呪われた騎士は記憶喪失の乙女に愛を捧げる

玉響

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65.再会(SIDE:ジークヴァルト)

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光が、差し込んできたようだった。
良く手入れの行き届いたプラチナブロンドをそのまま下ろし、純白のドレスを身にまとったアンネリーゼを見た瞬間、ジークヴァルトはそう思った。

「お初にお目にかかります、巫女姫様。ジーク・バルテルと申します」

神官から紹介をされた後、改めて偽名を名乗るとアンネリーゼはふわりと微笑み掛けてきた。

「アンネリーゼ・モルゲンシュテルンと申します。これから、よろしくお願い致しますね」

彼女が纏う魔力がきらきらと七色に煌めくのが目に入る。
ジークヴァルトは意を決して、何百年も前に口にした台詞を、紡ぎ出した。

「必ずや巫女姫様の御身をお守り致します」

他の誰でもなく、アンネリーゼを護る事ができると言う喜びに、心が打ち震える。
冷静にならなければと思えば思うほど、胸の鼓動が速まって、危うく変身魔法が解けそうになるのを堪える。
じっと、アンネリーゼがこちらを見つめていることに気が付き、ジークヴァルトは必死に感情を押し殺した。

「………何か私の顔についていましたか?」
「あ、いえ…………」

じっとこちらを見つめていた、吸い込まれそうなほど深く蒼い瞳が逸らされると、何故か呼吸が楽になった気がした。

「問題がないようであれば、そろそろ出立の時間になりますので、馬車の方にご移動願います」
「………分かりました」

うっすらと笑みを浮かべ、アンネリーゼに手を差し出す。
彼女の手が触れた瞬間、その部分から全身に何かが駆け巡るような衝撃を覚えて、ジークヴァルトの心臓が跳ねた。
生まれて初めての感覚に、酷く戸惑いながらも、何とか平静を装って彼女をエスコートする。

幸いな事に、護衛騎士は馬に乗っての移動のため、四六時中アンネリーゼと顔を合わせることはなかったが、それでも常に身近に彼女の魔力や気配を感じるのは想像以上に心が乱れた。

愛馬のエイデルもジークヴァルトの揺らぐ心を感じ取っているのだろうか、そわそわと落ち着かない様子だったが、ソレ以外は非常に順調な旅路だった。

ジークヴァルトの場合は、長距離の移動には大抵空間魔法での移動を使うため、このような長旅はの時以来だった。
ふと、アンネリーゼの乗った馬車の方に目を向けると、アンネリーゼがぼんやりと外を眺めているのが見えた。

(大丈夫………彼女は、アンネリーゼは俺が護る。………あいつと同じ目には、絶対に遭わせない)

ジークヴァルトは心の中で呟くと、誓うようにエイデルの手綱を強く握りしめた。
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