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1章
霧の衛兵
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「確かに霧の衛兵は殺せる、だけど殺せないんだ。奴らはすぐにまた蘇る。」
酒場で先輩冒険者にそう言われた。珍しいと思われる情報を手に入れてちょっといい気になって自慢した後のこれだ。穴に入りたい。それから少し情報を集めた。湖の中央にある何か、主と呼ぶとしよう。主から霧の衛兵こと「眷属」は何度でも生み出され侵入者を見つけ次第射出されてくるようだ。そしてその射出は、主に視認されることがトリガーとなるようだ。つまり物陰に隠れながら探索を行えば全く戦闘をせずに踏破することも可能なのかもしれない。そしてこんな話を聞いていく中あることを考えた。夢幻の湖畔を既に踏破したことがある冒険者に全て聞けばいいのではないだろうかと。そんなことを思いながら、該当する人物を探した。しかしこれが意外、全く見つからなかった。
「大男の冒険者?ああ、酒場にいたあいつか。あの後釈放はわりとすぐされたんだが、暗夜の樹海で行方不明になってる。まあどこかでやられたって考える方が自然だな。」
私が唯一心当たりがあった彼は既に迷宮の脅威の犠牲になってしまっているようだった。
「そう言えば夢幻の湖畔を攻略した冒険者を見かけたことがないな。実際にはいるはずなんだよな。今の最上位が探索している迷宮はその次のとこなんだから。「暗夜の樹海」だったよな。そんなに探したいなら支援機関に行ってきたらどうだ?コロンさんなら何か知ってるんじゃないか?」
とある冒険者はそんなことを語る。冒険者の総元締めである冒険者支援機関に聞くのは確かに確実かもしれない。ちょっと反則かもしれないが、命は軽くない。とりあえず聞いてみてもいいだろう。そういえば、銀の弾丸の補充もしておきたかった。そのついでに聞いてみよう。
「あら、ご苦労さまです。銀の弾丸の補充ですか?少しお待ちくださいね、準備いたします。」
冒険者支援機関の建物に入るとすぐにカウンターがある。そこで冒険者達は銀の弾丸の補充をお願いしている。銀の弾丸の扱いは責任者のコロンだけが実施しているような感じだ。これに関してだけは他の者が対応している姿を見たことがない。
「この前はお世話になりました。あれから今はどうされているんですか?夢幻の湖畔の探索をされているんですか?」
私は、夢幻の湖畔の探索をするにあたって情報を集めていることを説明した。そして、踏破者であればきっと有力な情報を持っているはずだと考えているということも。
「第二迷宮の踏破者……今現在で…ですか。ああ、いるにはいますよ。あなたもよく知る人物です。まず冒険者ルメール、彼もまた暗夜の樹海に足を踏み入れたことのある冒険者です。」
私がつい先日撃退した冒険者だ。彼はとても剣術に優れており、とても強者であった。彼ほどの者であれば夢幻の湖畔を踏破していても確かにおかしくはない。しかし、初心者の迷宮で取り逃がして以来どこにいったのかは当然わからない。
「あれから行方は分かりません。彼から情報を得ることは恐らく困難でしょう。他に踏破者はいませんね。過去には勿論存在していますが全員、暗夜の樹海で犠牲になられているようです。あまりお力にはなれなかったようですね、申し訳ありません。」
夢幻の湖畔の踏破者はいないようだ。これは、報告に上がっている範囲ではいないということだろうか?冒険者には報告義務というものがある。探索により得た情報を支援機関に提供する義務が冒険者規約により定められている。そして我々冒険者にはその報告に対して報酬を受け取る権利が発生する。これによって我々冒険者は生活をしている。そして、フリーの冒険者はこの街には居ない。支援機関の冒険者規約と都市ヴァロンの法律によりそう定められているからだ。あまり詮索するのは野暮というものだろうか。これ以上は止そう。
酒場で先輩冒険者にそう言われた。珍しいと思われる情報を手に入れてちょっといい気になって自慢した後のこれだ。穴に入りたい。それから少し情報を集めた。湖の中央にある何か、主と呼ぶとしよう。主から霧の衛兵こと「眷属」は何度でも生み出され侵入者を見つけ次第射出されてくるようだ。そしてその射出は、主に視認されることがトリガーとなるようだ。つまり物陰に隠れながら探索を行えば全く戦闘をせずに踏破することも可能なのかもしれない。そしてこんな話を聞いていく中あることを考えた。夢幻の湖畔を既に踏破したことがある冒険者に全て聞けばいいのではないだろうかと。そんなことを思いながら、該当する人物を探した。しかしこれが意外、全く見つからなかった。
「大男の冒険者?ああ、酒場にいたあいつか。あの後釈放はわりとすぐされたんだが、暗夜の樹海で行方不明になってる。まあどこかでやられたって考える方が自然だな。」
私が唯一心当たりがあった彼は既に迷宮の脅威の犠牲になってしまっているようだった。
「そう言えば夢幻の湖畔を攻略した冒険者を見かけたことがないな。実際にはいるはずなんだよな。今の最上位が探索している迷宮はその次のとこなんだから。「暗夜の樹海」だったよな。そんなに探したいなら支援機関に行ってきたらどうだ?コロンさんなら何か知ってるんじゃないか?」
とある冒険者はそんなことを語る。冒険者の総元締めである冒険者支援機関に聞くのは確かに確実かもしれない。ちょっと反則かもしれないが、命は軽くない。とりあえず聞いてみてもいいだろう。そういえば、銀の弾丸の補充もしておきたかった。そのついでに聞いてみよう。
「あら、ご苦労さまです。銀の弾丸の補充ですか?少しお待ちくださいね、準備いたします。」
冒険者支援機関の建物に入るとすぐにカウンターがある。そこで冒険者達は銀の弾丸の補充をお願いしている。銀の弾丸の扱いは責任者のコロンだけが実施しているような感じだ。これに関してだけは他の者が対応している姿を見たことがない。
「この前はお世話になりました。あれから今はどうされているんですか?夢幻の湖畔の探索をされているんですか?」
私は、夢幻の湖畔の探索をするにあたって情報を集めていることを説明した。そして、踏破者であればきっと有力な情報を持っているはずだと考えているということも。
「第二迷宮の踏破者……今現在で…ですか。ああ、いるにはいますよ。あなたもよく知る人物です。まず冒険者ルメール、彼もまた暗夜の樹海に足を踏み入れたことのある冒険者です。」
私がつい先日撃退した冒険者だ。彼はとても剣術に優れており、とても強者であった。彼ほどの者であれば夢幻の湖畔を踏破していても確かにおかしくはない。しかし、初心者の迷宮で取り逃がして以来どこにいったのかは当然わからない。
「あれから行方は分かりません。彼から情報を得ることは恐らく困難でしょう。他に踏破者はいませんね。過去には勿論存在していますが全員、暗夜の樹海で犠牲になられているようです。あまりお力にはなれなかったようですね、申し訳ありません。」
夢幻の湖畔の踏破者はいないようだ。これは、報告に上がっている範囲ではいないということだろうか?冒険者には報告義務というものがある。探索により得た情報を支援機関に提供する義務が冒険者規約により定められている。そして我々冒険者にはその報告に対して報酬を受け取る権利が発生する。これによって我々冒険者は生活をしている。そして、フリーの冒険者はこの街には居ない。支援機関の冒険者規約と都市ヴァロンの法律によりそう定められているからだ。あまり詮索するのは野暮というものだろうか。これ以上は止そう。
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