婚約者の断罪

玉響

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3.尾行

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馬車で町の中心部にある噴水の水ある広場へと向かい、そこで降ろして貰いました。
護衛の方たちには、少し離れた所から見守ってもらうことにしました。そうでないと目立ってしまいますから、せっかくの計画が台無しになってしまうそうです。

セシリアと私は、噴水近くのお店でフルーツジュースを買い、ベンチに腰を降ろしました。
ここなら、王城からやってくるであろうバイロン様を見つけられる筈です。
………それにしても、町は凄く人が多くて賑わっていますね。こんなに沢山の人がいるのに、私はバイロン様を見つけられるのでしょうか。
………そう思った時でした。

「………バイロン様」

王城から真っ直ぐに噴水広場へと続いている大通りを颯爽と歩くバイロン様を見つけ、私は呟きました。
遠目でも分かるくらいに、素敵なバイロン様。
いつもの騎士服ではなくて簡素な平民っぽい服をお召しですけれど、それでもやはり周囲の視線を惹き付けています。


「本当だわ。流石はミリーね。早速ターゲットを発見するなんて。………こっちに向かってくるわ!背中を向けて、気づかれないようにしないと!」

セシリアが、ハンカチを落とすフリをしながら、さり気なく座る向きを変えました。
私もそれに合わせて向きを変えて、バイロン様が私達に気が付かないよう顔を背けます。
………何だか、悪いことをしているみたいで、ドキドキしますね。
私は息を押し殺しながらフルーツジュースを飲み干しました。

「あ、大変!ターゲットが路地に入っていったわ!急いで追いかけないと!」
「え、ええ?待ってください、リア」

セシリアは機敏な動きで、路地の方へ入っていったバイロン様を追いかけますが、私は運動神経もあまり良い方ではないのでもたもたしてしまいました。
それでも必死になってセシリアを追いかけます。少し走っただけで息が切れてしまいましたが、何とかセシリアと合流することが出来ました。
すると、セシリアは路地に面したオシャレなカフェの前の街路樹に隠れていました。
セシリア、何だか密偵みたいですね。
でも、れっきとした伯爵夫人がこんな事をしていて良いのでしょうか?

「リア?」

私が声をかけると、セシリアは人差し指を口に当てて、静かにするように私にジェスチャーしました。

「黙っててね?ターゲットに気が付かれたら台無しになっちゃうわ」

………ということは、このカフェにバイロン様がいらっしゃるのてしょうか?
私はセシリアに倣い、街路樹の影に身を隠しました。
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