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フカと謎の亀
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あの亀が一体いつからあそこにいたのかは分からないものの食べるものもほとんどなかったはずです。それであと三日もとなれば、大丈夫なのかどうか……
悲しむミコナに、
「オレが何とかしてやる! 要するに餌を届ければいいんだろう?」
フカが声を上げました。
「そうね。それしかないか」
ルリアもそう言って、冷蔵庫から鶏のささ身を出してきて、
「これ、食べてくれるかな」
と口にしました。
「取り敢えず試してみるしかないんじゃないかな」
ウルが言うと、
「そうでんな」
ティーさんが頷き、
「とにかくやってみようよ」
ガーも賛同しました。するとオウが、
「うむ! フカ、やってみろ!」
びしっと翼でフカを指差します。
「うっせ! オレに命令すんじゃねえ!」
フカも反発はしながらもルリアが渡した鶏のささ身を手に、リビングを出て行って家の外に出て、雨樋のパイプに飛び込み、貯水槽へと向かったのでした。
こうしてフカが貯水槽にもぐるとカメラのライトに照らし出された亀の姿が見えました。すると亀は、やっぱり貯水槽の中になぜかいた蛾のような虫を食べていました。どうやらたまに入ってくる虫などを食べて生き延びていたようですね。
大変にたくましいことです。
ただ、やっぱりそれだけでは足りないのか何だか痩せてるような印象もあります。
そこでフカは、持って来た鶏のささ身を亀の目の前に置きました。
だけど亀は警戒したのか頭を引っ込めてしまって。
「お願い、食べて」
ミコナがそう呟き、みんなが祈りながら見守る中、フカを離れて見守る中、五分くらいして亀はゆっくりと頭を出してきて、匂いを嗅いでいるのかそれとも食べられるかどうか確かめているのか鼻先を近付けてしばらくそうした後、ぱくっと食い付きます。
「やった! 食べてくれた!」
フカが持っていった鶏のささ身を、亀はパクパクと食べてくれました。たぶんお腹が減っていたんでしょう。たまに紛れ込んでくる虫だけじゃきっと足りなかったに違いありません。
「良かったあ……」
ミコナもホッとします。ハカセも、ルリアも、ウルもティーさんもガーもです。
オウだけは、
「うむ! 大儀である!」
とかいつものようにふんぞり返ってましたけど。
こうして、フカが餌を届けることで、何とか三日間を乗り切り、予定通り、役所が手配した業者が、貯水槽の清掃のついでに亀を救出してくれました。
と、その様子を見ていたフカが思ったんです。
『これ、前のメンテナンスの時に出入り口を開けっぱなしにしてて、それで亀が落ちたんじゃないのか?』
って。
実はフカのその推測が正解でした。近くの池に住んでいた亀が時々近所の家の庭に入ってきたりということは前からあって、そしてミコナの家の貯水槽のメンテナンスが行われてた時に、業者の人が開けっぱなしにしてたら亀が中に落ちてしまって、それを気付かずに閉めてしまったというのが真相だったんです。
悲しむミコナに、
「オレが何とかしてやる! 要するに餌を届ければいいんだろう?」
フカが声を上げました。
「そうね。それしかないか」
ルリアもそう言って、冷蔵庫から鶏のささ身を出してきて、
「これ、食べてくれるかな」
と口にしました。
「取り敢えず試してみるしかないんじゃないかな」
ウルが言うと、
「そうでんな」
ティーさんが頷き、
「とにかくやってみようよ」
ガーも賛同しました。するとオウが、
「うむ! フカ、やってみろ!」
びしっと翼でフカを指差します。
「うっせ! オレに命令すんじゃねえ!」
フカも反発はしながらもルリアが渡した鶏のささ身を手に、リビングを出て行って家の外に出て、雨樋のパイプに飛び込み、貯水槽へと向かったのでした。
こうしてフカが貯水槽にもぐるとカメラのライトに照らし出された亀の姿が見えました。すると亀は、やっぱり貯水槽の中になぜかいた蛾のような虫を食べていました。どうやらたまに入ってくる虫などを食べて生き延びていたようですね。
大変にたくましいことです。
ただ、やっぱりそれだけでは足りないのか何だか痩せてるような印象もあります。
そこでフカは、持って来た鶏のささ身を亀の目の前に置きました。
だけど亀は警戒したのか頭を引っ込めてしまって。
「お願い、食べて」
ミコナがそう呟き、みんなが祈りながら見守る中、フカを離れて見守る中、五分くらいして亀はゆっくりと頭を出してきて、匂いを嗅いでいるのかそれとも食べられるかどうか確かめているのか鼻先を近付けてしばらくそうした後、ぱくっと食い付きます。
「やった! 食べてくれた!」
フカが持っていった鶏のささ身を、亀はパクパクと食べてくれました。たぶんお腹が減っていたんでしょう。たまに紛れ込んでくる虫だけじゃきっと足りなかったに違いありません。
「良かったあ……」
ミコナもホッとします。ハカセも、ルリアも、ウルもティーさんもガーもです。
オウだけは、
「うむ! 大儀である!」
とかいつものようにふんぞり返ってましたけど。
こうして、フカが餌を届けることで、何とか三日間を乗り切り、予定通り、役所が手配した業者が、貯水槽の清掃のついでに亀を救出してくれました。
と、その様子を見ていたフカが思ったんです。
『これ、前のメンテナンスの時に出入り口を開けっぱなしにしてて、それで亀が落ちたんじゃないのか?』
って。
実はフカのその推測が正解でした。近くの池に住んでいた亀が時々近所の家の庭に入ってきたりということは前からあって、そしてミコナの家の貯水槽のメンテナンスが行われてた時に、業者の人が開けっぱなしにしてたら亀が中に落ちてしまって、それを気付かずに閉めてしまったというのが真相だったんです。
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