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私が守る
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私の耳をごおごおと音を立てながらものすごい速さで空気が走り抜けていく。ううん、そうじゃないな。私とポメリアの体が空気を裂いて落下してるんだ。
目の前には真っ黒な世界。たぶん、森だと思う。
私はポメリアの体をしっかりと抱き寄せた。すると彼女も私を見てるのに気付いた。意識が戻ったんだ。
『ポメリアだけは守らなきゃ…!』
そんな思考が頭を駆け巡る。
怖い。そういう感覚はもちろんある。このまま落ちればきっと私もポメリアも死ぬだろう。だけど私はこの時、不思議なくらい冷静だった。
『ドゥケのキスの効果はまだ残ってる筈だ。この下が森なら、木の枝とかに引っかかって、即死は免れるかもしれない。その時にポメリアが無事なら、彼女が私を回復させてくれる…!』
だから私は、ポメリアの体をぐっと抱き締めて言った。
「あなたは…私が守るから…! ドゥケの代わりに私が守るから……!!」
そう言いながら地面に背を向け、ポメリアを包み込むようにして体を丸めた。私の体をクッションにして、彼女だけは守る……!
と、次の瞬間、これまでの人生の中で味わったことのない衝撃が私の体を襲った。無数の丸太で絶え間なく殴られるかのような感覚。いや、実際に私の体に木の枝がぶつかり、それをへし折りながらさらに落ちて行ってるんだ。
何だか、無限にも感じられたその一瞬が過ぎ、最後に体全体をどんっ!と激しく殴られたような気がした。地面に叩きつけられたのだと気付くには、しばらく時間を要した。
「シェリスタ! シェリスタ…!!」
すごく遠くでポメリアが必死に私を呼んでる気がした。でも私がその時思ったのは、
『ああ、ポメリアは無事だったんだね……』
という安心感だった。
それからしばらくして、体がふわりと浮きあがるような感じがして、徐々に頭がはっきりしてきた。
見上げると、ポロポロと涙をこぼしならポメリアが私を見てるのが分かった。
「ポメリア……無事で良かった……」
私が殆ど無意識にそう言うと、彼女は、
「シェリスタ! シェリスタ!!」
って、私の名前を何度も呼びながら抱きついてきた。
あたたかい……そうか、私も生きてるんだ。それが実感できると、ようやく意識が完全に戻った。
結果として、私は体中の骨が折れて臓物もぐちゃぐちゃになったらしいけど、ポメリアのヒールによってすぐさま回復させられたってことだった。ポメリア自身、私の体がクッションになったとはいえ地面に叩きつけられてた時には両足が折れたらしい。その痛みを我慢して、彼女はまず私にヒールを掛けてくれて、その上で自分を回復させたらしかった。
目の前には真っ黒な世界。たぶん、森だと思う。
私はポメリアの体をしっかりと抱き寄せた。すると彼女も私を見てるのに気付いた。意識が戻ったんだ。
『ポメリアだけは守らなきゃ…!』
そんな思考が頭を駆け巡る。
怖い。そういう感覚はもちろんある。このまま落ちればきっと私もポメリアも死ぬだろう。だけど私はこの時、不思議なくらい冷静だった。
『ドゥケのキスの効果はまだ残ってる筈だ。この下が森なら、木の枝とかに引っかかって、即死は免れるかもしれない。その時にポメリアが無事なら、彼女が私を回復させてくれる…!』
だから私は、ポメリアの体をぐっと抱き締めて言った。
「あなたは…私が守るから…! ドゥケの代わりに私が守るから……!!」
そう言いながら地面に背を向け、ポメリアを包み込むようにして体を丸めた。私の体をクッションにして、彼女だけは守る……!
と、次の瞬間、これまでの人生の中で味わったことのない衝撃が私の体を襲った。無数の丸太で絶え間なく殴られるかのような感覚。いや、実際に私の体に木の枝がぶつかり、それをへし折りながらさらに落ちて行ってるんだ。
何だか、無限にも感じられたその一瞬が過ぎ、最後に体全体をどんっ!と激しく殴られたような気がした。地面に叩きつけられたのだと気付くには、しばらく時間を要した。
「シェリスタ! シェリスタ…!!」
すごく遠くでポメリアが必死に私を呼んでる気がした。でも私がその時思ったのは、
『ああ、ポメリアは無事だったんだね……』
という安心感だった。
それからしばらくして、体がふわりと浮きあがるような感じがして、徐々に頭がはっきりしてきた。
見上げると、ポロポロと涙をこぼしならポメリアが私を見てるのが分かった。
「ポメリア……無事で良かった……」
私が殆ど無意識にそう言うと、彼女は、
「シェリスタ! シェリスタ!!」
って、私の名前を何度も呼びながら抱きついてきた。
あたたかい……そうか、私も生きてるんだ。それが実感できると、ようやく意識が完全に戻った。
結果として、私は体中の骨が折れて臓物もぐちゃぐちゃになったらしいけど、ポメリアのヒールによってすぐさま回復させられたってことだった。ポメリア自身、私の体がクッションになったとはいえ地面に叩きつけられてた時には両足が折れたらしい。その痛みを我慢して、彼女はまず私にヒールを掛けてくれて、その上で自分を回復させたらしかった。
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