143 / 269
本編
エピローグ 結婚式
しおりを挟む
その日は、本当に雲一つない素晴らしい快晴だった。
心地よい、秋の気配を纏った潮風がキエザ港を包んでいる。
一週間前からこれでもかというくらいに磨き上げられたクラリーチェは、国中の職人が総出で仕上げたという見事としか言いようのない純白のウエディングドレスに身を包み、マリアヴェールを被り、大粒のブルーダイヤモンドをあしらった揃いのイヤリングとネックレスという装いでサントクルーチェ大聖堂の扉の前に立っていた。
その姿は、まさに女神のような神々しいまでの美しさで、純白のロングトレーンの優美かつ豪奢なドレスのせいなのか、うっすらと光を纏っているような錯覚さえ起こすようだった。
「よもやこんな大役が回ってくるとは思いもしませんでしたよ。いやはや、『娘』を持つ父親とはこのような心境なのですな」
カンチェラーラ侯爵が感慨深げに呟くと、カンチェラーラ侯爵夫人が優しい微笑みを湛えたままクラリーチェに近づき、抱き締めた。
「あなたは、大切な私達の『娘』ですよ。………幸せに、なりなさいな」
「ありがとうございます、『お父様、お母様』」
クラリーチェがお辞儀をすると、母親役のカンチェラーラ侯爵夫人がクラリーチェの顔にヴェールを掛けた。
父親役のカンチェラーラ侯爵がエスコートをするために腕を差し出すと、クラリーチェは静かに頷いて、その手を取った。
俄に、扉が開け放たれ重厚なパイプオルガンの音が響き渡る。
深い愛情を示す深紅の絨毯が敷かれたウエディングアイルの向こうに、純白の式典服を身に着けたエドアルドが待っているのが見えた。
一歩ずつ歩みを進めるたびに、これまであった様々な出来事や思い出が、浮かんでは消えていく。
辛いこと、苦しいこと、悲しいこと、楽しいこと、嬉しいこと、そして、幸せなこと。
様々なことがあったけれど、それを乗り越えて、今、この場に立つことができた。
「………私の花嫁は、やはり世界一だな」
エドアルドの前まで来ると、カンチェラーラ侯爵がクラリーチェの手を、エドアルドの手の上に重ねる。
それと同時に、エドアルドが掠れた声でそう囁いた。
「エドアルド様も、素敵です」
はにかみながらそう告げると、エドアルドは破顔する。
その笑顔に、どうしようもないくらいに胸が高鳴って、クラリーチェは頬を赤らめた。
「こちらへどうぞ」
大司教の厳かな声が響き渡り、エドアルドはクラリーチェをゆっくりと導きながら祭壇へと歩みを進め、大司教の前に跪く。
荘厳なステンドグラスから色とりどりの光が差し込み、祭壇を照らし出す様をじっと見つめながら、大司教から神の祝福を受ける。
「では、結婚の誓いを」
大司教がエドアルドに視線を向けると、エドアルドは小さく頷く。
「キエザ国王エドアルド・レアーレ・キエザ。汝はクラリーチェ・ジャクウィントを伴侶とし、生涯変わらぬ愛を彼女だけにに捧げることを誓いますか?」
「誓います」
クラリーチェは、事前に聞かされていた誓約の言葉と違うことに目を見開き、エドアルドの方を見ると、口元にだけ笑みを浮かべてみせた。
誓いの言葉は、『生涯愛する事を誓いますか?』だった筈だ。
それが、変えられた。
クラリーチェだけに捧げられる、エドアルドの愛。それは、他に妃を娶らないと宣言したのと同じ意味だ。
その言葉の優しさに、エドアルドが与えてくれる強くて深い愛に、クラリーチェの心は満たされる。
「ジャクウィント女侯爵クラリーチェ・ジャクウィント。汝はエドアルド・レアーレ・キエザを伴侶とし、生涯変わらぬ愛を、彼だけに捧げることを誓いますか?」
大司教の穏やかな視線がクラリーチェに向けられると、クラリーチェは今にも零れそうな涙を堪えながら、しかし精一杯気持ちを込めて答えた。
「誓います」
大司教は大きく頷くと、二人を祭壇の上の台座に導き、誓約書に署名させた。
「ここに、二人は晴れて夫婦となったことを、宣言します」
大聖堂の大きな扉が開け放たれると、潮風が聖堂内を駆け抜けた、その時だった。
徐に、エドアルドがクラリーチェを横抱きにした。
「エドアルド様っ?!」
思いもよらないエドアルドの行動に、クラリーチェは慌て、参列者からはどよめきが上がった。
「他国では、誓いのキスをしたりするらしいからな。これくらいは許されるだろう?」
有無を言わせない態度で、エドアルドが大司教を振り返ると、大司教は苦笑いを浮かべて、それに応えた。
「………どうぞ、末永くお幸せに」
途端に参列者からは拍手が沸き起こり、エドアルドは満足そうに微笑むと、腕の中のクラリーチェの唇を奪う。
「………っ?!」
「末永く、ではなくこの命が尽きるまで、だ」
唇を話すと、クラリーチェを愛おしげに見つめながらエドアルドが囁いた。
「………はい」
恥ずかしくて、周囲からの生暖かい視線が怖いのに、そんなことはどうでもいいと感じてしまうくらいに、クラリーチェの心は、この上ない幸福感に満たされていた。
そんなクラリーチェを抱きかかえたエドアルドが、光の差し込む扉を出ると、眩しい陽の光が二人に降り注ぎ、遠くに見える海の波間が煌めく。
それは、まるで空と海までもが二人の門出を祝福しているようだった。
冷遇されていた頃には、こんな未来が待ち受けているなどと、誰が想像しただろうか。
改めて幸せを噛み締めたクラリーチェはゆっくりと目を閉じると、自らエドアルドの唇に己のそれを押し当てた。
キエザ国王エドアルド・レアーレ・キエザは多くの功績を残し、キエザの黄金時代を築き上げた名君として歴史に名を刻んでいる。
そして、彼を語る上で欠かせない存在が賢妃クラリーチェ。
彼女は自国の民は勿論のこと、他国にも惜しみなく救いの手を差し伸べ、多くの命を救ったと言われている。
そんなクラリーチェとエドアルドは仲睦まじい夫婦としても語り継がれている。
二人をモデルにした物語が数多く作られ、その物語は、彼等の残した逸話と共に、今も親しまれているという。
【完】
※※※あとがき※※※
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。
連載を始めてから、実に丸三ヶ月。………長いですね。
この間に、ランキング入りをしたり、恋愛小説大賞を頂戴したりと驚くことが沢山ありました。
沢山の方から感想を頂き、本当に嬉しかったです。
これにて『冷遇側妃の幸せな結婚』は完結となりますが、強靭過ぎる精神力で欲望を抑え続けたエドアルドとクラリーチェの初夜や、そのエドアルドのせいで苦労させられっぱなしだった人達などの後日談などを番外編で書いていきたいと思っております。
もしリクエストなどがございましたら、教えて頂ければ嬉しいです。
本当に、ありがとうございました。
心地よい、秋の気配を纏った潮風がキエザ港を包んでいる。
一週間前からこれでもかというくらいに磨き上げられたクラリーチェは、国中の職人が総出で仕上げたという見事としか言いようのない純白のウエディングドレスに身を包み、マリアヴェールを被り、大粒のブルーダイヤモンドをあしらった揃いのイヤリングとネックレスという装いでサントクルーチェ大聖堂の扉の前に立っていた。
その姿は、まさに女神のような神々しいまでの美しさで、純白のロングトレーンの優美かつ豪奢なドレスのせいなのか、うっすらと光を纏っているような錯覚さえ起こすようだった。
「よもやこんな大役が回ってくるとは思いもしませんでしたよ。いやはや、『娘』を持つ父親とはこのような心境なのですな」
カンチェラーラ侯爵が感慨深げに呟くと、カンチェラーラ侯爵夫人が優しい微笑みを湛えたままクラリーチェに近づき、抱き締めた。
「あなたは、大切な私達の『娘』ですよ。………幸せに、なりなさいな」
「ありがとうございます、『お父様、お母様』」
クラリーチェがお辞儀をすると、母親役のカンチェラーラ侯爵夫人がクラリーチェの顔にヴェールを掛けた。
父親役のカンチェラーラ侯爵がエスコートをするために腕を差し出すと、クラリーチェは静かに頷いて、その手を取った。
俄に、扉が開け放たれ重厚なパイプオルガンの音が響き渡る。
深い愛情を示す深紅の絨毯が敷かれたウエディングアイルの向こうに、純白の式典服を身に着けたエドアルドが待っているのが見えた。
一歩ずつ歩みを進めるたびに、これまであった様々な出来事や思い出が、浮かんでは消えていく。
辛いこと、苦しいこと、悲しいこと、楽しいこと、嬉しいこと、そして、幸せなこと。
様々なことがあったけれど、それを乗り越えて、今、この場に立つことができた。
「………私の花嫁は、やはり世界一だな」
エドアルドの前まで来ると、カンチェラーラ侯爵がクラリーチェの手を、エドアルドの手の上に重ねる。
それと同時に、エドアルドが掠れた声でそう囁いた。
「エドアルド様も、素敵です」
はにかみながらそう告げると、エドアルドは破顔する。
その笑顔に、どうしようもないくらいに胸が高鳴って、クラリーチェは頬を赤らめた。
「こちらへどうぞ」
大司教の厳かな声が響き渡り、エドアルドはクラリーチェをゆっくりと導きながら祭壇へと歩みを進め、大司教の前に跪く。
荘厳なステンドグラスから色とりどりの光が差し込み、祭壇を照らし出す様をじっと見つめながら、大司教から神の祝福を受ける。
「では、結婚の誓いを」
大司教がエドアルドに視線を向けると、エドアルドは小さく頷く。
「キエザ国王エドアルド・レアーレ・キエザ。汝はクラリーチェ・ジャクウィントを伴侶とし、生涯変わらぬ愛を彼女だけにに捧げることを誓いますか?」
「誓います」
クラリーチェは、事前に聞かされていた誓約の言葉と違うことに目を見開き、エドアルドの方を見ると、口元にだけ笑みを浮かべてみせた。
誓いの言葉は、『生涯愛する事を誓いますか?』だった筈だ。
それが、変えられた。
クラリーチェだけに捧げられる、エドアルドの愛。それは、他に妃を娶らないと宣言したのと同じ意味だ。
その言葉の優しさに、エドアルドが与えてくれる強くて深い愛に、クラリーチェの心は満たされる。
「ジャクウィント女侯爵クラリーチェ・ジャクウィント。汝はエドアルド・レアーレ・キエザを伴侶とし、生涯変わらぬ愛を、彼だけに捧げることを誓いますか?」
大司教の穏やかな視線がクラリーチェに向けられると、クラリーチェは今にも零れそうな涙を堪えながら、しかし精一杯気持ちを込めて答えた。
「誓います」
大司教は大きく頷くと、二人を祭壇の上の台座に導き、誓約書に署名させた。
「ここに、二人は晴れて夫婦となったことを、宣言します」
大聖堂の大きな扉が開け放たれると、潮風が聖堂内を駆け抜けた、その時だった。
徐に、エドアルドがクラリーチェを横抱きにした。
「エドアルド様っ?!」
思いもよらないエドアルドの行動に、クラリーチェは慌て、参列者からはどよめきが上がった。
「他国では、誓いのキスをしたりするらしいからな。これくらいは許されるだろう?」
有無を言わせない態度で、エドアルドが大司教を振り返ると、大司教は苦笑いを浮かべて、それに応えた。
「………どうぞ、末永くお幸せに」
途端に参列者からは拍手が沸き起こり、エドアルドは満足そうに微笑むと、腕の中のクラリーチェの唇を奪う。
「………っ?!」
「末永く、ではなくこの命が尽きるまで、だ」
唇を話すと、クラリーチェを愛おしげに見つめながらエドアルドが囁いた。
「………はい」
恥ずかしくて、周囲からの生暖かい視線が怖いのに、そんなことはどうでもいいと感じてしまうくらいに、クラリーチェの心は、この上ない幸福感に満たされていた。
そんなクラリーチェを抱きかかえたエドアルドが、光の差し込む扉を出ると、眩しい陽の光が二人に降り注ぎ、遠くに見える海の波間が煌めく。
それは、まるで空と海までもが二人の門出を祝福しているようだった。
冷遇されていた頃には、こんな未来が待ち受けているなどと、誰が想像しただろうか。
改めて幸せを噛み締めたクラリーチェはゆっくりと目を閉じると、自らエドアルドの唇に己のそれを押し当てた。
キエザ国王エドアルド・レアーレ・キエザは多くの功績を残し、キエザの黄金時代を築き上げた名君として歴史に名を刻んでいる。
そして、彼を語る上で欠かせない存在が賢妃クラリーチェ。
彼女は自国の民は勿論のこと、他国にも惜しみなく救いの手を差し伸べ、多くの命を救ったと言われている。
そんなクラリーチェとエドアルドは仲睦まじい夫婦としても語り継がれている。
二人をモデルにした物語が数多く作られ、その物語は、彼等の残した逸話と共に、今も親しまれているという。
【完】
※※※あとがき※※※
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。
連載を始めてから、実に丸三ヶ月。………長いですね。
この間に、ランキング入りをしたり、恋愛小説大賞を頂戴したりと驚くことが沢山ありました。
沢山の方から感想を頂き、本当に嬉しかったです。
これにて『冷遇側妃の幸せな結婚』は完結となりますが、強靭過ぎる精神力で欲望を抑え続けたエドアルドとクラリーチェの初夜や、そのエドアルドのせいで苦労させられっぱなしだった人達などの後日談などを番外編で書いていきたいと思っております。
もしリクエストなどがございましたら、教えて頂ければ嬉しいです。
本当に、ありがとうございました。
46
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結保証】
星森 永羽
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつもりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。