ズルいチート勇者なんか好きになってあげないんだから!

せんのあすむ

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スケルトンドラゴン

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「まだ死ぬんじゃないぞ。ってか、そんな簡単に死ねないけどな」
 私を抱きかかえたドゥケがスッと顔を寄せてきた。私は状況が掴めなくて頭がパニックになってた。だからそのままでまたキスをされるまで何もできなかった。
 って、な、な、な、なにするのっ!?
 ドゥケの唇の感触に気付いてようやく私は正気に返った。けど、別の意味でまたパニックになってたかな。
 だけどそんな私にドゥケが言った
「善神バーディナムの<祝福>の簡易版だ。これで一回だけ、致命的なダメージを少しだけ和らげられる。何分かでも生き永らえられたら後はポメリアが治してくれる」
 って、…え? なにそれ…? どういうこと…?
 頭が混乱してる私をそっと地面に下ろすと、ドゥケは剣を構えてスケルトンドラゴンの前に立った。見ると、スケルトンドラゴンの口が半分くらいの長さになってた。ドゥケの剣で切られたんだ。それで私は助けられたらしい。
「俺様の可愛い子達を傷付けた罪は重いぞ! 万死に値する!!」
 はあ!? なに言ってんの…!?
 とか思ってる私の目の前で、襲い掛かるスケルトンドラゴンに対してドゥケが剣を振るい、爪の攻撃を切りはらい、反対側の爪も叩き切り、尻尾で攻撃しようとして体をひねったところで軸足を切り倒し、スケルトンドラゴンの体が地面へと崩れ落ちた。
 それでもスケルトンドラゴンは半分になった口でドゥケに噛み付こうとして、でもその頭は縦に真っ二つに切り裂かれたのだった。
 ドゥケの勝ちだ。すごく呆気ない幕切れだった。私達が十人でかかって勝てそうになかったのに、あいつは、たった一人で、何回か瞬きする間に、一撃も攻撃を食らうことなく、完膚なきまで叩き伏せてしまったのだ。
 途方もない光景に呆然としてる私の体からはいつの間にか痛みが消えてた。それどころか、スケルトンドラゴンの攻撃を受けて倒れてた騎士団員もみんな起き上がってた。
 それだけじゃない。馬車の中にいた、向こうの部隊の重傷者達も起き上がって、普通に馬車から降りてきた。
 ポメリアだ。馬車の後ろにいつの間にかポメリアとリデムが立ってた。そしてポメリアが私達を治してくれたんだ。
「リデムがスケルトンドラゴンのことを察知してね。もしかしてと思って転移の魔法で来てみたら案の定だったってことさ。間に合って良かった」
 なんて言いながら、ドゥケはスケルトンドラゴンの攻撃を受けて倒れてた団員の女の子達に次々とキスをしていってた。しかも団員達も嬉しそうにそれを受け入れてた。

 ぎゃーっ!! なんなのこの光景はーっ!?

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