ミコナとかぷせるあにまるず

せんのあすむ

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それこそ不安しかない世界

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ハカセのオムツ替えは本当に丁寧で手際が良くて、ミコナもそんなに嫌がりません。

「う~、う~」

と嫌そうにはするんですけど、泣き喚いたりはしないんです。ハカセが、

「ごめんね、ちょっとだけ我慢してね」

穏やかに笑顔で話し掛けてミコナの気を引いてるからかもしれません。まだ目はよく見えてないはずですけど声はちゃんと聞こえてるみたいでハカセの顔の方に目を向けてくれています。

今のミコナにはハカセの姿はどう映っているんでしょう。

さっきも言ったとおり新生児は目はよく見えていないそうです。明るいとか暗いとかの区別がついてなんかぼんやりとした影が分かるくらいで。

だけど彼女からすればとても大きな得体のしれない何かには見えているでしょうね。

それでも、そこから聞こえてくるのはとても穏やかで柔らかい声。ぜんぜん怖そうなそれじゃないんです。だから不安が和らげられているのかも。

ハカセはとにかくミコナに不安を与えないように心掛けます。何しろミコナにとってこの世界は、何も分からない、自分では何もできない、それこそ不安しかない世界なんですから。

ただでさえそれなのにハカセやルリアがミコナを怖がらせてどうするんです? この世界に対しての恐怖心を植え付けてそれで何ができると言うんでしょう?

いろいろと大変なことがあるのは確かです。先史文明の頃よりはずっと平和で穏やかな世界になったとは言われてますけどそれでも嫌なことつらいことはもちろんあります。

でも、嫌なことつらいことがあっても普段は楽しくて穏やかな気持ちでいられれば嫌なことつらいことが過ぎ去ったらまた楽しくて穏やかな気持ちに戻れると思えませんか? 嫌なことつらいことが過ぎ去ってもまた嫌なことつらいことばかりの毎日に戻ると思ったら何もかもが嫌になってしまいませんか?

嫌なことつらいことをたくさん経験することでそういうのに耐えられる強い人になれるみたいなことを言う人もいますけど、ハカセにはそんな実感が全然ありませんでした。だって、いつも周りにつらいこと嫌なことばかりがある人っていっつもイライラしてて余裕がなくて少しも強そうに見えないんですから。

先史文明の頃にはすごくたくさんの事件があったと言われています。わずかに残っている書物とかからも毎日たくさんの人が事故や病気だけじゃなくて事件によって命を落としていたと分かるそうです。

どうしてそんなことになっていたんでしょう? そんな恐ろしい世界で生きてたらそれこそいつも嫌なことつらいことばっかりだったんじゃないでしょうか?

そんな世界だから、事件も多かったんじゃないでしょうか? 嫌なことつらいことをたくさん経験して強くなってるはずの人達がどうしてそんなことをするんでしょう?

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