ダンジョン世界で俺は無双出来ない。いや、無双しない

鐘成

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決戦

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日本
その首都のど真ん中に選抜されたSランクハンターが全力の装備に身を包み武器を握っていた。
それ以外のSランクハンターやA以下のハンター達は首都のど真ん中より少し離れた区などに構えていた。

選抜されたSランクハンターのうちの1人である紅葉詩乃は去年に真のランクアップ試験や悪魔貴族と契約した時の相場より遥かに良い装備に変わっている。
主兵装であるガントレットの調子を確かめるとふと口を開く。

「ここ1ヶ月の以上なダンジョンの出現及び大小問わず起こったダンジョン決壊の頻度からそろそろ一部の悪魔貴族の地球への侵攻が近い事が分かる……そして遂に来たねこの時が」

真剣な顔で今までに無い空に浮かぶダンジョンゲートを睨む。
ここ1時間の間に数百匹のモンスターがゲートから溢れてハンター達と交戦していた。

紅葉達がいる場所以外の区でも空にゲートが開き浮かんでいる。
この現象は日本のみならず世界各地で起きていた。
確認出来ている限りでは日本、アメリカ、中国、ブラジル、インド、ドイツetc……

主に人口が多く首都に一定以上の人数がいる所に現れている。
インドと中国は他の国と比べると遥かに人工が多い為か首都のみならず他の都市にもゲートが現れ対処が難しいと情報が入っていた。

「紅葉さん、デルガの報告だとあちらはもう少しでこちら側に侵攻するそうです。気を引き締めましょう」

「あっけーー真君。去年の今頃からは信じられないほど強くなった私の実力の魅せ所って訳だ」

手首の骨を鳴らして気合いを入れる。

「レベルはどれほどに?」

「143までは上げれたよ。一応上級貴族と言われるラインだから下級貴族には遅れは取らないはずだよ。それより真君は?」

「秘密です。しかしデルガが言うには上級貴族でも破れない壁を1つ突破したとは言われたよ。レベルが1つ違うだけで全く違う強さになったよ」

バチバチバチィ‼︎‼︎

今までより一層ゲートが激しく揺れる

「来た……総員散開!!本命だぞ!!」

「来たかよ。デルガ、アグリード、アスマディア、デル、ゴレマス」

名前を呼ばれた4人の悪魔貴族が真の背後にゲートを出しその中から現れる。
何も全力の装備を身に纏い本気の様子だった。

ゲートの中からぬるりと人の手が出された。





中国 首都 : 北京市

「秦隊長!!今度は特大のゲートが空に現れました!!!」

世界1位の人口を誇る中国では、首都にゲートが出現したため日本やアメリカより遥かに損害がデカかった。

日本と同じように戦力を確かめるかの様にゲートからそこそこ高ランクのモンスターが何度も現れた。
その度に現中国最強の秦良菊とその部下達がなんとか対処に成功している。

北京には秦良菊を含むSランクハンターが20人とAランクハンターが50人待機していた。
他にも人口が多い都市にもSランクハンターが対処に向かっている。

口元が寂しくなった秦が胸ポケットから煙草を取り出し咥える。
指先に小さな火を灯し煙草に火をつける。

「ぷはぁ~……猫娘と冥凜は日本で元気にしてんのかなぁ」

「隊長そんな事より空にゲートが!」

「まだゲートが現れただけで中から何も出て来ていない……ならここからが本命なのだろうよ」

煙を大量に吐くと歪んだ顔で愚痴を溢す。

「クソッ……こんな時にこそ静闘争が居ればまだ楽だってのに。ホント、なんでダンジョン内で消えたんだよ……!」

「隊長……」

泣きそうな顔で死亡扱いの静闘争に対して更に愚痴を溢した。
強引に涙を拭うと本命の戦いに向けて装備を換装する。

人類が確認出来た中で最高峰のガントレットである《秦王の義手》を装備し武器も最高峰の《戦陣の旗》に変える。
旗扱いでさあるがそこらへんの武器より遥かに耐久性に秀で魔法の発動媒体としても優秀なのだ。

拳術の他に棒術を習得している秦には最適な装備と言えた。

「隊長ゲートが!!!」

部下のうちの1人が空に浮かぶゲートを指差し叫ぶ。
秦はまだ残っている煙草を地面に捨て足裏で火を消し一歩前進した。

「お前ら構えろ!!!」

秦の一喝が言い終わる頃にはその場にいためS~Aランクのハンターな装備を瞬時に換装していた。







アメリカ 首都 : ワシントンD.C.

「ジェイネー本当にこの侵攻に参加するのか?」

「参加するのか?ってもう既に雑魚モンスターを倒してるんだから当然参加に決まってるわよ」

最初から本気の装備のジェイソンが妻であるジェイネーを気遣う言葉を言うが直ぐに切って捨てられた。

「子供は親の実家に預けて来たから大丈夫よ」

「だとしても俺はお前が心配だジェイネー」

ほんの少しだけ語気を強めで気持ちを伝える。
言われたよジェイネーは頬を赤らめてクネクネと動き始める。

「アナタがそんなに心配してくれたのはいつぶりかしら!でも安心してよ?私も今日の侵攻までの時間コーヒーを飲んでいただけじゃ無いこと知ってるでしょ?」

「それはそうだが……」

人類最高峰の実力を持つジェイソンがタジタジになるほど今のジェイネーは相応の実力を有していた。

中国の秦良菊とジェイソンが模擬戦闘をした時はSランクには届かないが限りなくSランクに近い最上級の力を持つAランクだった。
そこからそれなりの時間が経ち常に人類最高峰と共にしていたジェイネーのレベルは100を超えるまでになっている。

本気のパンチは流石のジェイソンも気絶させた。

「心配されても……愛する貴方の役に立ちたいものよジェイソン」

2人の間にピンク色の空間が構築される。
一連の流れを見ていた独身S~Aランクのハンター達は耐えられないのか唾を吐き捨てたり道の端でゲロを吐いていた。

「そんな事よりアナタ。空に浮かんだゲートから人の手らしきものが出てるわ」

「「「「何?!」」」」

その場のハンター達がジェイネーが言うゲートに一斉に振り向いた。

バチバチバチィ‼︎‼︎

ぬるりと出された手はゲートの端を掴み這い出る様にして動かす。
すると中から人類とは一線を画す魔力を持った悪魔貴族が出てきた。

「……俺達が負けたら人類は終わると」

甘い雰囲気など既になく
ハンター達は殺気だけで生き物を殺せるほどに集中していた。


日本

「さぁ」

中国

「ここからが」

アメリカ

「最終決戦だ」


「「「地球に来た馬鹿どもを見返してやれ!!」」」









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