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動き
しおりを挟む「主様どうやら……最近気にかけている子達が魔界から地球に帰ったようです。如何致しますか?主様も今日の運動は切り上げますか?」
顎に手を当て少し考えたあと答えを出す。
「仕事は任せてあるし大丈夫だろう。それにもう余り時間が残されていない。1日最低1レベルは上げる予定だ。それと勘を取り戻す為に地下で模擬戦でもどうだね?魔力使わず武器だけの……」
「好きですねぇ主様も。筋肉戻って頭も筋肉になりましたか?」
「その罵倒いつぶりだろうね」
男は久しく言われていなかった罵倒に笑い、武器を構え直すと休憩は終わりとばかりと息を吐く。
「さて、目の前にいるこいつをどうしてくれようか」
冷たく声を発する。
男の目の前には人間と然程見た目の変わらない悪魔族の男が手足を縛られ地面に転がっていた。
「貴様!!貴族である私にこの様な事をしてただで済むと思っているのか!私の家格は男爵なのだぞ!!」
「ハッ!我々に傷一つつける事も叶わなかった雑魚が何を言うかと思えば……家格自慢の親頼り。情けないな」
男を主様と呼び慕う悪魔貴族は縛られている同じ悪魔貴族である男を鼻で笑う。
「そもそも貴様はなんなのだ!!同じ悪魔族だろう!何故汚らわしい人間如きの味方にいる!何故付き従う!!裏切りものめ!!」
「ゴミが……主様をゴミなどと!殺してもよいな?!」
「まだだ」
「しかし!」
「まだだと言っている」
強く言い聞かせると自身の主である男に一礼して一歩下がる。
近づき腰を落として悪魔貴族の男を見る。
「王族に反旗を翻した悪魔貴族は誰だ。言え、もしここですぐに言うのなら……楽に殺してやる」
「何を馬鹿なことをーーーーー」
「もしだ、もし言わないのなら地獄を何百何千年と味わう事になる。昔聞いた事ないか?【獄星の牢獄】ってやつ」
その名前を聞いた瞬間悪魔貴族の体が露骨に震える。
人間の子供に言うこと聞かないとお化けが出るよと言い聞かせるのと同じように悪魔族にも言われているのだ。
ーーーー悪魔族の影が道を外し王を裏切る悪魔の魂を探しているーーーー
人間の話に出てくるお化けもこれの話も普通なら一笑ものだが人間の言い伝えとは決定的に違う事がある。
それは
「まさか、まさかお前が従えている女が……悪魔族唯一の影の役割を持つオルナ家……!」
そう、お化けと違い確実に存在が確認されている点だった。
掠れた声で記憶通りの事実を呟く
「前に落ちぶれたと聞いたぞ!!」
しかし直ぐにオルナ家の情報を思い出し笑う。
挑発するような笑みにオルナ家の1人である女は同じように挑発するような笑顔を向ける。
「確かに落ちぶれた。だが1人の人間に助けられてな今はもうかつてより力をつけるまでになった。馬鹿な貴様に噛み砕いて言うのなら今が最盛期だ」
「そんな、ただでさえ昔の過激さが……いや、その話は嘘だ!ここ100年オルナ家の話は殆ど聞かない!
少しでも我が男爵家から逃げる為の作り話だ!!!」
必死に事実を認めたくないのか喚き続ける。
そんな悪魔貴族でありながら全く威厳も何もない男を生ゴミを見るような目で見るとその頭に手を乗せた。
「何をする!!」
「【獄星の牢獄】の発動」
頭に乗せた掌から魔法陣が男を覆うように広がり始める。
「やめろ!今すぐその魔法を解け!!今なら見なかった事にしてやる!!告げ口もせずにいてやる!だから今すぐ【獄星の牢獄】を解けぇえぇぇえぇ!」
「【完了】……最後に言い残す事は?」
「クソックソッ!!落ちぶれた子爵如きがこの様な事をしてただで済むと思うなよ!!我らの家に連なる者達が絶対に貴様を殺す!!」
「そうかそれは楽しみだ。言い忘れたが家格が公爵家の……王族にまで上がったらしいな」
「な?!き、聞いてないぞ!!!」
「去年上がったと個人的に情報を手に入れてな。懐かしいよ。【獄星の牢獄】」
「クソクソクソッ!!誰か助っーーーーー」
体を覆っていた魔法陣が黒く光ると男を消した。
「なぁカーディン……昔から疑問なんだがそれどこに送ってるんだ?」
「秘密、ですね。乙女の秘密は言えないのです」
「乙女って歳k」
「主様」
すぐ横にカーディンが立ち首にナイフを添えてある。
下級の悪魔貴族と戦い余裕で勝つくらいには強い人間であるはずがその動きが全く見えなかった。
「生きる時間が違うとはいえ女性にとって年齢の話は触れられたくないものですよ。お忘れになりましたか?」
過去忘れかけていたトラウマが蘇る。
カーディンと出会って間もない頃口を滑らせて怒らせてしまいまだ今のようにレベルがそこまで高く無かった時魔界1日放置されたのだ。
男の人生の中でトップ5に入る過酷な出来事だった。
だが男は成長した
「済まない。女性にとって歳の話は禁句だったな。私も昔と比べて老いたからな許して欲しい。今夜ディナーでもどうかね?」
「誤魔化さないで!もう!」
怒っているフリをしているがナイフを収め歩き出した。
「主様!早く行きますよ!運動した後に食べるご飯は格別なのですから」
「食べるのが相変わらず好きだなぁ。なぁ久しぶりに名前で呼んでくれないかカーディン」
カーディンを歩み止めて振り向く。
「はぁ……」と溜息を吐くと男の願いを叶える。
「響行きますよ」
「あと3時間は運動だな」
刀身の長い槍を携えてモンスターの群れの中に向けて走り出した。
「あぁあぁぁあぁぁ!!!もおぉおぉおぉぉお!会長は何処に出かけているんですか!何で私が!この!簡単とはいえ本来しなくてもいい書類の整理をしなければいけないんですか!!給料がしっかり発生するからまだ許せるけども!!!」
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ほかの秘書も同意見とばかりに何度も頷いていた。
「ねぇーこの『古豪 響様 宛』の封書は読まなくてもいいよね?」
「勿論よ」
「なんか会長宛ての手紙やら書類多くないか?」
「確かに……」
「言われてみれば」
「やっぱり中国とアメリカのSランクハンターが来日した事じゃない?」
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