ズルいチート勇者なんか好きになってあげないんだから!

せんのあすむ

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謁見

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「いや~! 強いな、お前!」
 アリスリスは嬉しそうにそう言って、鉄の芯だけになった鍛練用の剣をぶらぶらと振った。これ以上はさすがに危ないし、十分にお互いの力は分かった。
 体格の差で私の方が有利なだけで、アリスリスの力も改めてとんでもないものだって感じる。しかも体格で不利だと分かっているのに、まるで気にする様子がない。体は小さくても、精神が尋常じゃなくタフネスなんだ。だから自分より大きな相手にだってひるまずかかっていく。
 たった十一歳の女の子に拘わらず勇者としてリリナに見いだされたのは、そういう精神の強さがあったからなのかもしれない。
 魔族も魔王も、死すら恐れない鋼のメンタル。それをこんな小さな女の子が持ってるのを果たして喜んでいいんだろうかとは思ってしまった。
 でも、以前ほどは気にならない。私のメンタルも、勇者になったことで強くなったのかな。
 だけど、私とアリスリスはそれで納得できても、騎士団の仲間たちはそれどころじゃなかった。
 私たちの手合わせが終わったらしいのを見て、「うわ~っ!」って感じで集まってくる。
「シェリスタ! どうしちゃったの急に!?」
「あなたも勇者だったの!?」
「勇者って誰でもなれるものなの!?」
「どうやって勇者になったの!?」
 とか何とか、質問攻めに。
 だけどその時、ライアーネ様だけは興奮しながらも静かに思案して、何か大きく頷くのが見えた。



 そして夕方。私とティアンカはライアーネ様に連れられて陛下に謁見することになった。
 当然か。私は今、勇者なんだから。
「おお! お前が新しい勇者か!」
 興奮した陛下の声が、膝をつき頭を下げた私に届いてくる。子供のような声が。
 ううん。本当に子供なんだ。何故なら陛下は、まだ、十歳だから。
 陛下の父上であられる前国王陛下が突然崩御されて、僅か十歳の陛下が即位なさることになって半年。このお年で大変な責務を負わされることとなった陛下の為に、私は力の限りを尽くすと誓った。まさに今、それにふさわしい力を私は手に入れたんだ。
 不思議と、バーディナムへの不信感も、ティアンカへの嫌悪感も、気にならないほどに小さくなってたのも感じた。もしかしたらそれ自体が、<バーディナムによって何かされた>ってことなのかもしれなくても、今はどうでもよかった。
「青菫《あおすみれ》騎士団の士気も高く! 神妖精しんようせい族の巫女らも癒え! そしてまた新たな勇者の降臨! これぞまさに天啓である! 余はここに、誇り高き貴公らに改めて魔王討伐を命令する!」
「ははっ! この身命にかけましても、陛下の信頼に応えて御覧に入れます!」

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