ餌付けって。俺は野生動物か何かか。
最初は頼りになってオネエ口調なのにかっこよかったティエが結構子供っぽいって知れたのも嬉しいんだよね。かっこいいディアが赤ちゃんにびびる姿も新しくて良かった。
本当に帰ってこれて良かったなって思う。だから早く朝陽にもそう思ってもらいたいんだ。もう朝陽に今回は諦める、なんて思わせないように。
その夜。今日は俺の両隣にディアとローゼン、ローゼンの向こうにティエがいる。
この家の暖炉はディアが好きだから使ってるだけで、実はなくても空調は万全らしい。だから暖炉を消しても暖かいのか。
寝る前他愛もない話をしてる内に何だか体が熱い事に気が付いた。あれ、おかしいな。また熱が出てきたのかな?
そう思ってたんだけど…。
「…スナオ様?」
「ん…っ」
あれ。何でだろう。体が変だ。ゾクゾクする。
「やだ、なにコレ…!」
今そんな雰囲気欠片もなかったのに、下半身が急に疼いて…しかも何だか微妙に勃ってない!?何で!?
さらに皆の匂いが妙に濃く感じて、しかも3人分混ざり合った結果新たな匂いを生み出してしまってるし!ブレンドティーか!なんとも形容しがたい、でも調香師が作りましたか?ってくらいうまい具合に混ざったその香りで頭がクラクラする。
「…これは…」
「発情期か…?」
発情期…?
だって何の予兆もなかったんですけど…!え?あれ??もしかして予兆ってない物なの??こんな突然来るの??いや、でもホントにこれ、ヤバイ…!!
「あ…!」
体を起こしたローゼンの動きで布団が擦れただけでもびくり、と反応してしまう。
嘘だろ、これだけで完勃ちなんですけど…!!あと何か…気のせいだと思いたいんだけど、後孔がぬるぬるしてない?前も後ろもヤバいんだけど!!
「団長…スナオはまだ抑制剤ないですよね…?」
ティエが荒い息を吐きながら、すっげぇいい匂い、って呟いたけど俺はそれどころじゃない。ティエの地声は18禁だって言ったじゃん…!!声だけでイきそうになったよ!!
「緊急時の抑制剤がある筈だ。オーマイアに訊いて来よう」
「あ、や…、ディア…!」
行かないで、と思わずその手を掴む。早くめちゃくちゃにして欲しい。早く中に注いでほしい。みんなの子種、早く頂戴。一人でも欠けたら嫌だ___って欲望のままに強請りそうになってまだ微かに残る冷静な部分が口を噤ませる。
ダメだ、ディアは俺の為に抑制剤?を取りに行ってくれようとしてるんだから邪魔しちゃダメなんだ。
ああ、だけど、体が疼いて勝手に腰が揺れてしまう。
「やだ…、なにこれ、怖い…!!」
寝巻が擦れる感覚だけでもゾクゾクと快感に変わってしまって、ローゼンの大きな手が宥めるように頬を撫でただけで…イッてしまった。
あなたにおすすめの小説
獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果
ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。
そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。
2023/04/06 後日談追加
人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます
七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。
歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。
世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。
気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。
運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…
こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』
ある日、教室中に響いた声だ。
……この言い方には語弊があった。
正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。
テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。
問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。
*当作品はカクヨム様でも掲載しております。
普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている
迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。
読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)
魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。
ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。
それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。
それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。
勘弁してほしい。
僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)