ダンジョン世界で俺は無双出来ない。いや、無双しない

鐘成

文字の大きさ
78 / 100

ストレスと不服

しおりを挟む


吹雪くダンジョンの中を身体強化で疾走する。
猫娘がついてこれるよう多少スピードを落とす真はすれ違い様にモンスターに短剣で斬り付け【時限式 : エクスプロージョン】で爆殺する。
経験値になりアイテムを落とすがそれを払うマネージャー役としてアグリードが2人の後ろで走る。

この雪国型のダンジョンに潜り始めて2時間が経過し確認できる限りの雑魚モンスターは全て排除する事に成功した。

「残りはボスだけの筈だけど一体何処にいるんだ?魔力探知をやっても見つからないな。隠密に特化したタイプのモンスターか?」

「中国でもそういう面倒くさい奴何回か相手してたから正直億劫ね。ていうかさ、遠くに城……見えてるんだけど。明らかにあそこにボスがいる」

「やっぱりそう思った?だけどボスらしい魔力を感じないんだよ。なんていうか……残りカスみたいなやつは反応してるんだけど」

2人は携帯食料を齧ると猫娘が用意した温かいスープを飲み溜息を吐く。
何回か携帯食料を咀嚼していると真は何か思いついた顔をする。

「取り敢えずこれ食べたら城に行こう。そしてさその城を…………」

「ふんふん、本当にやっていいの?……え?!全力でやっていいの?!ハイになるよ!!」

「構わん、やれ」

そこから猫娘は携帯食料を楽しそうに食べスープを飲み干すと立ち上がる。
同タイミングで真も食事を終えてゴミやスープが入っていたコップを片付ける。

「遊びに行こうか」

「ストレスの発散にいいからね」







「【エクスプロージョン】【エクスプロージョン】【エクスプロージョン】【エクスプロージョン】【エクスプロージョン】【エクスプロージョン】」

「全カートリッジ使用、追加カートリッジ使用連結、左腕部武器カートリッジ追加………よし」

使い捨ての機械剣にひたすら【エクスプロージョン】の魔力を込めて行く。
本体がギシギシギシッと明らかに壊れそうな音が出ているのを無理矢理魔力で抑え付け形を保っている。

猫娘は片手で扱う巨大な武器を2つ用意しそれぞれに5個でワンセットのSランクモンスターの魔石を10個に増やして両方にセットした。
猫娘が使用する武器は魔石の魔力を使い本人の魔力を使わなくても【エクスプロージョン】を再現するものだ。
それを2つ10×2のSランク魔石を使うと六重に込めた真の【エクスプロージョン】に迫る威力になる。

「じゃあ対角線上にいないように撃とう。すぐに移動だこれ以上は武器が保たない。アグリード離れた猫娘に声届けてくれ」

「お任せを」

「じゃあ配置に着くねーー。アグリードさん頼りにするよーーー」

馬鹿でかい武器を2つ持ち吹雪の中を疾走する猫娘にスピードの衰えは無かった。

(スピード落ちないのは武器に軽量化でも施されてるのか?いいな戦斧に付与出来るかデルガに聞こう!)

猫娘が準備に着いたのかアグリードが脳内に話しかけてくる。

『主様準備が出来ました』

「了解じゃあ5カウントでいくから3から猫娘に伝えてくれ」

『はっ』

【エクスプロージョン】を放つ構えをするとアグリードに伝える。

「5……4……3……2……1……0!!!!!」

『……………3……2……1……0!!」

ドガァァアァァアァァァアン‼︎‼︎

機械剣が振るわれ悪魔貴族をも殺す事が出来る爆炎が城に放たれた。
猫娘はアグリードからラグなしで伝えられたタイミングに従い左右の武器のトリガーを引く。
Sランク魔石を合計20個全部使った【擬似 : エクスプロージョン】は本家にも劣らぬ爆炎を起こし城全体を包み込んだ。

「おっっっしゃあぁあぁぁあ!!!今日みたいな時しか出来ないけど爽快感バツグンだな!」

粉々になった機械剣をアイテムボックスに仕舞うと槍剣を取り出し備える。

「くぅう~~~!!初めてだよこんなに本気の一撃放ったの……快感だね」

魔石の魔力が全て空になった武器を仕舞いパイルバンカーの武器を取り出す。
カートリッジをセットしもしボスが生きていた時のために備える。

2種類の【エクスプロージョン】を受けた城は見るも無残な姿に変わる。
土台すらボロボロという言葉すら生温いほど原型を留めていなかった。

そんな瓦礫の山がほんの少し動いたかと思うと中からモンスターと思しき手が生えて瓦礫を退かす。
少しずつ瓦礫を退かし両手が使えるようになると這いずるように出て来た。

「う、ぐぅぅう!一体何が起こった!!約束の日までここでおとなしくしていろと命令され待っていればこの仕打ちぃぃいぃ!巫山戯るなぁあ!」

血塗れになった人間が出て来たと思うとアグリードが即座に真の真横に現れ耳打ちする。

「主様瓦礫の中にいる。あの男は魔界で王族に反旗を翻した者の内の1人です。ここで殺してしまえば侵攻の時に戦力を削れます」

「分かった。だそうだ猫娘、ここで潰すぞ?短期決戦だ!」

「了解!!」

目標の悪魔貴族に向けて2人は走り出す。
右腕を欠損した悪魔貴族は回復魔法で右腕を生やす事に集中しているためこちらに気づいていない。

「「経験値は俺(私)のだぁぁぁぁあ!!!!!」」

「な、何だ貴様らぁぁぁ!!」

槍剣の持ち手の端を持ち少しでも距離を稼ぎ悪魔貴族の首目掛けて最速で突きを放つ。
猫娘は本気のパンチを繰り出すと同時にトリガーを引く。
武器の中から杭が突き出される。

「やめーーーーーー」

ドシュッッ

杭が頭を潰す音と槍剣が首を断ち斬る音が同タイミングで2人の耳に届く。

「「俺(私)か?!」」

Exp : 196382

「はぁ?!この経験値って……」

(デルガがアスマディアを一度殺した時に俺に来た経験値と同等だと?経験値が減ったアスマディアと同等って事は少なくともアスマディアより全然弱いって事だな)

「かなり貰えたけどギリギリレベルは上がらなかったな。あと何匹かAランクモンスター狩れば上がるか?」

「やった!!レベルが上がったね!!!Sランク魔石を20以上消費した甲斐があったよ……嗚呼でも魔力込める地獄が……」

「いっそ俺らになるといっそ狩った方が早くない?」

「それもそうだけどさぁ」

物凄く不服そうな顔をする。
何が不満なのだろうか

「仕事終わったから報告したあと魔界行くぞ!」

「魔石の補充どうしよう」





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ギャルといちゃこらしていたらダンジョン探索がはかどった件。うちのお菊がもふもふで可愛すぎる♡

マネキネコ
ファンタジー
日本国内に3つのダンジョンが出現して早10年。日本国政府は各方面と協議を重ねた結果、ダンジョンを国民に開放すると宣言した。つまり現在では探索者ライセンスさえあれば誰でも気軽にダンジョン探索ができる時代になっているのだ。高校生になった僕は夏休みに入るとすぐに探索者講習を受けライセンスを取得した。そして残りの夏休みすべてをダンジョン探索へと費やし、通常は半年以上は掛かると言われていた最初のレベルアップを、僕はわずか3週間あまりで達成した。これはとんでもない快挙といってもいいだろう。しかも他の人に比べると、身体能力がはるかに劣っているチビデブの僕がである。こんな結果をもたらした背景には、なんといっても僕のパートナーであるお菊の存在が大きいだろう。そしてもうひとつ、なぜだかわからないが、ステータスの中に『聖獣の加護』が表示されているのだ。おそらく、この効果が表れているのではないだろうか。そうして2学期が始まり僕が教室に顔を出すと、最近やたらと絡んでくるギャル友から「あんたなんか変わった!? なんていうか雰囲気とか? 背もだいぶ伸びてるみたいだし」と、なんでどうしての質問攻め。今まで異性には見向きもされなかった僕だけど、これってもしかして、『モテ期』というやつが来てるの?

異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!

枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕 タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】 3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話

ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。 異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。 「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」 異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…

ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばす 規格外ダンジョンに住んでいるので、無自覚に最強でした

むらくも航
ファンタジー
旧題:ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~ Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。 配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。 誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。 そんなホシは、ぼそっと一言。 「うちのペット達の方が手応えあるかな」 それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。

この世界にダンジョンが現れたようです ~チートな武器とスキルと魔法と従魔と仲間達と共に世界最強となる~

仮実谷 望
ファンタジー
主人公の増宮拓朗(ましみやたくろう)は20歳のニートである。 祖父母の家に居候している中、毎日の日課の自宅の蔵の確認を行う過程で謎の黒い穴を見つける。 試にその黒い穴に入ると謎の空間に到達する。 拓朗はその空間がダンジョンだと確信して興奮した。 さっそく蔵にある武器と防具で装備を整えてダンジョンに入ることになるのだが…… 暫くするとこの世界には異変が起きていた。 謎の怪物が現れて人を襲っているなどの目撃例が出ているようだ。 謎の黒い穴に入った若者が行方不明になったなどの事例も出ている。 そのころ拓朗は知ってか知らずか着実にレベルを上げて世界最強の探索者になっていた。 その後モンスターが街に現れるようになったら、狐の仮面を被りモンスターを退治しないといけないと奮起する。 その過程で他にもダンジョンで女子高生と出会いダンジョンの攻略を進め成長していく。 様々な登場人物が織りなす群像劇です。 主人公以外の視点も書くのでそこをご了承ください。 その後、七星家の七星ナナナと虹咲家の虹咲ナナカとの出会いが拓朗を成長させるきっかけになる。 ユキトとの出会いの中、拓朗は成長する。 タクロウは立派なヒーローとして覚醒する。 その後どんな敵が来ようとも敵を押しのける。倒す。そんな無敵のヒーロー稲荷仮面が活躍するヒーロー路線物も描いていきたいです。

ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ

高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。 タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。 ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。 本編完結済み。 外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。

処理中です...