12 / 97
第十一話 死霊
しおりを挟む
「あ、足が痛い……」
二時間近く歩いたと思う。
気候も丁度良く、川沿いに歩いて来たのでいつでも喉を潤せたし、体力には自信があったけど。さすがに足が棒になりそうだ。
約束通り、あの青年の幽霊は、恋人の姿を見ながら消えていった。よくわからないけど多分、成仏できたのだと思う。
私の手を取って、何度も何度もありがとうと言ってくれた。あんなに感謝されれば、悪い気はしないもので。疲れたけど、気分が良い。
レイラみたいに割り切った対応はできる自信がないけど……、これくらいのことで喜んでもらえて、お屋敷の為にもなるなら、私、できそうな気がする。
「でも、今からまた歩くのかぁ……」
街の出口から屋敷を見上げる。お屋敷は、ずっと向こうの丘の上。鬱蒼と茂る木の向こうにちらりと見える古びたそれは、なかなか不気味だ。おまけに天気も怪しくなってきて、屋敷の上には黒い雲が渦巻いている。
せっかく来たんだし、もう少し、街を見てみたいとも思ったけれど。レイラの話じゃ治安もよくないみたいだし、暗くなる前に帰った方がいいだろう……と、帰途について数分も立たないうちに雨が降ってきた。
瞬く間に雨脚は強まり、仕方なく、大きな木の下で雨宿りをする。
雨のせいで、夕暮れ前なのに辺りは薄暗い。弱まる気配のない雨になすすべもなく、ため息をつく。こんなことならもう少し街に止まっていれば良かったな。ここまで強まると思わず、中途半端に強行したから服が濡れて少し寒い。
あの声は。一体誰なんだろう。
わからないけれど、私のことをよくわかっているような言い方だった。……あの人よりも、よっぽど。
あの声がなければ、決断できていなかったかもしれない。
そうしたら、きっと私は自分の価値を見出せないままだった。
……会ってみたい。あの地下に行けば会えるのだろうか。
ふと――雨に煙る景色の向こうに何かが動いた気がした。
誰か……いる? こんな雨の中に。
「ねえ。わたしが見えるの?」
突然、目の前に女性が現れる。それがあまりに突然で、背中がゾワリと粟立った。
私と同じ歳、くらいだろうか。焦げ茶の長い髪。緑の瞳。可愛らしい顔立ちで、嬉しそうに笑った。
「良かった、誰もわたしを見てくれなくて。寂しかった」
そう言って、彼女が腕を広げて抱き着いてくる。寒気が強くなる。危険だと、本能が言っているのに体が竦んで動かない。ぎゅう、と。抱きしめられて、息が苦しくなる。
「だから……、もう、この体嫌なの。だから、ちょうだい。その体」
彼女の囁きが、耳を撫でたその瞬間。パシンと電流のように光が弾けて、女性の体が離れた。左手の小指が熱くて、見ると、指輪が光っていた。動いていないのに苦しくて息が切れる。
「……どうして? どうして? どうして拒否するの!?」
さっきまで笑みを湛えていた女性が、凄惨な表情で私を睨む。
「――ごめんなさい。でも、この体はあげられない」
やっと、声が出る。でも、話したところで無駄だってわかってる。説得が通じるような相手じゃない。
気配は彼女だけじゃない。あちらこちらから突き刺さるように感じる。
膝が笑って、足が動かない。動いても、お屋敷はまだ遠い。逃げきれない。
体を取られたら、私はどうなるのだろう。死ぬのだろうか。……いや、それよりも。
だめ。この体は――渡せない。
逃げなきゃ。震える足で、前も見えない雨の中に飛び出す。
その途端、「何か」に勢いよくぶつかった。
『我が血を以て、汝の魂を掌握する!』
聞き覚えのある、よく通る声。
雨の向こうから伸びる紅い鎖が、私を通り越して女性の死霊に絡みつく。耳に障る悲鳴を上げ、死霊がもがく。
その背後にも、複数の気配。
振り返って走り出す。佇む黒い影が膝を付く。
「当主様!」
「……この馬鹿。勝手なことをするんじゃない……!」
支えようとする私の手を跳ねのけて、怒号が飛んでくる。彼は右手を翳したまま、左手を腰に伸ばした。取り出したナイフを腕にあてがうのを見て、咄嗟に目を伏せる。
『捉えよ!』
雨の中に舞う血飛沫が、陣を模る。そこから無数の矢が生まれて虚空へと飛んでいく。
死霊の悲鳴が消え、気配も消える。その後に残った無数の白い光は、全て吸い込まれるように当主の中へ消えた。
「……消えた?」
「違う。囚えただけだ。死霊は殺せないし、俺の力では縛ることしかできん」
腕を押さえて、当主が荒い息をつきながら言う。それから大きく息を吸うと、立ち上がってキッと私を睨みつけた。
「指輪をつけて外に出るなど自殺行為だ! 死霊から容易に干渉される。何故こんな馬鹿なことをした!」
「……そうですね、すみません。私が死んだらあなたの寿命が無駄になりますもんね」
まだ、恐怖は抜けきらない。まだ怖くて仕方ないのに、声は震えなかった。わずかに怯んだ黒い瞳をまっすぐに見て、自分でも驚くほど冷たい声が出た。
「……ッ」
いつも不機嫌そうな顔が、さらに強張る。怒らせた。そりゃそうだ。
勝手なことをしたのは私だ。
でもそっちだっていつも勝手だ。
険しい顔をしたまま、当主が口を開く。
「……お前がいないなら、残りの寿命も無駄だ」
また怒鳴られるかと覚悟したが、聞こえてきたのは弱々しい声だった。
「出て行くなら街まで送――」
私の顔を見て、当主が言葉を切る。それから少し置いて、言葉を継いだ。
「……、帰るぞ」
「はい」
自分でもびっくりするくらいにすぐ返事が出てきた。当主は虚を突かれたような顔をしたが、それから着けていたマントを外して私にかけた。雨に打たれて冷え切った体が少しだけ……温かい。
「あの……、本当にごめんなさい。軽率なことをしました」
「わかればいい。お前のすることを制限するつもりはない。だが一言くらい相談しろ。危険なことはするな」
「ど、どうしたんですか急に?」
急に優しいことを言われると調子が狂う。思わずどもりながら言うと、彼は目を逸らし、いつも通り面倒そうに声を上げた。
「別に、勝手に死なれたら困るだけだ。人の寿命半分も持っていっておいて」
「さっき私がいなかったら残りも無駄とか言ってたじゃないですか!」
「言ってない。早く乗れ」
言った。絶対言った。と突っ込もうとして、目の前に黒い鼻先が現れて口を噤む。
馬。馬だ。今気が付いたけど。黒い馬がじっと私を見ている。確かに徒歩で来るには遠いけど、かといって死霊だの魔法だのの世界に車があるわけもないか……。
「乗ったこと……ないんですが……」
舌打ちが降ってくる。仕方なく、恐る恐る馬に近づく……と、急に後ろから抱え上げられた。
「わ……!」
当主が荷物でも抱えるように私を担いで馬にまたがり、自分の前に降ろす。……もう少し、丁寧に扱ってくれても。そんな不満など言えるはずもなく、互いに黙ったまま、馬が走り出す。
結局また、助けられてしまった。
こんな強い雨の中、私を探して。
私のせいで怪我して。
それなのに今も、私に雨があたらないように体と腕で庇ってくれてる。
まだ体調もよくないだろうに。怪我もしてるのに。信じられないくらい不器用な人。
――人のことは、言えないけれど。
二時間近く歩いたと思う。
気候も丁度良く、川沿いに歩いて来たのでいつでも喉を潤せたし、体力には自信があったけど。さすがに足が棒になりそうだ。
約束通り、あの青年の幽霊は、恋人の姿を見ながら消えていった。よくわからないけど多分、成仏できたのだと思う。
私の手を取って、何度も何度もありがとうと言ってくれた。あんなに感謝されれば、悪い気はしないもので。疲れたけど、気分が良い。
レイラみたいに割り切った対応はできる自信がないけど……、これくらいのことで喜んでもらえて、お屋敷の為にもなるなら、私、できそうな気がする。
「でも、今からまた歩くのかぁ……」
街の出口から屋敷を見上げる。お屋敷は、ずっと向こうの丘の上。鬱蒼と茂る木の向こうにちらりと見える古びたそれは、なかなか不気味だ。おまけに天気も怪しくなってきて、屋敷の上には黒い雲が渦巻いている。
せっかく来たんだし、もう少し、街を見てみたいとも思ったけれど。レイラの話じゃ治安もよくないみたいだし、暗くなる前に帰った方がいいだろう……と、帰途について数分も立たないうちに雨が降ってきた。
瞬く間に雨脚は強まり、仕方なく、大きな木の下で雨宿りをする。
雨のせいで、夕暮れ前なのに辺りは薄暗い。弱まる気配のない雨になすすべもなく、ため息をつく。こんなことならもう少し街に止まっていれば良かったな。ここまで強まると思わず、中途半端に強行したから服が濡れて少し寒い。
あの声は。一体誰なんだろう。
わからないけれど、私のことをよくわかっているような言い方だった。……あの人よりも、よっぽど。
あの声がなければ、決断できていなかったかもしれない。
そうしたら、きっと私は自分の価値を見出せないままだった。
……会ってみたい。あの地下に行けば会えるのだろうか。
ふと――雨に煙る景色の向こうに何かが動いた気がした。
誰か……いる? こんな雨の中に。
「ねえ。わたしが見えるの?」
突然、目の前に女性が現れる。それがあまりに突然で、背中がゾワリと粟立った。
私と同じ歳、くらいだろうか。焦げ茶の長い髪。緑の瞳。可愛らしい顔立ちで、嬉しそうに笑った。
「良かった、誰もわたしを見てくれなくて。寂しかった」
そう言って、彼女が腕を広げて抱き着いてくる。寒気が強くなる。危険だと、本能が言っているのに体が竦んで動かない。ぎゅう、と。抱きしめられて、息が苦しくなる。
「だから……、もう、この体嫌なの。だから、ちょうだい。その体」
彼女の囁きが、耳を撫でたその瞬間。パシンと電流のように光が弾けて、女性の体が離れた。左手の小指が熱くて、見ると、指輪が光っていた。動いていないのに苦しくて息が切れる。
「……どうして? どうして? どうして拒否するの!?」
さっきまで笑みを湛えていた女性が、凄惨な表情で私を睨む。
「――ごめんなさい。でも、この体はあげられない」
やっと、声が出る。でも、話したところで無駄だってわかってる。説得が通じるような相手じゃない。
気配は彼女だけじゃない。あちらこちらから突き刺さるように感じる。
膝が笑って、足が動かない。動いても、お屋敷はまだ遠い。逃げきれない。
体を取られたら、私はどうなるのだろう。死ぬのだろうか。……いや、それよりも。
だめ。この体は――渡せない。
逃げなきゃ。震える足で、前も見えない雨の中に飛び出す。
その途端、「何か」に勢いよくぶつかった。
『我が血を以て、汝の魂を掌握する!』
聞き覚えのある、よく通る声。
雨の向こうから伸びる紅い鎖が、私を通り越して女性の死霊に絡みつく。耳に障る悲鳴を上げ、死霊がもがく。
その背後にも、複数の気配。
振り返って走り出す。佇む黒い影が膝を付く。
「当主様!」
「……この馬鹿。勝手なことをするんじゃない……!」
支えようとする私の手を跳ねのけて、怒号が飛んでくる。彼は右手を翳したまま、左手を腰に伸ばした。取り出したナイフを腕にあてがうのを見て、咄嗟に目を伏せる。
『捉えよ!』
雨の中に舞う血飛沫が、陣を模る。そこから無数の矢が生まれて虚空へと飛んでいく。
死霊の悲鳴が消え、気配も消える。その後に残った無数の白い光は、全て吸い込まれるように当主の中へ消えた。
「……消えた?」
「違う。囚えただけだ。死霊は殺せないし、俺の力では縛ることしかできん」
腕を押さえて、当主が荒い息をつきながら言う。それから大きく息を吸うと、立ち上がってキッと私を睨みつけた。
「指輪をつけて外に出るなど自殺行為だ! 死霊から容易に干渉される。何故こんな馬鹿なことをした!」
「……そうですね、すみません。私が死んだらあなたの寿命が無駄になりますもんね」
まだ、恐怖は抜けきらない。まだ怖くて仕方ないのに、声は震えなかった。わずかに怯んだ黒い瞳をまっすぐに見て、自分でも驚くほど冷たい声が出た。
「……ッ」
いつも不機嫌そうな顔が、さらに強張る。怒らせた。そりゃそうだ。
勝手なことをしたのは私だ。
でもそっちだっていつも勝手だ。
険しい顔をしたまま、当主が口を開く。
「……お前がいないなら、残りの寿命も無駄だ」
また怒鳴られるかと覚悟したが、聞こえてきたのは弱々しい声だった。
「出て行くなら街まで送――」
私の顔を見て、当主が言葉を切る。それから少し置いて、言葉を継いだ。
「……、帰るぞ」
「はい」
自分でもびっくりするくらいにすぐ返事が出てきた。当主は虚を突かれたような顔をしたが、それから着けていたマントを外して私にかけた。雨に打たれて冷え切った体が少しだけ……温かい。
「あの……、本当にごめんなさい。軽率なことをしました」
「わかればいい。お前のすることを制限するつもりはない。だが一言くらい相談しろ。危険なことはするな」
「ど、どうしたんですか急に?」
急に優しいことを言われると調子が狂う。思わずどもりながら言うと、彼は目を逸らし、いつも通り面倒そうに声を上げた。
「別に、勝手に死なれたら困るだけだ。人の寿命半分も持っていっておいて」
「さっき私がいなかったら残りも無駄とか言ってたじゃないですか!」
「言ってない。早く乗れ」
言った。絶対言った。と突っ込もうとして、目の前に黒い鼻先が現れて口を噤む。
馬。馬だ。今気が付いたけど。黒い馬がじっと私を見ている。確かに徒歩で来るには遠いけど、かといって死霊だの魔法だのの世界に車があるわけもないか……。
「乗ったこと……ないんですが……」
舌打ちが降ってくる。仕方なく、恐る恐る馬に近づく……と、急に後ろから抱え上げられた。
「わ……!」
当主が荷物でも抱えるように私を担いで馬にまたがり、自分の前に降ろす。……もう少し、丁寧に扱ってくれても。そんな不満など言えるはずもなく、互いに黙ったまま、馬が走り出す。
結局また、助けられてしまった。
こんな強い雨の中、私を探して。
私のせいで怪我して。
それなのに今も、私に雨があたらないように体と腕で庇ってくれてる。
まだ体調もよくないだろうに。怪我もしてるのに。信じられないくらい不器用な人。
――人のことは、言えないけれど。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
記憶を失くして転生しました…転生先は悪役令嬢?
ねこママ
恋愛
「いいかげんにしないかっ!」
バシッ!!
わたくしは咄嗟に、フリード様の腕に抱き付くメリンダ様を引き離さなければと手を伸ばしてしまい…頬を叩かれてバランスを崩し倒れこみ、壁に頭を強く打ち付け意識を失いました。
目が覚めると知らない部屋、豪華な寝台に…近付いてくるのはメイド? 何故髪が緑なの?
最後の記憶は私に向かって来る車のライト…交通事故?
ここは何処? 家族? 友人? 誰も思い出せない……
前世を思い出したセレンディアだが、事故の衝撃で記憶を失くしていた……
前世の自分を含む人物の記憶だけが消えているようです。
転生した先の記憶すら全く無く、頭に浮かぶものと違い過ぎる世界観に戸惑っていると……?
【完結】憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
「わざわざ始まるまでまたないで、今のうちに手を打ったってよくない?」
イチイ アキラ
恋愛
アスター公爵令嬢エステルは、夢をみる。それは先を映す夢。
ある日、夢をみた。
この国の未来を。
それをアルフレッド王太子に相談する。彼女を愛して止まない婚約者に。
彼は言う。
愛する君とぼくの国のためなら、未来を変えるのも仕方なくない?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる