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第七十五話 平気じゃない
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とりあえず無心で食事を胃に流し込んでから、脱ぎ捨てられた服を軽く畳む。いや、こんなことしてる間に急に出てこられても困る。
もういっそ先に寝てしまおうかと考えてベッドに向かい、そしてベッドが一つしかないことに気がついた。
やっぱり、部屋をわけてもらおうか。でも、無理してでも慣れると言ったばかりで。だけどこれは……と悶々としているうちに、シャワー室の扉が開く音がして、反射的にベッドに潜り込む。駄目だ、身がもたない。
そのまま、しばらくはちょっとした物音にも過剰反応していたけど、彼がこちらに来る気配もなければ、声を掛けられることもなく。
毛布からそっと頭を出すと、背もたれから黒髪が覗いているのが見えた。
「……あの……」
「何だ。寝たんじゃなかったのか」
「ミハイルさんは……休まないんですか?」
「俺はここでいい」
「駄目ですよ、調子よくないのに。だったら私がソファで寝ます」
「いいと言ったらいい」
「……一緒に寝るのは嫌ですか?」
あまりにも頑として譲らないから、言い方を変えてみる。すると返ってきたのは溜息混じりの声だった。
「それはお前の方だろ」
「私なら平気です」
昼より随分顔色はいいにせよ、体調だってまだ完全に戻ったわけじゃないだろう。私に気を遣って椅子で寝るなんてことして欲しくない一心でハッタリをかます。このときは羞恥などより、何とかしてちゃんと休んでもらいたいという気持ちが勝っていた……んだけど。
「……俺は平気じゃない」
サッと血の気が引く。
私……きっと嫌だとは言わないだろうという前提で話してた。自惚れもいいところだ。
「で、ですよね。ごめんなさい」
平静を装いはしたものの、恥ずかしくて顔が上げられない。
「……待て、お前は多分違う解釈をしている。嫌だという意味ではないぞ」
「そう……なんですか?」
それすら気を遣われたのではないのかと思うのだけど。再びの溜め息は、さっきよりもずっと近いところから聞こえてきた。
「当たり前だろ。……普段あれだけ冷静で洞察力も観察眼もあるのに、どうしてそれはわからないんだ」
「そんなこと言われても。じゃあどういう意味で平気じゃないんですか?」
「ぐ……」
わからないものはわからないので、率直に聞いてみる。しかし答えは返ってこないまま。
「……もういい。寝る」
一方的に話を終わらせ、ミハイルさんがベッドの端っこに潜り込む。それを見て、私は小さく息を吐くと部屋の照明を落とした。そしてベッドの逆端にうずくまる。
馬車旅の疲労もあって、眠気はあるのに眠れない。
暖房の音だろうか。ゴォォ、という機械音が聞こえる。それは決して小さなものではないのに、隣で聞こえる息遣いの方ばかりが耳に入ってしまう。
だから、気が付いてしまう。それが時折苦しそうに乱れること。だいぶ良くなったように見えるけど、やっぱり無理してる気がする。
「……体、大丈夫ですか?」
もう眠っているかも。そう思って、囁くくらいの小さな声で聞いてみるが、それでもすぐに返事があった。
「ああ」
「本当のことを言って下さい」
「……万全とは言えんが大分慣れた」
慣れた、ということは、悪いことには変わりない。
「私、近くにいましょうか……? そのほうが少しでも楽なら」
「いい。逆に眠れなくなる」
「やっぱり嫌そうじゃないですか」
「だから、そうじゃなく……、大体お前だって眠れないんだろう」
バレてた。
シーツが擦れる音がしてベッドが軋み、被っていた毛布から頭を出すと、ミハイルさんが体を起こしたところだった。
「……リエーフでも呼ぶか。多少は気が紛れるかもしれん」
「えっと……それは嫌です。何言われるかわかったもんじゃありませんし」
私も起き上がって、だけどミハイルさんの提案は却下させてもらった。慌てたようにミハイルさんが詫びの言葉を口にする。
「そうだったな……すまん」
「あ、いえ。リエーフさんのことは好きなんですよ。たまにイラっとするだけで」
「わかる」
ふっとミハイルさんが笑う。気まずい空気が心なしか緩んだ気がして、ほっとしながら話を続ける。
「ですよね? ちょっと過干渉なお母さんというか」
「俺は母親というものを良く知らんが、わかる気がするな」
ミハイルさんとこんな風に話すること、あんまりない気がする。日常の雑務をしながら、食事をしながらの雑談なら、少ないながらあるけれど。
暗闇のおかげだろうか。顔が見えないから、緊張が少し和らぐのだろうか。
「ミハイルさんの両親のこと、聞いてもいいですか?」
「……聞いてどうする」
「どうもしません。ただ、貴方のことを知りたくて……」
ミハイルさんはいつも、自分のことを聞かれると言いよどむ。意味のない雑談を嫌うのか、それとも話自体が苦手なのか……あるいはどっちもかもしれない。
でも、もしかして単純に話したくないことなのかと。なかなかない返事に話を変えようとした頃、小さく彼は語り出した。
「……あまり覚えていない。力の使い方を教わったのは父からだがそれ以外で話した記憶はないし、母は物心ついた頃には疎遠だった。俺はリエーフに育てられたようなものだ」
私も家族の記憶がなくなってきているけど、転生したわけでもないミハイルさんにも、家族の記憶があまりないんだな。
……それにしても。
「リエーフさんって本当は幾つなんですか?」
「それは……、まぁお前に隠すようなことではないか。あいつは屋敷が呪われた時に不死になったんだ。だから千年近く生きている」
「せ、千!?」
何か秘密があるような気はしていたけど……想像のスケールを越えていた。
「じゃあ、あの見た目は……?」
「不老でもあったんだろうな……だが三年前、奴の呪いもお前が解いた。今は普通の人間だ」
「私が、ですか……」
また、会話が途切れる。
「すまん。ない記憶の話をして」
「いえ、いいんです。どちらかというと聞きたいです……、でもあまり聞きすぎても駄目なんですよね」
「ああ。だがお前が知りたいことがあれば、できるだけ話すようにする」
そんなこと言われると、色々質問したくなってしまう。でも困らせるのも嫌だし。
「じゃあ……、一つだけ」
「なんだ。答えられるとは限らんが」
「差し支えなければで構いません。ミハイルさんは……」
本当はずっとずっと聞きたくて聞けなかったことを。
暗闇に紛れて口にする。
「どうして……私を花嫁にしたんですか?」
「差し支える」
「嘘つき」
即答されて、思わず揶揄が口をついてしまった。
「嘘ではない。今言うのは差し支える。……帰ったらにしてくれ」
「どうして今じゃ駄目なんですか?」
「そもそもどうしてそんなことが知りたいんだ……」
「だって……私なんて掃除くらいしかできることないじゃないですか。他にもっといい人なんていくらでも」
「いたかもしれんな」
淡々と被せられて、ぐっと言葉に詰まる。ちょっと失礼ではなかろうかと思いつつ、言ったのは自分だし、否定のしようもない。
「そ、そうですよね!!」
「納得するな。冗談だ」
冗談なら、もっとそれっぽく言ってくれないかな。それに……なんだからしくない冗談。
「いえ、実際そうだと思いますし……」
「……言ったはずだ。いたとしても、お前がいい」
「い……、言ってません……!」
「言った」
少し寂しそうな声。
私の記憶にはないけれど……それでも言ったというならば。
もしかしたら私が覚えていない記憶の話。
「……もう眠れ。早く寝ないと何もしないとは確約しないぞ」
再び私に背を向けて、ミハイルさんが毛布を被る。
……ええと。もしかして、平気じゃない、眠れないとは、そういう……
「お、おやすみなさい!!」
急激に理解した私は、毛布を頭から被って無理矢理目を閉じたのだった。
もういっそ先に寝てしまおうかと考えてベッドに向かい、そしてベッドが一つしかないことに気がついた。
やっぱり、部屋をわけてもらおうか。でも、無理してでも慣れると言ったばかりで。だけどこれは……と悶々としているうちに、シャワー室の扉が開く音がして、反射的にベッドに潜り込む。駄目だ、身がもたない。
そのまま、しばらくはちょっとした物音にも過剰反応していたけど、彼がこちらに来る気配もなければ、声を掛けられることもなく。
毛布からそっと頭を出すと、背もたれから黒髪が覗いているのが見えた。
「……あの……」
「何だ。寝たんじゃなかったのか」
「ミハイルさんは……休まないんですか?」
「俺はここでいい」
「駄目ですよ、調子よくないのに。だったら私がソファで寝ます」
「いいと言ったらいい」
「……一緒に寝るのは嫌ですか?」
あまりにも頑として譲らないから、言い方を変えてみる。すると返ってきたのは溜息混じりの声だった。
「それはお前の方だろ」
「私なら平気です」
昼より随分顔色はいいにせよ、体調だってまだ完全に戻ったわけじゃないだろう。私に気を遣って椅子で寝るなんてことして欲しくない一心でハッタリをかます。このときは羞恥などより、何とかしてちゃんと休んでもらいたいという気持ちが勝っていた……んだけど。
「……俺は平気じゃない」
サッと血の気が引く。
私……きっと嫌だとは言わないだろうという前提で話してた。自惚れもいいところだ。
「で、ですよね。ごめんなさい」
平静を装いはしたものの、恥ずかしくて顔が上げられない。
「……待て、お前は多分違う解釈をしている。嫌だという意味ではないぞ」
「そう……なんですか?」
それすら気を遣われたのではないのかと思うのだけど。再びの溜め息は、さっきよりもずっと近いところから聞こえてきた。
「当たり前だろ。……普段あれだけ冷静で洞察力も観察眼もあるのに、どうしてそれはわからないんだ」
「そんなこと言われても。じゃあどういう意味で平気じゃないんですか?」
「ぐ……」
わからないものはわからないので、率直に聞いてみる。しかし答えは返ってこないまま。
「……もういい。寝る」
一方的に話を終わらせ、ミハイルさんがベッドの端っこに潜り込む。それを見て、私は小さく息を吐くと部屋の照明を落とした。そしてベッドの逆端にうずくまる。
馬車旅の疲労もあって、眠気はあるのに眠れない。
暖房の音だろうか。ゴォォ、という機械音が聞こえる。それは決して小さなものではないのに、隣で聞こえる息遣いの方ばかりが耳に入ってしまう。
だから、気が付いてしまう。それが時折苦しそうに乱れること。だいぶ良くなったように見えるけど、やっぱり無理してる気がする。
「……体、大丈夫ですか?」
もう眠っているかも。そう思って、囁くくらいの小さな声で聞いてみるが、それでもすぐに返事があった。
「ああ」
「本当のことを言って下さい」
「……万全とは言えんが大分慣れた」
慣れた、ということは、悪いことには変わりない。
「私、近くにいましょうか……? そのほうが少しでも楽なら」
「いい。逆に眠れなくなる」
「やっぱり嫌そうじゃないですか」
「だから、そうじゃなく……、大体お前だって眠れないんだろう」
バレてた。
シーツが擦れる音がしてベッドが軋み、被っていた毛布から頭を出すと、ミハイルさんが体を起こしたところだった。
「……リエーフでも呼ぶか。多少は気が紛れるかもしれん」
「えっと……それは嫌です。何言われるかわかったもんじゃありませんし」
私も起き上がって、だけどミハイルさんの提案は却下させてもらった。慌てたようにミハイルさんが詫びの言葉を口にする。
「そうだったな……すまん」
「あ、いえ。リエーフさんのことは好きなんですよ。たまにイラっとするだけで」
「わかる」
ふっとミハイルさんが笑う。気まずい空気が心なしか緩んだ気がして、ほっとしながら話を続ける。
「ですよね? ちょっと過干渉なお母さんというか」
「俺は母親というものを良く知らんが、わかる気がするな」
ミハイルさんとこんな風に話すること、あんまりない気がする。日常の雑務をしながら、食事をしながらの雑談なら、少ないながらあるけれど。
暗闇のおかげだろうか。顔が見えないから、緊張が少し和らぐのだろうか。
「ミハイルさんの両親のこと、聞いてもいいですか?」
「……聞いてどうする」
「どうもしません。ただ、貴方のことを知りたくて……」
ミハイルさんはいつも、自分のことを聞かれると言いよどむ。意味のない雑談を嫌うのか、それとも話自体が苦手なのか……あるいはどっちもかもしれない。
でも、もしかして単純に話したくないことなのかと。なかなかない返事に話を変えようとした頃、小さく彼は語り出した。
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私も家族の記憶がなくなってきているけど、転生したわけでもないミハイルさんにも、家族の記憶があまりないんだな。
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「リエーフさんって本当は幾つなんですか?」
「それは……、まぁお前に隠すようなことではないか。あいつは屋敷が呪われた時に不死になったんだ。だから千年近く生きている」
「せ、千!?」
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「じゃあ、あの見た目は……?」
「不老でもあったんだろうな……だが三年前、奴の呪いもお前が解いた。今は普通の人間だ」
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「いえ、いいんです。どちらかというと聞きたいです……、でもあまり聞きすぎても駄目なんですよね」
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暗闇に紛れて口にする。
「どうして……私を花嫁にしたんですか?」
「差し支える」
「嘘つき」
即答されて、思わず揶揄が口をついてしまった。
「嘘ではない。今言うのは差し支える。……帰ったらにしてくれ」
「どうして今じゃ駄目なんですか?」
「そもそもどうしてそんなことが知りたいんだ……」
「だって……私なんて掃除くらいしかできることないじゃないですか。他にもっといい人なんていくらでも」
「いたかもしれんな」
淡々と被せられて、ぐっと言葉に詰まる。ちょっと失礼ではなかろうかと思いつつ、言ったのは自分だし、否定のしようもない。
「そ、そうですよね!!」
「納得するな。冗談だ」
冗談なら、もっとそれっぽく言ってくれないかな。それに……なんだからしくない冗談。
「いえ、実際そうだと思いますし……」
「……言ったはずだ。いたとしても、お前がいい」
「い……、言ってません……!」
「言った」
少し寂しそうな声。
私の記憶にはないけれど……それでも言ったというならば。
もしかしたら私が覚えていない記憶の話。
「……もう眠れ。早く寝ないと何もしないとは確約しないぞ」
再び私に背を向けて、ミハイルさんが毛布を被る。
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