82 / 100
決戦
しおりを挟む日本
その首都のど真ん中に選抜されたSランクハンターが全力の装備に身を包み武器を握っていた。
それ以外のSランクハンターやA以下のハンター達は首都のど真ん中より少し離れた区などに構えていた。
選抜されたSランクハンターのうちの1人である紅葉詩乃は去年に真のランクアップ試験や悪魔貴族と契約した時の相場より遥かに良い装備に変わっている。
主兵装であるガントレットの調子を確かめるとふと口を開く。
「ここ1ヶ月の以上なダンジョンの出現及び大小問わず起こったダンジョン決壊の頻度からそろそろ一部の悪魔貴族の地球への侵攻が近い事が分かる……そして遂に来たねこの時が」
真剣な顔で今までに無い空に浮かぶダンジョンゲートを睨む。
ここ1時間の間に数百匹のモンスターがゲートから溢れてハンター達と交戦していた。
紅葉達がいる場所以外の区でも空にゲートが開き浮かんでいる。
この現象は日本のみならず世界各地で起きていた。
確認出来ている限りでは日本、アメリカ、中国、ブラジル、インド、ドイツetc……
主に人口が多く首都に一定以上の人数がいる所に現れている。
インドと中国は他の国と比べると遥かに人工が多い為か首都のみならず他の都市にもゲートが現れ対処が難しいと情報が入っていた。
「紅葉さん、デルガの報告だとあちらはもう少しでこちら側に侵攻するそうです。気を引き締めましょう」
「あっけーー真君。去年の今頃からは信じられないほど強くなった私の実力の魅せ所って訳だ」
手首の骨を鳴らして気合いを入れる。
「レベルはどれほどに?」
「143までは上げれたよ。一応上級貴族と言われるラインだから下級貴族には遅れは取らないはずだよ。それより真君は?」
「秘密です。しかしデルガが言うには上級貴族でも破れない壁を1つ突破したとは言われたよ。レベルが1つ違うだけで全く違う強さになったよ」
バチバチバチィ‼︎‼︎
今までより一層ゲートが激しく揺れる
「来た……総員散開!!本命だぞ!!」
「来たかよ。デルガ、アグリード、アスマディア、デル、ゴレマス」
名前を呼ばれた4人の悪魔貴族が真の背後にゲートを出しその中から現れる。
何も全力の装備を身に纏い本気の様子だった。
ゲートの中からぬるりと人の手が出された。
中国 首都 : 北京市
「秦隊長!!今度は特大のゲートが空に現れました!!!」
世界1位の人口を誇る中国では、首都にゲートが出現したため日本やアメリカより遥かに損害がデカかった。
日本と同じように戦力を確かめるかの様にゲートからそこそこ高ランクのモンスターが何度も現れた。
その度に現中国最強の秦良菊とその部下達がなんとか対処に成功している。
北京には秦良菊を含むSランクハンターが20人とAランクハンターが50人待機していた。
他にも人口が多い都市にもSランクハンターが対処に向かっている。
口元が寂しくなった秦が胸ポケットから煙草を取り出し咥える。
指先に小さな火を灯し煙草に火をつける。
「ぷはぁ~……猫娘と冥凜は日本で元気にしてんのかなぁ」
「隊長そんな事より空にゲートが!」
「まだゲートが現れただけで中から何も出て来ていない……ならここからが本命なのだろうよ」
煙を大量に吐くと歪んだ顔で愚痴を溢す。
「クソッ……こんな時にこそ静闘争が居ればまだ楽だってのに。ホント、なんでダンジョン内で消えたんだよ……!」
「隊長……」
泣きそうな顔で死亡扱いの静闘争に対して更に愚痴を溢した。
強引に涙を拭うと本命の戦いに向けて装備を換装する。
人類が確認出来た中で最高峰のガントレットである《秦王の義手》を装備し武器も最高峰の《戦陣の旗》に変える。
旗扱いでさあるがそこらへんの武器より遥かに耐久性に秀で魔法の発動媒体としても優秀なのだ。
拳術の他に棒術を習得している秦には最適な装備と言えた。
「隊長ゲートが!!!」
部下のうちの1人が空に浮かぶゲートを指差し叫ぶ。
秦はまだ残っている煙草を地面に捨て足裏で火を消し一歩前進した。
「お前ら構えろ!!!」
秦の一喝が言い終わる頃にはその場にいためS~Aランクのハンターな装備を瞬時に換装していた。
アメリカ 首都 : ワシントンD.C.
「ジェイネー本当にこの侵攻に参加するのか?」
「参加するのか?ってもう既に雑魚モンスターを倒してるんだから当然参加に決まってるわよ」
最初から本気の装備のジェイソンが妻であるジェイネーを気遣う言葉を言うが直ぐに切って捨てられた。
「子供は親の実家に預けて来たから大丈夫よ」
「だとしても俺はお前が心配だジェイネー」
ほんの少しだけ語気を強めで気持ちを伝える。
言われたよジェイネーは頬を赤らめてクネクネと動き始める。
「アナタがそんなに心配してくれたのはいつぶりかしら!でも安心してよ?私も今日の侵攻までの時間コーヒーを飲んでいただけじゃ無いこと知ってるでしょ?」
「それはそうだが……」
人類最高峰の実力を持つジェイソンがタジタジになるほど今のジェイネーは相応の実力を有していた。
中国の秦良菊とジェイソンが模擬戦闘をした時はSランクには届かないが限りなくSランクに近い最上級の力を持つAランクだった。
そこからそれなりの時間が経ち常に人類最高峰と共にしていたジェイネーのレベルは100を超えるまでになっている。
本気のパンチは流石のジェイソンも気絶させた。
「心配されても……愛する貴方の役に立ちたいものよジェイソン」
2人の間にピンク色の空間が構築される。
一連の流れを見ていた独身S~Aランクのハンター達は耐えられないのか唾を吐き捨てたり道の端でゲロを吐いていた。
「そんな事よりアナタ。空に浮かんだゲートから人の手らしきものが出てるわ」
「「「「何?!」」」」
その場のハンター達がジェイネーが言うゲートに一斉に振り向いた。
バチバチバチィ‼︎‼︎
ぬるりと出された手はゲートの端を掴み這い出る様にして動かす。
すると中から人類とは一線を画す魔力を持った悪魔貴族が出てきた。
「……俺達が負けたら人類は終わると」
甘い雰囲気など既になく
ハンター達は殺気だけで生き物を殺せるほどに集中していた。
日本
「さぁ」
中国
「ここからが」
アメリカ
「最終決戦だ」
「「「地球に来た馬鹿どもを見返してやれ!!」」」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!
枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕
タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】
3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!
ギャルといちゃこらしていたらダンジョン探索がはかどった件。うちのお菊がもふもふで可愛すぎる♡
マネキネコ
ファンタジー
日本国内に3つのダンジョンが出現して早10年。日本国政府は各方面と協議を重ねた結果、ダンジョンを国民に開放すると宣言した。つまり現在では探索者ライセンスさえあれば誰でも気軽にダンジョン探索ができる時代になっているのだ。高校生になった僕は夏休みに入るとすぐに探索者講習を受けライセンスを取得した。そして残りの夏休みすべてをダンジョン探索へと費やし、通常は半年以上は掛かると言われていた最初のレベルアップを、僕はわずか3週間あまりで達成した。これはとんでもない快挙といってもいいだろう。しかも他の人に比べると、身体能力がはるかに劣っているチビデブの僕がである。こんな結果をもたらした背景には、なんといっても僕のパートナーであるお菊の存在が大きいだろう。そしてもうひとつ、なぜだかわからないが、ステータスの中に『聖獣の加護』が表示されているのだ。おそらく、この効果が表れているのではないだろうか。そうして2学期が始まり僕が教室に顔を出すと、最近やたらと絡んでくるギャル友から「あんたなんか変わった!? なんていうか雰囲気とか? 背もだいぶ伸びてるみたいだし」と、なんでどうしての質問攻め。今まで異性には見向きもされなかった僕だけど、これってもしかして、『モテ期』というやつが来てるの?
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話
ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。
異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。
「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」
異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…
ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばす 規格外ダンジョンに住んでいるので、無自覚に最強でした
むらくも航
ファンタジー
旧題:ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~
Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。
配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。
誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。
そんなホシは、ぼそっと一言。
「うちのペット達の方が手応えあるかな」
それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。
この世界にダンジョンが現れたようです ~チートな武器とスキルと魔法と従魔と仲間達と共に世界最強となる~
仮実谷 望
ファンタジー
主人公の増宮拓朗(ましみやたくろう)は20歳のニートである。
祖父母の家に居候している中、毎日の日課の自宅の蔵の確認を行う過程で謎の黒い穴を見つける。
試にその黒い穴に入ると謎の空間に到達する。
拓朗はその空間がダンジョンだと確信して興奮した。
さっそく蔵にある武器と防具で装備を整えてダンジョンに入ることになるのだが……
暫くするとこの世界には異変が起きていた。
謎の怪物が現れて人を襲っているなどの目撃例が出ているようだ。
謎の黒い穴に入った若者が行方不明になったなどの事例も出ている。
そのころ拓朗は知ってか知らずか着実にレベルを上げて世界最強の探索者になっていた。
その後モンスターが街に現れるようになったら、狐の仮面を被りモンスターを退治しないといけないと奮起する。
その過程で他にもダンジョンで女子高生と出会いダンジョンの攻略を進め成長していく。
様々な登場人物が織りなす群像劇です。
主人公以外の視点も書くのでそこをご了承ください。
その後、七星家の七星ナナナと虹咲家の虹咲ナナカとの出会いが拓朗を成長させるきっかけになる。
ユキトとの出会いの中、拓朗は成長する。
タクロウは立派なヒーローとして覚醒する。
その後どんな敵が来ようとも敵を押しのける。倒す。そんな無敵のヒーロー稲荷仮面が活躍するヒーロー路線物も描いていきたいです。
ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ
高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。
タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。
ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。
本編完結済み。
外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる