ズルいチート勇者なんか好きになってあげないんだから!

せんのあすむ

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取り返しに行こう

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「おかえりシェリスタ。よく無事で戻ってくれたわね」
 ライアーネ団長にそう言って迎えられ、私はまた自分を抑えることができなかった。ポメリアを守ることができずにおめおめと戻ったことが許せなくて、情けなくて、自分の体を引き裂いてやりたい気分にさえなった。
 だけどそれは団長には見抜かれていて、
「シェリスタ。自分を責めるのはいいけれど、あなたを失うのは我が騎士団にとっては痛手よ。汚名を雪ぎたいと思うなら、戦場で雪ぎなさい」
「……はい…!」
 噛み締めるようにして私はそう応えるしかできなかった。
 そんな私を、ドゥケとリデムが静かに見守ってる。ポメリアのことは、二人にとっては家族を奪われたようなものなのに、それで私を責めるようなこともなかった。
 ドゥケが言った。
「君はよくやってくれたよ。本当ならドラゴンに攫われた時に終わっていたことなんだ。あの時、彼女を守り切れなかったのは俺だ。責任は俺にある。君がそれを感じる必要はない。
 それでももし、責任を感じてくれるなら、ポメリアの奪還に力を貸してほしい」
「……え……?」
 一瞬、言われた意味が分からなかった。奪還…? 誰を? ポメリアを? え…?
「俺とポメリアは、魂の一部を共有して繋がってるんだ。だからお互いに命に係わるようなことがあれば分かる。だが今はまだそういうのがない。あの子の魂のぬくもりが感じられる。大丈夫。ポメリアはまだ生きてるよ」
 その言葉に驚いたのは、私だけじゃなかった。と言うか、私以上に驚いてる人がいた。
「…ほんと…? ホントなのそれ…!?」
 アリスリスだった。
「私、リリナが死んだってどうしても思えなかった。助かるはずないって分かっててもそんな気がしなかった。リリナの感じが胸の中でするの。それって生きてるってこと!?」
 彼女の前に膝を付いて、自分の胸に手を触れて、
「この辺りに、ホワッとしたあたたかいものがあれば、それは君が魂の一部を共有してる巫女のそれだ」
 と告げると、アリスリスも自分の胸に手を当てて、
「分かる! あるよここに! じゃあ、リリナは生きてるんだね!?」
 って、飛び付かんばかりにドゥケに言った。
「ああ、その通りだ。だからこれから助けに行く。ようやくはっきりと彼女のいる場所が掴めたんだ。それは彼女が今、他のことは全て投げうってそれを伝えてきてるからだと思う。取り返しに行こう。俺たちの大切な仲間を」
 優しい目でそう語るドゥケに、アリスリスが吼える。
「行く! 行くよ!! リリナを助けに行く!!」
 その姿に、私も体の中にカアッと熱いものが噴き上がるのを感じたのだった。

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