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224.闇を裂く光
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まさにその瞬間。
紅い月と闇の力に覆われているはずの空の上から、凄まじい雷鎚のような光の束が空気を裂いた。
「………………っ!」
夢中になって祈っていたアンネリーゼは、眩い光に周囲が包まれていく様子に、驚いて顔を上げた。
それは、ジークヴァルトも同じだった。
圧倒的な光に、この世の全てが呑み込まれてしまうような、今自分が目を開いているのか、閉じているのか、いや自分の体がここに存在しているのかどうかすらも分からなくなるような錯覚に陥る。
一体何が起こっているのだろう。
ただ一つ分かるのは、溢れる光が酷く優しく温かなものであるということだけだった。
波間に揺蕩うように、その光に全てを委ね、どれ位経っただろうか。
俄に光が強くなったのを肌で感じ、アンネリーゼはほうっと吐息を零した。
同時に、耳元で誰かが囁いた気がした。
「…………………………………」
「なに…………?」
ゆっくりと目を開くと、あれ程までに溢れていた光が、徐々に凝縮されてアンネリーゼとジークヴァルトの中へと吸い込まれるように集まって来るのが見えた。
「アンネリーゼ………これは、あなたの力か…………?」
瀕死だった筈のジークヴァルトが、驚いたようにアンネリーゼを見た。
アンネリーゼは事態を上手く呑み込めず、混乱したように首を横に振った。
相変わらずアンネリーゼに覆い被さるようにしているジークヴァルトの傷はすっかり消え失せていた。
それに自分自身の中で糸が縺れるように絡まり合っていた魔力が、いつもどおりに体内を巡っている事に気がついたからだ。
アンネリーゼは何とか状況を把握しようと、周囲の様子を見回す。
光が消えたのと引き換えに、王都全体を包んでいた強大な闇の力は消え失せ、穏やかな静寂に包まれていた。
「主!」
突然その静寂を破るような鋭い声がしたのと同時に、バサリと羽が風を切る音がした。
「ダミアン!無事だったか」
ジークヴァルトはゆっくりと身体を起こすと、安堵したように笑みを浮かべる。
「魔女と戦って、避けきれなかった攻撃で深手を追っていたので無事では無かったはずなのですが………。気がつくと光に包まれていて、傷口もまるで何事もなかったかのように………」
大鷲の姿をとったダミアンも戸惑いを隠せない様子で、ジークヴァルトの肩に舞い降りると首を傾げた。
「………一体何が起きたのです?魔女は…………?」
ダミアンの言葉に、アンネリーゼもジークヴァルトもはっとして、先程までの魔女がいた場所へと視線を走らせた。
紅い月と闇の力に覆われているはずの空の上から、凄まじい雷鎚のような光の束が空気を裂いた。
「………………っ!」
夢中になって祈っていたアンネリーゼは、眩い光に周囲が包まれていく様子に、驚いて顔を上げた。
それは、ジークヴァルトも同じだった。
圧倒的な光に、この世の全てが呑み込まれてしまうような、今自分が目を開いているのか、閉じているのか、いや自分の体がここに存在しているのかどうかすらも分からなくなるような錯覚に陥る。
一体何が起こっているのだろう。
ただ一つ分かるのは、溢れる光が酷く優しく温かなものであるということだけだった。
波間に揺蕩うように、その光に全てを委ね、どれ位経っただろうか。
俄に光が強くなったのを肌で感じ、アンネリーゼはほうっと吐息を零した。
同時に、耳元で誰かが囁いた気がした。
「…………………………………」
「なに…………?」
ゆっくりと目を開くと、あれ程までに溢れていた光が、徐々に凝縮されてアンネリーゼとジークヴァルトの中へと吸い込まれるように集まって来るのが見えた。
「アンネリーゼ………これは、あなたの力か…………?」
瀕死だった筈のジークヴァルトが、驚いたようにアンネリーゼを見た。
アンネリーゼは事態を上手く呑み込めず、混乱したように首を横に振った。
相変わらずアンネリーゼに覆い被さるようにしているジークヴァルトの傷はすっかり消え失せていた。
それに自分自身の中で糸が縺れるように絡まり合っていた魔力が、いつもどおりに体内を巡っている事に気がついたからだ。
アンネリーゼは何とか状況を把握しようと、周囲の様子を見回す。
光が消えたのと引き換えに、王都全体を包んでいた強大な闇の力は消え失せ、穏やかな静寂に包まれていた。
「主!」
突然その静寂を破るような鋭い声がしたのと同時に、バサリと羽が風を切る音がした。
「ダミアン!無事だったか」
ジークヴァルトはゆっくりと身体を起こすと、安堵したように笑みを浮かべる。
「魔女と戦って、避けきれなかった攻撃で深手を追っていたので無事では無かったはずなのですが………。気がつくと光に包まれていて、傷口もまるで何事もなかったかのように………」
大鷲の姿をとったダミアンも戸惑いを隠せない様子で、ジークヴァルトの肩に舞い降りると首を傾げた。
「………一体何が起きたのです?魔女は…………?」
ダミアンの言葉に、アンネリーゼもジークヴァルトもはっとして、先程までの魔女がいた場所へと視線を走らせた。
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