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第三十六話 掃除婦の矜恃
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リエーフさんの話では、賢者は王宮に招かれ、そこに滞在しているという。そんなわけで、私たちは今、城を目指して馬車に乗っているのだけど。
「あの! なんで私たち……屋根に乗っているんですか!?」
風に煽られながら、その風に負けないように私は叫んだ。もっと早く聞きたかったけれど、振り落とされないよう必死だったのである。
「馬車が満員だったからですが」
きょとんとして答えるリエーフさんは、なんでもないように屋根の上に正座している。そのままお茶でも飲めそうなくらいの余裕がある。何故だ。
「わたくしたちの姿は誰にも見えていませんから、どこに乗っていようと咎められはしませんよ」
「それにしては、偶に視線を感じるんだが」
「感度の良い人は気配を感じることもあるでしょう。でもその程度です。わたくしたちはこちらの方々に干渉することはできません。ま、幽霊みたいなものです」
どこに乗ってもいいなら、安定した場所に乗ってもいいと思う。
それにしても……干渉できないと断言するということは、リエーフさんは干渉しようとしたのだろうか。
伯爵は私たちが見えていたし、気配を感じているレベルを超えていたと思う。
それでも、あの悲劇は避けられなかったのか。それとも、避けたところで、元の世界には干渉できないということか。
いやダメだ。この態勢では落ち着いて考えられない!!!
必死の形相をして捕まっていると、近くで溜息が聞こえた。
「ほら、手を貸してやる」
ミハイルさんが手を差し伸べてくれる。その気持ちはありがたい、ありがたいけれど。
「いいですいらないです!」
「何故」
若干苛立ちのこもった声が返ってくる。いや、だって。
非常事態だったとはいえ。昨夜のことを思い出すと顔が爆発しそうになる。だから思い出さないようにしてるのに、触れたら思い出しちゃうじゃないか。顔も直視できないし、声聞くだけでも心臓に悪い。
あんなのリエーフさんにバレたら、なんて言ってからかわれるか……、いや、待て、もしかしてもうバレてるのでは……?
恐々リエーフさんのことを見ると、それはもう「ニッコー!!」って感じの笑顔でこちらを見ている。
ていうかだ。やたらと良いタイミングで声をかけられたけど、いつからリエーフさんは側にいたんだ? 何かすごく嫌な予感がする。
「どうしました、ミオさん。わたくし見ておりませんよ、昨夜一晩じゅ」
「ぎゃああああ!!!!」
リエーフさんの言葉を掻き消すために声の限りに叫んで、真っ赤になりそうな顔を隠そうとしたのがいけなかった。
ついでにバランスを崩しかけた私の手を、ミハイルさんがすんでのところで掴む。
「離して下さい! もういっそ落ちたい!!」
半ばヤケクソで叫ぶ私を見て、再びミハイルさんが溜息をつく。それからリエーフさんを振り返った。
「リエーフ……」
「おお、怖い。冗談、冗談です」
どんな形相をしていたのか知らないが、リエーフさんが両手を上げて弁解する。
そして、リエーフさんも私の手を取り、馬車の上に引き上げてくれた。ようやく少し落ち着いて、私は咳払いすると有耶無耶になっていたことを確認するために声を上げた。
「それより、リエーフさんが死者でないというのは……?」
問うと、二人の視線が私を見た。二人ともわかってるみたいな様子だった割には、中々返事は貰えず、ややあってリエーフさんが「うーん」と口元に指をあてる。
「どういうことかはわたくしにもわからないのですが。少なくともわたくしは『幽霊』の定義からは外れまくっている気がするのですよ」
「歴代当主も気が付いていたと思うぞ。お前は俺の力では縛れない。そもそも実体がある」
リエーフさんが「特別」ということは知っていた。指輪をする前から見えたし話もできたし。
だけどだからといって、普通の人間とも思えない。何百年も前の人なわけだし、第一。
「普通でないのは最初からわかってます。でも、リエーフさんはさっき……」
「ええ。わたくしは一度、自ら命を絶ちました。ですが気が付いたら焼け落ちた屋敷で、坊ちゃん――、さきほどお二人もご覧になられた、病気で亡くなったはずの坊ちゃんを抱えていたのです。そしてそれから、死ねない体になりました」
首元を押さえて、リエーフさんが自嘲的に呟く。
「かといって、老いもなく、痛みもないわたくしと、幽霊たちと、さほどの違いはないと……自らの犯した罪から目を背け、ただお屋敷と旦那様の忘れ形見を守ることに執心することでわたくしは自分が何かすら見失ってきたのです……ねえ、ミオさん」
名を呼ばれて、私はリエーフさんを見上げた。今まで見たことのない、泣き出しそうな、弱々しい表情をして、彼は形の良い唇を震わせた。
「貴女は本当は何者なのです? 本当のことを教えて下さい」
縋るような問いかけに、だけどリエーフさんが期待しているような答えなんか多分持ち合わせていない。
「本当のことを……と言われても、お話した通りです。違う世界から来たというだけで、他に特別なことは何もない、掃除が好きなだけの普通の人間です」
「ですが貴女は聡すぎる。洞察力に優れていて思慮深く、忍耐強い。元の世界では、さぞ名のあるお方なのでは?」
あまりにも壮大な買いかぶりをされたもので。思わず私は吹き出してしまった。急に笑い出した私を二人が怪訝に思っているのは伝わってきたが、これが笑わずにいられようか。
「いえ、今までの人生でそんなに褒められたことがないから、驚いてしまって。私は普通の人より出来が悪いくらいですよ」
「信じられません」
「リエーフさん、お掃除とはですね」
この期に及んで掃除の話を始める私に、二人の目が怪訝なそれから点になる。だけど構わず私は続けた。
「ただ汚れを落とすにしても、その汚れがなんなのか……、油汚れか皮脂なのかカビなのか、そしてそれがどの程度の付着をしているのか。まずはそれらを観察し、どんな洗剤を使ってどんな手法で落とすのかを考えなければ綺麗にできません。だからいつも考えていただけです。自分の置かれた状況、自分がどうしたいのか、何ができるのか。それだけですよ」
途端、ミハイルさんが弾かれたように笑い出した。
「ハハッ! 聞いたか、リエーフ。お前は単なる一人の掃除馬鹿に心を乱され、挙句当家はこの騒ぎだ!!」
「そんな言い方……」
こうなったのはまるで私のせいみたいじゃないか。
いや……私のせいなのかな。
私が色々なことに首を突っ込まなければ。リエーフさんにあんなことを聞かなければ、こんなことにならなかったのかもしれないし……。
じわじわと罪悪感が沸いてきたけれど、でも、笑うミハイルさんがあまりにも楽しそうなので、それも忘れて見とれてしまった。
「お前は本当に大した掃除馬鹿だな。おかげで当家も綺麗になりそうだ」
「そう……ですか?」
褒められているのか貶されているのかわからないけど、ミハイルさんが楽しそうだからいいのかな。
リエーフさんも納得してくれたのか、私たちを見ながら小さく笑った。でもその表情から憂いは抜けきらなくて、笑いを収めると意を決したようにミハイルさんに向かって語り掛ける。
「ミハイル様。もしも賢者に会うことで、お屋敷が永き業から解き放たれて、私が不死でなくなったとしたら……そのときにはどうか、貴方の手でわたくしを終わらせて下さい」
「馬鹿を言うな。お前はそうやって自分の命を軽んじるから不死になどなるんだ」
おそらく一大決心で告げたであろうリエーフさんの言葉を、ミハイルさんはあっさりと切り捨てた。ポカンとするリエーフさんをよそに、馬車がガタンと停止する。
「着いたようだな。行くぞリエーフ」
「……はい。ご主人様」
それ以上二人は何も言葉を交わさなかったけれど。
今更要らないのだろう。
ミハイルさんが淡々とした言葉の裏でリエーフさんを必要としていることも。リエーフさんがそれに救われたことも。
見ていた私にもわかったから。私はほころぶ顔をそのままに、二人の後を追うのだった。
「あの! なんで私たち……屋根に乗っているんですか!?」
風に煽られながら、その風に負けないように私は叫んだ。もっと早く聞きたかったけれど、振り落とされないよう必死だったのである。
「馬車が満員だったからですが」
きょとんとして答えるリエーフさんは、なんでもないように屋根の上に正座している。そのままお茶でも飲めそうなくらいの余裕がある。何故だ。
「わたくしたちの姿は誰にも見えていませんから、どこに乗っていようと咎められはしませんよ」
「それにしては、偶に視線を感じるんだが」
「感度の良い人は気配を感じることもあるでしょう。でもその程度です。わたくしたちはこちらの方々に干渉することはできません。ま、幽霊みたいなものです」
どこに乗ってもいいなら、安定した場所に乗ってもいいと思う。
それにしても……干渉できないと断言するということは、リエーフさんは干渉しようとしたのだろうか。
伯爵は私たちが見えていたし、気配を感じているレベルを超えていたと思う。
それでも、あの悲劇は避けられなかったのか。それとも、避けたところで、元の世界には干渉できないということか。
いやダメだ。この態勢では落ち着いて考えられない!!!
必死の形相をして捕まっていると、近くで溜息が聞こえた。
「ほら、手を貸してやる」
ミハイルさんが手を差し伸べてくれる。その気持ちはありがたい、ありがたいけれど。
「いいですいらないです!」
「何故」
若干苛立ちのこもった声が返ってくる。いや、だって。
非常事態だったとはいえ。昨夜のことを思い出すと顔が爆発しそうになる。だから思い出さないようにしてるのに、触れたら思い出しちゃうじゃないか。顔も直視できないし、声聞くだけでも心臓に悪い。
あんなのリエーフさんにバレたら、なんて言ってからかわれるか……、いや、待て、もしかしてもうバレてるのでは……?
恐々リエーフさんのことを見ると、それはもう「ニッコー!!」って感じの笑顔でこちらを見ている。
ていうかだ。やたらと良いタイミングで声をかけられたけど、いつからリエーフさんは側にいたんだ? 何かすごく嫌な予感がする。
「どうしました、ミオさん。わたくし見ておりませんよ、昨夜一晩じゅ」
「ぎゃああああ!!!!」
リエーフさんの言葉を掻き消すために声の限りに叫んで、真っ赤になりそうな顔を隠そうとしたのがいけなかった。
ついでにバランスを崩しかけた私の手を、ミハイルさんがすんでのところで掴む。
「離して下さい! もういっそ落ちたい!!」
半ばヤケクソで叫ぶ私を見て、再びミハイルさんが溜息をつく。それからリエーフさんを振り返った。
「リエーフ……」
「おお、怖い。冗談、冗談です」
どんな形相をしていたのか知らないが、リエーフさんが両手を上げて弁解する。
そして、リエーフさんも私の手を取り、馬車の上に引き上げてくれた。ようやく少し落ち着いて、私は咳払いすると有耶無耶になっていたことを確認するために声を上げた。
「それより、リエーフさんが死者でないというのは……?」
問うと、二人の視線が私を見た。二人ともわかってるみたいな様子だった割には、中々返事は貰えず、ややあってリエーフさんが「うーん」と口元に指をあてる。
「どういうことかはわたくしにもわからないのですが。少なくともわたくしは『幽霊』の定義からは外れまくっている気がするのですよ」
「歴代当主も気が付いていたと思うぞ。お前は俺の力では縛れない。そもそも実体がある」
リエーフさんが「特別」ということは知っていた。指輪をする前から見えたし話もできたし。
だけどだからといって、普通の人間とも思えない。何百年も前の人なわけだし、第一。
「普通でないのは最初からわかってます。でも、リエーフさんはさっき……」
「ええ。わたくしは一度、自ら命を絶ちました。ですが気が付いたら焼け落ちた屋敷で、坊ちゃん――、さきほどお二人もご覧になられた、病気で亡くなったはずの坊ちゃんを抱えていたのです。そしてそれから、死ねない体になりました」
首元を押さえて、リエーフさんが自嘲的に呟く。
「かといって、老いもなく、痛みもないわたくしと、幽霊たちと、さほどの違いはないと……自らの犯した罪から目を背け、ただお屋敷と旦那様の忘れ形見を守ることに執心することでわたくしは自分が何かすら見失ってきたのです……ねえ、ミオさん」
名を呼ばれて、私はリエーフさんを見上げた。今まで見たことのない、泣き出しそうな、弱々しい表情をして、彼は形の良い唇を震わせた。
「貴女は本当は何者なのです? 本当のことを教えて下さい」
縋るような問いかけに、だけどリエーフさんが期待しているような答えなんか多分持ち合わせていない。
「本当のことを……と言われても、お話した通りです。違う世界から来たというだけで、他に特別なことは何もない、掃除が好きなだけの普通の人間です」
「ですが貴女は聡すぎる。洞察力に優れていて思慮深く、忍耐強い。元の世界では、さぞ名のあるお方なのでは?」
あまりにも壮大な買いかぶりをされたもので。思わず私は吹き出してしまった。急に笑い出した私を二人が怪訝に思っているのは伝わってきたが、これが笑わずにいられようか。
「いえ、今までの人生でそんなに褒められたことがないから、驚いてしまって。私は普通の人より出来が悪いくらいですよ」
「信じられません」
「リエーフさん、お掃除とはですね」
この期に及んで掃除の話を始める私に、二人の目が怪訝なそれから点になる。だけど構わず私は続けた。
「ただ汚れを落とすにしても、その汚れがなんなのか……、油汚れか皮脂なのかカビなのか、そしてそれがどの程度の付着をしているのか。まずはそれらを観察し、どんな洗剤を使ってどんな手法で落とすのかを考えなければ綺麗にできません。だからいつも考えていただけです。自分の置かれた状況、自分がどうしたいのか、何ができるのか。それだけですよ」
途端、ミハイルさんが弾かれたように笑い出した。
「ハハッ! 聞いたか、リエーフ。お前は単なる一人の掃除馬鹿に心を乱され、挙句当家はこの騒ぎだ!!」
「そんな言い方……」
こうなったのはまるで私のせいみたいじゃないか。
いや……私のせいなのかな。
私が色々なことに首を突っ込まなければ。リエーフさんにあんなことを聞かなければ、こんなことにならなかったのかもしれないし……。
じわじわと罪悪感が沸いてきたけれど、でも、笑うミハイルさんがあまりにも楽しそうなので、それも忘れて見とれてしまった。
「お前は本当に大した掃除馬鹿だな。おかげで当家も綺麗になりそうだ」
「そう……ですか?」
褒められているのか貶されているのかわからないけど、ミハイルさんが楽しそうだからいいのかな。
リエーフさんも納得してくれたのか、私たちを見ながら小さく笑った。でもその表情から憂いは抜けきらなくて、笑いを収めると意を決したようにミハイルさんに向かって語り掛ける。
「ミハイル様。もしも賢者に会うことで、お屋敷が永き業から解き放たれて、私が不死でなくなったとしたら……そのときにはどうか、貴方の手でわたくしを終わらせて下さい」
「馬鹿を言うな。お前はそうやって自分の命を軽んじるから不死になどなるんだ」
おそらく一大決心で告げたであろうリエーフさんの言葉を、ミハイルさんはあっさりと切り捨てた。ポカンとするリエーフさんをよそに、馬車がガタンと停止する。
「着いたようだな。行くぞリエーフ」
「……はい。ご主人様」
それ以上二人は何も言葉を交わさなかったけれど。
今更要らないのだろう。
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