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48.ヴァルツァー王国の守護者
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「女神の加護とは、それ程に偉大なものなのですよ。………その当時の資料はそれ程多く残されてはおりませんし、当事者でいらっしゃるクラルヴァイン辺境伯殿も滅多に表舞台には姿を見せられませんからねぇ………」
クラルヴァイン辺境伯の名に、アンネリーゼは更に動揺した。
その名を聞いた途端に、自分の中の何かが動き出す気がした。
「クラルヴァイン辺境伯………様………とは………?」
アンネリーゼが呟くと、イェルクは深く頷いた。
「そう言えば、一時行方不明だったご令嬢を保護して下さったのもあの方でしたね。お父君からお話は聞いておられませんでしたかな?………ジークヴァルト・クラルヴァイン辺境伯殿は、その巫女姫の護衛騎士で、巫女姫の死後に戦った、魔物に魂を売り渡した『禍月の魔女』と呼ばれる魔女に不老不死の呪いをかけられてしまったが故に、数百年もの時を生きておられる騎士なのですよ。類稀な剣技と、膨大な魔力を持つ、素晴らしいお方なのだそうです」
「え…………っ?」
バラバラになっていたパズルのピースが少しずつ見つかってきたような、不思議な気持ちだった。
本に描かれた伝説と、現実が段々繋がっていく。
だが、不老不死の人間がこの世に存在するだなどという話は、俄には信じがたかった。
「たった一人………その身一つで、次の巫女姫が現れるまでの百年間、魔物達の脅威からこの国を守り続け、それ以降もしばしば現れる魔物達の討伐を行う『ヴァルツァー王国の守護者』。長い時を経て彼の存在は徐々に忘れ去られ、また辺境伯殿も、様々なご事情があるのでしょうが…………貴族でありながら、その姿を見た事のある方は殆どいらっしゃらないそうです」
「そんな…………」
イェルクの説明を聞きながら、アンネリーゼは徐々に鼓動が早くなっていくのを感じていた。
クラルヴァイン辺境伯の壮絶な人生は、かなり衝撃的な内容だったが、それ以上に、クラルヴァイン辺境伯に対してだけ、どうしてこんなにも感情が揺さぶられるのかが分からなかった。
ルートヴィヒの話を聞いたときも、かなりのショックを受けたのは確かだったが、殺されてしまった婚約者への申し訳無いという気持ちは大いに感じたが、それ以上のものは無かった。
直接、顔を合わせて、話もしたことがないのに、どうして。
どうしてこんなに切ないような、苦しいような、胸の奥が震える気持ちが湧き上がるのだろう。
記憶がないというだけでは説明のつかない何かに、アンネリーゼは強い違和感を覚えた。
クラルヴァイン辺境伯の名に、アンネリーゼは更に動揺した。
その名を聞いた途端に、自分の中の何かが動き出す気がした。
「クラルヴァイン辺境伯………様………とは………?」
アンネリーゼが呟くと、イェルクは深く頷いた。
「そう言えば、一時行方不明だったご令嬢を保護して下さったのもあの方でしたね。お父君からお話は聞いておられませんでしたかな?………ジークヴァルト・クラルヴァイン辺境伯殿は、その巫女姫の護衛騎士で、巫女姫の死後に戦った、魔物に魂を売り渡した『禍月の魔女』と呼ばれる魔女に不老不死の呪いをかけられてしまったが故に、数百年もの時を生きておられる騎士なのですよ。類稀な剣技と、膨大な魔力を持つ、素晴らしいお方なのだそうです」
「え…………っ?」
バラバラになっていたパズルのピースが少しずつ見つかってきたような、不思議な気持ちだった。
本に描かれた伝説と、現実が段々繋がっていく。
だが、不老不死の人間がこの世に存在するだなどという話は、俄には信じがたかった。
「たった一人………その身一つで、次の巫女姫が現れるまでの百年間、魔物達の脅威からこの国を守り続け、それ以降もしばしば現れる魔物達の討伐を行う『ヴァルツァー王国の守護者』。長い時を経て彼の存在は徐々に忘れ去られ、また辺境伯殿も、様々なご事情があるのでしょうが…………貴族でありながら、その姿を見た事のある方は殆どいらっしゃらないそうです」
「そんな…………」
イェルクの説明を聞きながら、アンネリーゼは徐々に鼓動が早くなっていくのを感じていた。
クラルヴァイン辺境伯の壮絶な人生は、かなり衝撃的な内容だったが、それ以上に、クラルヴァイン辺境伯に対してだけ、どうしてこんなにも感情が揺さぶられるのかが分からなかった。
ルートヴィヒの話を聞いたときも、かなりのショックを受けたのは確かだったが、殺されてしまった婚約者への申し訳無いという気持ちは大いに感じたが、それ以上のものは無かった。
直接、顔を合わせて、話もしたことがないのに、どうして。
どうしてこんなに切ないような、苦しいような、胸の奥が震える気持ちが湧き上がるのだろう。
記憶がないというだけでは説明のつかない何かに、アンネリーゼは強い違和感を覚えた。
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