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番外編
新婚旅行(5)
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「伯父上、今回は新婚旅行とは言っても、視察も兼ねてのものです。決して遊びに来たわけではありません」
アルベルタからクラリーチェをやっとの思いで奪還したエドアルドがヴァレリオに向かって宣言すると、ヴァレリオは嘲笑う。
「本当に堅苦しいところは変わらんな。真面目は美徳だが、あまり頑固で融通が効かないと、愛しの妃に愛想を尽かされるぞ」
「なっ…………?!」
顔を赤くして口をパクパクとするエドアルドを眺めながら、クラリーチェは微笑んだ。
「私が何も知らないとでも思っているのか?国を動かす人間にとっては、情報は最強の武器になりうるものだ。どんな些細な情報も集めるようにしなければならぬのだぞ」
「………伯父上はそうやって何かと理由をつけて自分の行動を正当化するのが昔からお得意ですよね」
「おお、中々言うようになったな」
ヴァレリオは嬉しそうに、ポンポンとエドアルドの頭を撫でた。
「いつまで子供扱いするつもりですか?」
「そうだな………私が墓場に行くまでだろうな」
ヴァレリオは栗色の立派な髭を撫でながら、にっこりと笑った。
「とりあえず手始めに、サントスフォルツァ大聖堂でも見学に行ってみてはどうだ?あれは一見の価値がある」
まるで、二人の馬車の中の会話を全て聴いていたかのような提案に、クラリーチェも流石に顔を赤らめた。
「………伯父上?もしや………」
「帰ってくる頃には晩餐の用意ができる頃だから、丁度いいと思うぞ」
エドアルドが何かを尋ねようとしたが、ヴァレリオは何食わぬ顔で提案してきた。
「まあ。新婚旅行の初めてのデートがあの大聖堂だなんてロマンチックだわあ………!行ってらっしゃいな!」
アルベルタ妃の援護射撃に、エドアルドは反論すらも出来なくなり、大人しく『提案』に乗るのだった。
サントスフォルツァ大聖堂は、オズヴァルド王宮に次ぐ規模の建造物。
伝統的な建築方法を用いて作られた立派な大聖堂の最深部に、その絵は飾られていた。
「…………っ!」
絵を見た瞬間、クラリーチェは感動のあまり声にならない感嘆の悲鳴を上げた。
天才と謳われた画家の最大の作品は、神が人々に教えを説いている場面を厳かに描いたものだった。
光と影、そして色彩の使い方が絶妙で、大聖堂の雰囲気に溶け込んでいた。
クラリーチェは食い入る様にその絵を見つめていた。
そんなクラリーチェと手を繋いだまま、エドアルドも絵を見つめる。
どれだけの時間、そうしていただろう。
穏やかな沈黙を破って、エドアルドが呟いた。
「………貴女と共に、この絵を見ることが出来たことが、本当に嬉しく感じる」
クラリーチェははっとして、エドアルドの顔を見上げると、エドアルドは哀愁を含んだ表情を浮かべた。
アルベルタからクラリーチェをやっとの思いで奪還したエドアルドがヴァレリオに向かって宣言すると、ヴァレリオは嘲笑う。
「本当に堅苦しいところは変わらんな。真面目は美徳だが、あまり頑固で融通が効かないと、愛しの妃に愛想を尽かされるぞ」
「なっ…………?!」
顔を赤くして口をパクパクとするエドアルドを眺めながら、クラリーチェは微笑んだ。
「私が何も知らないとでも思っているのか?国を動かす人間にとっては、情報は最強の武器になりうるものだ。どんな些細な情報も集めるようにしなければならぬのだぞ」
「………伯父上はそうやって何かと理由をつけて自分の行動を正当化するのが昔からお得意ですよね」
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ヴァレリオは嬉しそうに、ポンポンとエドアルドの頭を撫でた。
「いつまで子供扱いするつもりですか?」
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ヴァレリオは栗色の立派な髭を撫でながら、にっこりと笑った。
「とりあえず手始めに、サントスフォルツァ大聖堂でも見学に行ってみてはどうだ?あれは一見の価値がある」
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「まあ。新婚旅行の初めてのデートがあの大聖堂だなんてロマンチックだわあ………!行ってらっしゃいな!」
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「…………っ!」
絵を見た瞬間、クラリーチェは感動のあまり声にならない感嘆の悲鳴を上げた。
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そんなクラリーチェと手を繋いだまま、エドアルドも絵を見つめる。
どれだけの時間、そうしていただろう。
穏やかな沈黙を破って、エドアルドが呟いた。
「………貴女と共に、この絵を見ることが出来たことが、本当に嬉しく感じる」
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