冷遇側妃の幸せな結婚

玉響

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本編

閑話 クラリーチェの入浴タイム ※読まなくても本編には影響ありません

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アンナが用意してくれたお湯は、心を鎮める効果のあるラヴァンダの香りがした。
湯船に浸かると、じんわりとお湯のぬくもりが肌に染み渡る。
そこで初めて、クラリーチェは自分の体が緊張の為に酷く強張っていた事に気がついた。
ふうっと深呼吸をすると、張り詰めていた神経も緩んでいく気がした。

長くて、辛い一日だった。
エドアルド達が死んだと聞かされた時の、絶望感と心を切り裂かれるような痛み、そしてそのエドアルドの元気な姿を確認した時の叫びだしたくなる歓喜と、全身の力が抜けるような安堵感は、今もまざまざと蘇ってくる。

今頃、エドアルドはブラマーニ公爵家及びフェラーラ侯爵家の罪を追及しているだろうか。
エドアルドを思い浮かべるだけで、胸の奥が疼き、その切なさにクラリーチェは吐息を零した。

「クラリーチェ様、本当にお美しくなられましたね」

不意にアンナに声を掛けられて、クラリーチェははっと我に返る。

「元々お美しかったのですけれど………何というか、艶っぽさが加わったというか………」
「アンナ、それはね………愛の力よ」

リディアがすっぱりと断言するのを聞いて、クラリーチェは一気に頬が上気するのを感じた。

「愛の力………!女は愛されてこそ輝きを増す、ということですね?」

クラリーチェの長い銀髪を丁寧に洗い清めながら、アンナがキラキラと目を輝かせる。

「そう言えば、以前お仕えしていた頃に比べて体つきも女性らしくなられてきた気が致します………!」
「え…………?」

クラリーチェは咄嗟に手で胸元を覆い隠す。
確かに、胸元や腰回りは以前より成長を遂げ、体にメリハリがついてきたのは、何となく自覚していた。
細いことに変わりはないが、それでも以前よりもアンナの言うとおり、女性らしい体つきにはなってきた気がする。
しかしそれを、いくら侍女とはいえ、全裸の状態で指摘されるのはかなり恥ずかしい。
クラリーチェは視線を彷徨わせた。

クラリーチェのその様子があまりに艶めかしく、魅惑的で、同時に初々しくて、アンナもリディアも眼福と言わんばかりに幸せそうな顔をした。

「………クラリーチェ様にお仕えすることが出来て、本当に私は幸せ者ですわ」
「私もです。私はもう一生をクラリーチェ様に捧げると決めておりますから!ずっとお近くでクラリーチェ様の素晴らしさを毎日堪能出来るのですわ!」

そう力説しながらクラリーチェを磨き上げる侍女二人に取り囲まれて、クラリーチェは平和な日常が戻ってきたことを実感するのだった。
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