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番外編(ミオ一人称)
彼が涙を流すとき
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食堂の扉を開けると、いいにおいが鼻腔をくすぐる。気を抜くと鳴ってしまいそうなお腹を押さえて席をつく。
白いプレートに黄金色のオムレツ、そしてそれを彩る野菜と、焼いている音が聞こえてきそうなこんがりベーコン。ふわふわのパンに添えられた果実のジャム。カップに入ったクリーミーなスープ。
「今日も美味しそう……!」
「ふふ、ミオさんの作るお食事には負けますよ」
何を仰るやら……、ひとつひとつは手の込んだ料理ではないからこそ、作った人の腕が露骨に出る。パンの焼け具合ひとつとっても完璧を極めるリエーフさんにそんなことを言われても嫌味なだけだ。
「リエーフさんにはとても敵いません。今度私にお料理を教えて下さい」
「いえいえ。いいですかミオさん、料理に一番大事なスパイスは、愛」
「下らない話を聞いてないで、さっさと食うぞ」
両手を組み合わせてうっとりするリエーフさんを他所に、ミハイルさんが辛辣な声を上げる。
それからもリエーフさんはペラペラ喋り続けているが、ミハイルさんは時折それに対してうるさそうに眉を寄せるだけで、一言も声を発さない。
別にそれは今に始まったことではないし、私もそう喋る方ではない。たまにリエーフさんに相槌を打つくらい。
だから、それはいいんだけど。機嫌が悪いわけではないのは知ってるけど。
このミハイルさんが、婚約者の前ではデレデレしていたというのか……、ライサの話を聞いたら、どうしても気になってしまう。
一緒に楽しく料理して、それを楽しく食べていたのかな。一体どんな話をしてたんだろう。
「……何だ」
ふと、 ミハイルさんが声を上げる。それで彼を凝視していたことに気付いて、慌てて料理に視線を戻す。
「いえ、何でも」
「言いたいことがあるなら言ったらどうだ」
「何にもないです」
言えるわけない。
それに、聞いてどうするんだという話だ。
はぐらかすと、ミハイルさんがイラっとしたのが空気でわかった。
「嘘をつけ。ライサと話していたことか?」
鋭い。
今度はミハイルさんが私を凝視するので、何でもないふりをしてオムレツを飲み込む。
そのとき、ぽん、とリエーフさんが手を打った。
「ああ、いけない。食後のお飲み物をご用意するのを忘れました」
そう言って、そそくさと部屋を出る。
「すぐに戻りますので、少々お待ちを」
パタンと食堂の扉が閉まる。
わざとらしい。ちゃんとティーセットはここにあるのに。
「で?」
リエーフさんの気配が遠ざかると、再びミハイルさんの追及が始まる。
……どうせ。関係ないなら聞けばいいか。他に話題もないのだから。
「……ミハイルさんの、」
じっと言葉の先を待つミハイルさんに、それをぶつける。
「三人目の婚約者って、どんな人だったんです?」
「はぁ?」
何よ……言いたいことがあるなら言えといったのはそちらでしょうに。
「聞いてどうする、そんなこと」
「どうもしませんよ。だから聞かなかったじゃないですか。それを無理矢理聞き出したのはミハイルさんですよ」
「…………」
それについては否定をしなかったけれど、水を一口含んで彼は黙りこんでしまった。
そんなに黙ると、まだ未練があるかのように見えて、興味本意で聞いてみる。
「綺麗な人でした?」
「まぁ、お前よりは」
「む……っ、それはそうでしょうね!!」
今まで黙ってたくせに、そこ即答するかな!?
そうだとしても失礼すぎない!?
思わず眉間に皺が寄る私を見て、ミハイルさんが真顔のまま声を上げる。
「冗談だ。もう忘れた」
「嘘ばっかり。デレデレだったってライサに聞きましたよ」
「誰が……」
てっきり焦るかと思ったのに、気のない声でミハイルさんが答える。その言葉が途中で消える。
「妬いてるのか」
「だっ、誰が!」
ナイフとフォークを握りしめたまま立ち上がって叫ぶと、今まで無表情だったミハイルさんが突然ぶっと吹き出した。
「……ははっ。だから冗談だ。怒るな」
ついポカンとしてしまう。
ミハイルさんが、こんな、笑い声を上げて笑うのなんて見たことなくて。
つい呆然と見とれた。でもそれがバレないうちには、食事に目を戻す。
「お前といると気楽だ。どうせお前はいつかここを出ていくからな」
野菜をつつきながら、ミハイルさんがそんなことを言う。
なんと答えたらいいのかわからず、黙ってスープのカップに口をつける。
私は別に……、ここが嫌だから出ていくわけではないのだけど。ミハイルさんにとっては、どちらも同じことか。
「責めているわけじゃない。……昔、屋敷から誰もいなくなったとき、リエーフには随分小言を食らった」
そこで一度言葉を切ると、どこか自嘲的に目を伏せて、彼は先を続けた。
「……去られないよう必死だった。楽しかろうが楽しくなかろうが笑っていたさ。それでも去る者を引き止めてどうする。だが、リエーフに言わせれば、それも俺の努力が足らんらしい」
ライサがデレデレしていると言ったのは……、ミハイルさんがそうやって必死に笑ってた姿か。
だったらやっぱり見たくない。
「不器用でも無愛想でも失礼でも、それがミハイルさんじゃないですか。その人もきっと、無理をして欲しくなくて」
「さらっと貶すな」
「あ……そんなつもりじゃ。そのままのミハイルさんがいいってことで」
ジロリと睨まれて、慌てて言い訳をする。そんな私を見て、ミハイルさんは溜め息混じりの声を上げた。
「違うな。俺の力と呪印が受け付けないという理由だった」
「そんな……、そんなのミハイルさんのせいじゃないじゃないですか」
「そうだが、無理もない。伯爵家の花嫁ならば跡継ぎを作る義務がある。自分の子が俺のようになることを考えればそう易く決断できるものでもないだろう……、先代夫人も覚悟していただろうが、実際は俺を奇異の目で見た」
先代夫人ということは、ミハイルさんのお母さん……ってことだよね。ライサも言っていた。ミハイルさんのお母さんは、心を病んでしまったと。
どうして、それを、そんな何でもないことのように言えるんだろう。
……いや、違う。
何でもないことのように思わないと、辛くなるから。
気がつけば立ち上がっていた。怪訝な顔をするミハイルさんの前まで歩いて、手を伸ばす。
「辛い気持ちに蓋をしなければ動けないときがある。でもそれだけでは動けなくなる。泣きたいときは泣いた方がいい……って。教えてくれた人がいます」
あのとき彼がしたように、少しだけ頬に触れる。
「ミハイルさんは相手のことばかり考えすぎです。自分のことも考えてあげて下さい」
あのときのお礼がしたかった。
私は、ずっとここにはいられないけど。
そもそも私なんかいても駄目だと思うけど。
でもせめて、何か少しでも、返したかった……んだけど。
ミハイルさんが眉を寄せ、険しい顔をする。
余計なお世話だったかと、引こうとした手を、掴んで止められる。
だから、わかった。多分怒っているんじゃなくて。
「どういたしまして」
「……何も言っていない」
「ふふ。泣いてもいいですよ。今なら誰もいませんし」
あれからリエーフさんは戻ってこないし。幽霊たちの気配もない。だけどミハイルさんは首を振った。
「やめておく。一番見られたくないやつがいるからな」
手を離して、ミハイルさんが呟く。
「あとで何を言われるかわからん」
「言いませんよ、ミハイルさんじゃないんですから」
「既にそれが余計な一言だ。……だから」
睨まれて慌てて口元を押さえ、言葉を継いだミハイルさんの、その先を待つ。
「お前がいなくなったらそうする」
「私、そんなに信用ないですか?」
ふっ、と曖昧にミハイルさんが笑う。だがそれもすぐに消して。
「さて、食事が冷める。話は終わりだ」
「はい」
席に戻ると、リエーフさんがいないために、静かな食事が始まる。
でも、私は結構嫌いじゃない。
いつも仏頂面のミハイルさんが、今はほんの少しだけ穏やかな顔をしているとか。
話題を探して疲れるよりは、私はそういう些細な変化だけで充分なのである。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
お読み頂きありがとうございます。
宜しければ続編にもお付き合い下さいませ。
死霊使いの花嫁
https://www.alphapolis.co.jp/novel/452083416/6290232
また、こちらの時間軸でのお話も、今後も更新予定です。引き続きどうぞ宜しくお願い申し上げます。
※ご意見ご感想リクエストなどお気軽にお寄せ頂けますと嬉しいです。
白いプレートに黄金色のオムレツ、そしてそれを彩る野菜と、焼いている音が聞こえてきそうなこんがりベーコン。ふわふわのパンに添えられた果実のジャム。カップに入ったクリーミーなスープ。
「今日も美味しそう……!」
「ふふ、ミオさんの作るお食事には負けますよ」
何を仰るやら……、ひとつひとつは手の込んだ料理ではないからこそ、作った人の腕が露骨に出る。パンの焼け具合ひとつとっても完璧を極めるリエーフさんにそんなことを言われても嫌味なだけだ。
「リエーフさんにはとても敵いません。今度私にお料理を教えて下さい」
「いえいえ。いいですかミオさん、料理に一番大事なスパイスは、愛」
「下らない話を聞いてないで、さっさと食うぞ」
両手を組み合わせてうっとりするリエーフさんを他所に、ミハイルさんが辛辣な声を上げる。
それからもリエーフさんはペラペラ喋り続けているが、ミハイルさんは時折それに対してうるさそうに眉を寄せるだけで、一言も声を発さない。
別にそれは今に始まったことではないし、私もそう喋る方ではない。たまにリエーフさんに相槌を打つくらい。
だから、それはいいんだけど。機嫌が悪いわけではないのは知ってるけど。
このミハイルさんが、婚約者の前ではデレデレしていたというのか……、ライサの話を聞いたら、どうしても気になってしまう。
一緒に楽しく料理して、それを楽しく食べていたのかな。一体どんな話をしてたんだろう。
「……何だ」
ふと、 ミハイルさんが声を上げる。それで彼を凝視していたことに気付いて、慌てて料理に視線を戻す。
「いえ、何でも」
「言いたいことがあるなら言ったらどうだ」
「何にもないです」
言えるわけない。
それに、聞いてどうするんだという話だ。
はぐらかすと、ミハイルさんがイラっとしたのが空気でわかった。
「嘘をつけ。ライサと話していたことか?」
鋭い。
今度はミハイルさんが私を凝視するので、何でもないふりをしてオムレツを飲み込む。
そのとき、ぽん、とリエーフさんが手を打った。
「ああ、いけない。食後のお飲み物をご用意するのを忘れました」
そう言って、そそくさと部屋を出る。
「すぐに戻りますので、少々お待ちを」
パタンと食堂の扉が閉まる。
わざとらしい。ちゃんとティーセットはここにあるのに。
「で?」
リエーフさんの気配が遠ざかると、再びミハイルさんの追及が始まる。
……どうせ。関係ないなら聞けばいいか。他に話題もないのだから。
「……ミハイルさんの、」
じっと言葉の先を待つミハイルさんに、それをぶつける。
「三人目の婚約者って、どんな人だったんです?」
「はぁ?」
何よ……言いたいことがあるなら言えといったのはそちらでしょうに。
「聞いてどうする、そんなこと」
「どうもしませんよ。だから聞かなかったじゃないですか。それを無理矢理聞き出したのはミハイルさんですよ」
「…………」
それについては否定をしなかったけれど、水を一口含んで彼は黙りこんでしまった。
そんなに黙ると、まだ未練があるかのように見えて、興味本意で聞いてみる。
「綺麗な人でした?」
「まぁ、お前よりは」
「む……っ、それはそうでしょうね!!」
今まで黙ってたくせに、そこ即答するかな!?
そうだとしても失礼すぎない!?
思わず眉間に皺が寄る私を見て、ミハイルさんが真顔のまま声を上げる。
「冗談だ。もう忘れた」
「嘘ばっかり。デレデレだったってライサに聞きましたよ」
「誰が……」
てっきり焦るかと思ったのに、気のない声でミハイルさんが答える。その言葉が途中で消える。
「妬いてるのか」
「だっ、誰が!」
ナイフとフォークを握りしめたまま立ち上がって叫ぶと、今まで無表情だったミハイルさんが突然ぶっと吹き出した。
「……ははっ。だから冗談だ。怒るな」
ついポカンとしてしまう。
ミハイルさんが、こんな、笑い声を上げて笑うのなんて見たことなくて。
つい呆然と見とれた。でもそれがバレないうちには、食事に目を戻す。
「お前といると気楽だ。どうせお前はいつかここを出ていくからな」
野菜をつつきながら、ミハイルさんがそんなことを言う。
なんと答えたらいいのかわからず、黙ってスープのカップに口をつける。
私は別に……、ここが嫌だから出ていくわけではないのだけど。ミハイルさんにとっては、どちらも同じことか。
「責めているわけじゃない。……昔、屋敷から誰もいなくなったとき、リエーフには随分小言を食らった」
そこで一度言葉を切ると、どこか自嘲的に目を伏せて、彼は先を続けた。
「……去られないよう必死だった。楽しかろうが楽しくなかろうが笑っていたさ。それでも去る者を引き止めてどうする。だが、リエーフに言わせれば、それも俺の努力が足らんらしい」
ライサがデレデレしていると言ったのは……、ミハイルさんがそうやって必死に笑ってた姿か。
だったらやっぱり見たくない。
「不器用でも無愛想でも失礼でも、それがミハイルさんじゃないですか。その人もきっと、無理をして欲しくなくて」
「さらっと貶すな」
「あ……そんなつもりじゃ。そのままのミハイルさんがいいってことで」
ジロリと睨まれて、慌てて言い訳をする。そんな私を見て、ミハイルさんは溜め息混じりの声を上げた。
「違うな。俺の力と呪印が受け付けないという理由だった」
「そんな……、そんなのミハイルさんのせいじゃないじゃないですか」
「そうだが、無理もない。伯爵家の花嫁ならば跡継ぎを作る義務がある。自分の子が俺のようになることを考えればそう易く決断できるものでもないだろう……、先代夫人も覚悟していただろうが、実際は俺を奇異の目で見た」
先代夫人ということは、ミハイルさんのお母さん……ってことだよね。ライサも言っていた。ミハイルさんのお母さんは、心を病んでしまったと。
どうして、それを、そんな何でもないことのように言えるんだろう。
……いや、違う。
何でもないことのように思わないと、辛くなるから。
気がつけば立ち上がっていた。怪訝な顔をするミハイルさんの前まで歩いて、手を伸ばす。
「辛い気持ちに蓋をしなければ動けないときがある。でもそれだけでは動けなくなる。泣きたいときは泣いた方がいい……って。教えてくれた人がいます」
あのとき彼がしたように、少しだけ頬に触れる。
「ミハイルさんは相手のことばかり考えすぎです。自分のことも考えてあげて下さい」
あのときのお礼がしたかった。
私は、ずっとここにはいられないけど。
そもそも私なんかいても駄目だと思うけど。
でもせめて、何か少しでも、返したかった……んだけど。
ミハイルさんが眉を寄せ、険しい顔をする。
余計なお世話だったかと、引こうとした手を、掴んで止められる。
だから、わかった。多分怒っているんじゃなくて。
「どういたしまして」
「……何も言っていない」
「ふふ。泣いてもいいですよ。今なら誰もいませんし」
あれからリエーフさんは戻ってこないし。幽霊たちの気配もない。だけどミハイルさんは首を振った。
「やめておく。一番見られたくないやつがいるからな」
手を離して、ミハイルさんが呟く。
「あとで何を言われるかわからん」
「言いませんよ、ミハイルさんじゃないんですから」
「既にそれが余計な一言だ。……だから」
睨まれて慌てて口元を押さえ、言葉を継いだミハイルさんの、その先を待つ。
「お前がいなくなったらそうする」
「私、そんなに信用ないですか?」
ふっ、と曖昧にミハイルさんが笑う。だがそれもすぐに消して。
「さて、食事が冷める。話は終わりだ」
「はい」
席に戻ると、リエーフさんがいないために、静かな食事が始まる。
でも、私は結構嫌いじゃない。
いつも仏頂面のミハイルさんが、今はほんの少しだけ穏やかな顔をしているとか。
話題を探して疲れるよりは、私はそういう些細な変化だけで充分なのである。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
お読み頂きありがとうございます。
宜しければ続編にもお付き合い下さいませ。
死霊使いの花嫁
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