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本編
144.暴かれる罪(4)
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「黙りなさい、侯爵風情が!崇高なるブラマーニ公爵家を、どこまで侮辱すれば気が済むと言うの?!」
初めて、ディアマンテが声を荒らげた。
濃い化粧を施した目は釣り上がり、まるで物語に出てくる恐ろしい魔女のような形相に、クラリーチェは思わず息を呑んだ。
「………『崇高』と『強欲』は同義語ではなかったと思いますが…………それはさておき、兄上はジャクウィント前侯爵夫妻の死についてお尋ねになっているのです。今は貴女ののプライドも、誇りもどうでもいい事なのですよ、元正妃。………ですから、そのうるさい口を閉じてください」
優しい声音で、辛辣な言葉を並べてディアマンテを窘めたのは、ラファエロだった。
その顔には、嫌悪感が滲み出ていた。
「なっ………」
ディアマンテは更に何かを言おうとしたが、射殺されそうなほどに冷たい視線をエドアルドに向けられて、悔しそうに押し黙った。
「………フェラーラ侯爵、続きを」
エドアルドは視線はそのままに、フェラーラ侯爵に続きを白状するよう促した。
「…………気が付かれぬよう、細心の注意を払っていましたが………それから数年後に、我々の謀略に気がついた人物がいました。………それが、ジャクウィント前侯爵夫妻でした」
フェラーラ侯爵は、クラリーチェの方をちらりと見てから、ほんの少し目を伏せた。
クラリーチェは青褪めたまま、己を抱き締めるエドアルドの腕に身を任せていた。
その表情は何も映し出しておらず、感情を読み取ることはできなかった。
「………ジャクウィント侯爵家に関わる一連の不審死について、ロレンツォ殿は自分なりに調べていたのでしょう。その過程で、リオネッラ妃の殺害について、知ったのでしょう。………彼は、本当に優秀な人物でしたから。…………実直なロレンツォ殿は、フィリッポ陛下に全てを自白するべきだと、直談判してきましたよ」
フェラーラ侯爵の赤い瞳が、細められた。
「………彼は、正義感と一族の無念を晴らす使命感に燃えていたのでしょう。………しかしその真っ直ぐさ故に、命を奪われる羽目になった。もっと汚い手を使って、我々を陥れることだって彼ならば可能だったでしょうに………残念な事でした」
フェラーラ侯爵の口ぶりから、ジャクウィント前侯爵、は裏から手を回したりはせずに、本当に正面から公爵達に立ち向かったのだろう。
自分の身を危険に晒すことになったとしても、卑怯な手を使おうとはしなかったという前侯爵の清廉さが伺い知れた。
初めて、ディアマンテが声を荒らげた。
濃い化粧を施した目は釣り上がり、まるで物語に出てくる恐ろしい魔女のような形相に、クラリーチェは思わず息を呑んだ。
「………『崇高』と『強欲』は同義語ではなかったと思いますが…………それはさておき、兄上はジャクウィント前侯爵夫妻の死についてお尋ねになっているのです。今は貴女ののプライドも、誇りもどうでもいい事なのですよ、元正妃。………ですから、そのうるさい口を閉じてください」
優しい声音で、辛辣な言葉を並べてディアマンテを窘めたのは、ラファエロだった。
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「なっ………」
ディアマンテは更に何かを言おうとしたが、射殺されそうなほどに冷たい視線をエドアルドに向けられて、悔しそうに押し黙った。
「………フェラーラ侯爵、続きを」
エドアルドは視線はそのままに、フェラーラ侯爵に続きを白状するよう促した。
「…………気が付かれぬよう、細心の注意を払っていましたが………それから数年後に、我々の謀略に気がついた人物がいました。………それが、ジャクウィント前侯爵夫妻でした」
フェラーラ侯爵は、クラリーチェの方をちらりと見てから、ほんの少し目を伏せた。
クラリーチェは青褪めたまま、己を抱き締めるエドアルドの腕に身を任せていた。
その表情は何も映し出しておらず、感情を読み取ることはできなかった。
「………ジャクウィント侯爵家に関わる一連の不審死について、ロレンツォ殿は自分なりに調べていたのでしょう。その過程で、リオネッラ妃の殺害について、知ったのでしょう。………彼は、本当に優秀な人物でしたから。…………実直なロレンツォ殿は、フィリッポ陛下に全てを自白するべきだと、直談判してきましたよ」
フェラーラ侯爵の赤い瞳が、細められた。
「………彼は、正義感と一族の無念を晴らす使命感に燃えていたのでしょう。………しかしその真っ直ぐさ故に、命を奪われる羽目になった。もっと汚い手を使って、我々を陥れることだって彼ならば可能だったでしょうに………残念な事でした」
フェラーラ侯爵の口ぶりから、ジャクウィント前侯爵、は裏から手を回したりはせずに、本当に正面から公爵達に立ち向かったのだろう。
自分の身を危険に晒すことになったとしても、卑怯な手を使おうとはしなかったという前侯爵の清廉さが伺い知れた。
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