ダンジョン世界で俺は無双出来ない。いや、無双しない

鐘成

文字の大きさ
92 / 100

中国 秦 : 開戦

しおりを挟む


中国

「ふーーーん。魔力が濃いから来て見れば。ただ数が多いだけだったか……」

男は残念そうに下を向き首を振る。

「数が多いなら自分がやられる可能性があるとは考えないのか?Sランク20!Aランクは50人もいる!このぐらいの戦力なら上級貴族程度なら捻る事も可能だと思うが?」

秦は自分の後ろにいるハンター達を誇示する。
空に浮かぶ悪魔貴族の男は鼻で笑うと両手の杖代わりの指輪に魔力を込めて左右に飛ばす様に手を広げる。

「【ゲート】」

20の黒色の魔力で生成された【門】が出現する。

「【開門オープン】」

腕を鍵を回す時の様に軽く捻る。
すると中から人型のモンスターがにゅるりと出て来て地面に落ちる。
そして立ち上がった。
これを皮切りに全ての【門】から続々とモンスターが溢れ出て来る。

「……後衛の召喚系の悪魔貴族かっ」

噛み締めるように秦が愚痴を溢すと悪魔貴族の男は小馬鹿にしてるのか笑い出す。

「くくくっ!くははははははははは!!低俗がっ!!召喚メインで戦うからと言って!直接の戦闘が出来ないはずないだろう!!」

見た目は12~15の子供の容姿の筈がその場にいたハンター全員が気圧される。
モンスター達は統率された動きでハンター達に向かって進軍を始める。

「お前ら!下のモンスターは任せる!私は空に浮かんで笑ってるあのクソガキをぶっ叩きに行く!!」

「「「「了解!!」」」」

Sランク.Aランクのハンター達が走り出し召喚されたモンスター達と交戦を始めた。
1人残った秦は拳だけで戦うのは得策ではないと判断し槍を取り出した。

「君1人で僕に挑むつもり?」

「だとしたら何だと言うのだ。負けるつもりは毛頭ない」

「経験値が……っ!」

空間を掴むとそこから紫色の雷が迸り一気に引き抜く。

「《神杖の王鎧》。この杖には【自動防御】のスキルが施されているし魔法を発動させる媒体としても超級の仕事をしてくれる」

「へぇ!見下している相手にそこまでするのか!実はビビってるんじゃねぇのか!!」

「ビビる?口に気をつけた方がいいよ人間の女。……決めた、お前はボコボコにして動けなくした後犯し尽くす。犯して犯して犯して!その果てに死を望むほどに壊してやるよぉ!!」

「あははは!!!性癖が捻じ曲がったんだよクソガキぃ!!」

青い魔力が秦の体の中に浸透して身体能力が引き上げられると同時にその強化に耐えるための回復も施された。

「【神速】!!」

瞬間的に爆発的なスピードを獲得して地面を蹴り空に浮かんでいる少年の悪魔貴族に向かって跳躍をする。
秦を迎撃するため魔法が幾つも飛んで来るが槍で魔法を斬ったり、弾き返す。

そのままそこまで速くはないが宙に浮いたまま移動しながら魔法を放って来た。
空に浮いたままの秦は回避が出来ない。
しかし空中に魔力の塊を作り踏み台として利用する事でなんとか回避に成功する。

「?!……器用だねぇ」

「こんな曲芸師みたいな事も取り入れて行かないと勝てないと思ったからな」

飛んで来た氷の槍を空中に作った魔力の足場を起点に棒高跳びの要領で上手く避ける。
足場に刺さった槍をそのままに新たに《魂》の槍を取り出して振り下ろす。

ガギンッッ!!

《神杖の王鎧》に付与されたスキル効果で予め込められた魔力が自動的に魔力の防御膜となり防ぐ。
一定の魔力で一定の強度の防御膜を作るわけではなく攻撃側の威力によって強度と消費魔力が増えていく。

つまり
《神杖の王鎧》ごと消し飛ばす勢いの一撃を加えないと本体にすら届かないのだ。

「300年、毎日少しずつ込め続けた魔力を削り切ったら時初めてお前に勝機が生まれる」

【門】が1つ開く。
出て来た瞬間にすぐさま殺せるように槍に魔力を込めて地面を蹴る。
しかし

シュッ………………ドガン!!!

目に見えない衝撃が秦を襲い30m下の地面に叩き付けられた。

「っかは!」

肺から酸素が全て吐き出され呼吸が出来ない。
体が無意識に酸素を求め口を動かす。

「っはぁーー!はぁ……!はぁ……!一体何が起きた!空気を圧縮して放ったのか?」

呼吸を整えるとすぐさま自分の身を襲った衝撃の考察を始める。
その考察は当たっているのだがその衝撃の強さが桁外れだったのだ。

(一般人に例えるのなら車に轢かれたと感じる程の衝撃……といった所)

体を回復させて立ち上がる。
悪魔貴族の少年を見上げると開いた【門】が閉じている。

「さぁ、僕が預かったその化物を倒して見せてごらん。倒せたらようやく僕と戦える権利を与えるよ」

そう言うと自分の真下を指差した。
少年の指輪の先をつられて見ると顔を強張らせた。

「白い……人間?」

全身が真っ白の、アルビノというレベルも超える肌の色を持つ見た目の人間がいた。

「人間、いや悪魔……族?」

漂って来る不吉な魔力を感じるとただの人間ではなく悪魔族だという事が分かる。
しかし秦が感じた違和感が拭えない。

「お前……!一体何を作った!!!!!」

「作ったのは僕じゃないんだけどね。まぁ答えてあげるよ。この化物は僕達が求める悪魔族本来の力を取り戻す実験の副産物として生まれた存在だ」

「ゔぅぅうぅうぅううぅ………」

反応をしているかのように呻き声を上げた。

「もっと噛み砕いていうのなら実験のモルモットとして使用された裏切りの悪魔族の………」








「成れの果て、人工の魔祖悪魔さ」

「ゔぅぅうぅうぁあぁぁあ!!!!!!」

秦から見れば鈍足ではあるが止まらずに突進をする。
回避が容易という事もあり背後を取り槍を全力投擲をする。

カキンッ

金属音を響かせ槍が弾かれる。

「な?!」

「ヴゥゥウ!」

再度突進を敢行し秦へと迫る。
速度を生かし魔祖悪魔を翻弄しながらアイテムボックスから取り出したもう一本の槍を振るう。
しかし反撃を貰い槍が壊れる。

「攻撃まで……!!」

本当に全力を出さないと不味いと本当に感じ足場へ回していた魔力を回収する。
足場に刺さっていた武器が落下し地面に刺さる。

「後先は考えてずにまずはお前だ。【武具召喚】」

【スキル】を発動するとアイテムボックス内に収納されていた膨大な数の武器が地面に刺さった状態で半径100mの中に出現する。

「さぁ、踊り狂って死ね!」









しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ギャルといちゃこらしていたらダンジョン探索がはかどった件。うちのお菊がもふもふで可愛すぎる♡

マネキネコ
ファンタジー
日本国内に3つのダンジョンが出現して早10年。日本国政府は各方面と協議を重ねた結果、ダンジョンを国民に開放すると宣言した。つまり現在では探索者ライセンスさえあれば誰でも気軽にダンジョン探索ができる時代になっているのだ。高校生になった僕は夏休みに入るとすぐに探索者講習を受けライセンスを取得した。そして残りの夏休みすべてをダンジョン探索へと費やし、通常は半年以上は掛かると言われていた最初のレベルアップを、僕はわずか3週間あまりで達成した。これはとんでもない快挙といってもいいだろう。しかも他の人に比べると、身体能力がはるかに劣っているチビデブの僕がである。こんな結果をもたらした背景には、なんといっても僕のパートナーであるお菊の存在が大きいだろう。そしてもうひとつ、なぜだかわからないが、ステータスの中に『聖獣の加護』が表示されているのだ。おそらく、この効果が表れているのではないだろうか。そうして2学期が始まり僕が教室に顔を出すと、最近やたらと絡んでくるギャル友から「あんたなんか変わった!? なんていうか雰囲気とか? 背もだいぶ伸びてるみたいだし」と、なんでどうしての質問攻め。今まで異性には見向きもされなかった僕だけど、これってもしかして、『モテ期』というやつが来てるの?

ダンジョンに行くことができるようになったが、職業が強すぎた

ひまなひと
ファンタジー
主人公がダンジョンに潜り、ステータスを強化し、強くなることを目指す物語である。 今の所、170話近くあります。 (修正していないものは1600です)

ハズレ職業の料理人で始まった俺のVR冒険記、気づけば最強アタッカーに!ついでに、女の子とVチューバー始めました

グミ食べたい
ファンタジー
現実に疲れた俺が辿り着いたのは、自由度抜群のVRMMORPG『アナザーワールド・オンライン』。 選んだ職業は“料理人”。 だがそれは、戦闘とは無縁の完全な負け組職業だった。 地味な日々の中、レベル上げ中にネームドモンスター「猛き猪」が出現。 勝てないと判断したアタッカーはログアウトし、残されたのは三人だけ。 熊型獣人のタンク、ヒーラー、そして非戦闘職の俺。 絶体絶命の状況で包丁を構えた瞬間――料理スキルが覚醒し、常識外のダメージを叩き出す! そこから始まる、料理人の大逆転。 ギルド設立、仲間との出会い、意外な秘密、そしてVチューバーとしての活動。 リアルでは無職、ゲームでは負け組。 そんな男が奇跡を起こしていくVRMMO物語。

異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!

枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕 タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】 3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!

ダンジョン冒険者にラブコメはいらない(多分)~正体を隠して普通の生活を送る男子高生、実は最近注目の高ランク冒険者だった~

エース皇命
ファンタジー
 学校では正体を隠し、普通の男子高校生を演じている黒瀬才斗。実は仕事でダンジョンに潜っている、最近話題のAランク冒険者だった。  そんな黒瀬の通う高校に突如転校してきた白桃楓香。初対面なのにも関わらず、なぜかいきなり黒瀬に抱きつくという奇行に出る。 「才斗くん、これからよろしくお願いしますねっ」  なんと白桃は黒瀬の直属の部下として派遣された冒険者であり、以後、同じ家で生活を共にし、ダンジョンでの仕事も一緒にすることになるという。  これは、上級冒険者の黒瀬と、美少女転校生の純愛ラブコメディ――ではなく、ちゃんとしたダンジョン・ファンタジー(多分)。 ※小説家になろう、カクヨムでも連載しています。

ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話

ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。 異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。 「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」 異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…

この世界にダンジョンが現れたようです ~チートな武器とスキルと魔法と従魔と仲間達と共に世界最強となる~

仮実谷 望
ファンタジー
主人公の増宮拓朗(ましみやたくろう)は20歳のニートである。 祖父母の家に居候している中、毎日の日課の自宅の蔵の確認を行う過程で謎の黒い穴を見つける。 試にその黒い穴に入ると謎の空間に到達する。 拓朗はその空間がダンジョンだと確信して興奮した。 さっそく蔵にある武器と防具で装備を整えてダンジョンに入ることになるのだが…… 暫くするとこの世界には異変が起きていた。 謎の怪物が現れて人を襲っているなどの目撃例が出ているようだ。 謎の黒い穴に入った若者が行方不明になったなどの事例も出ている。 そのころ拓朗は知ってか知らずか着実にレベルを上げて世界最強の探索者になっていた。 その後モンスターが街に現れるようになったら、狐の仮面を被りモンスターを退治しないといけないと奮起する。 その過程で他にもダンジョンで女子高生と出会いダンジョンの攻略を進め成長していく。 様々な登場人物が織りなす群像劇です。 主人公以外の視点も書くのでそこをご了承ください。 その後、七星家の七星ナナナと虹咲家の虹咲ナナカとの出会いが拓朗を成長させるきっかけになる。 ユキトとの出会いの中、拓朗は成長する。 タクロウは立派なヒーローとして覚醒する。 その後どんな敵が来ようとも敵を押しのける。倒す。そんな無敵のヒーロー稲荷仮面が活躍するヒーロー路線物も描いていきたいです。

処理中です...