17 / 159
はじまり17
しおりを挟む
~刻~
「少し、みせてもらってもいいですか?」
一拍おいて、ソウがシキに聞きます。
どうぞ、と気楽にソウの手に時計を渡しました。
真剣な表情で、紋章を調べ、木の木目を確かめます。
紐としてついている皮は、相当古いものだということが
わかりました。
「これは、一体いつもらったのかご存知ですか?」
考え込むようなしぐさで、宙をにらんでから肩をすくめました。
「悪いけど、さっぱりわからないよ」
なにしろ、お爺さんが小さい頃からすでに、ここにあったのだという
からです。
「私も見せてもらっていいかしら」
「もちろん」
ソウから受け取って、クローディアも時計を眺めます。
裏に描かれている大きな鳥の紋章は、クローディアにも
おぼえがありました。
ずいぶん古い昔に、金の鳥から白い鳥に紋章を変えると
宣言した王様の私物でした。
王家のものには、すべて鳥の紋章が入っています。
今でこそ、白い鳥となってしまいましたが、
その前までは、金の鳥で描かれていたのです。
その時の王様がこの靴屋に?
確証はありませんが、そうとしか思えません。
詳しく聞いてみようとクローディアが時計をひっくり返した時、
チッ…チッ…と音がしました。
木時計から音がします。
よく見てみると、小さな音をたてながら、わずかに
時計の針が動いているのが目に入りました。
驚いて、時計を元の机の上に置きます。
しかし、時計が止まることはありませんでした。
クローディアが手にしてから、規則正しい音をたてて、
時計の針はゆっくりと時を刻み始めたのです。
そろりと隣にいるシキとソウを見ます。
二人は話に夢中で、時計が動いたことに気づいていないようでした。
つづく
「少し、みせてもらってもいいですか?」
一拍おいて、ソウがシキに聞きます。
どうぞ、と気楽にソウの手に時計を渡しました。
真剣な表情で、紋章を調べ、木の木目を確かめます。
紐としてついている皮は、相当古いものだということが
わかりました。
「これは、一体いつもらったのかご存知ですか?」
考え込むようなしぐさで、宙をにらんでから肩をすくめました。
「悪いけど、さっぱりわからないよ」
なにしろ、お爺さんが小さい頃からすでに、ここにあったのだという
からです。
「私も見せてもらっていいかしら」
「もちろん」
ソウから受け取って、クローディアも時計を眺めます。
裏に描かれている大きな鳥の紋章は、クローディアにも
おぼえがありました。
ずいぶん古い昔に、金の鳥から白い鳥に紋章を変えると
宣言した王様の私物でした。
王家のものには、すべて鳥の紋章が入っています。
今でこそ、白い鳥となってしまいましたが、
その前までは、金の鳥で描かれていたのです。
その時の王様がこの靴屋に?
確証はありませんが、そうとしか思えません。
詳しく聞いてみようとクローディアが時計をひっくり返した時、
チッ…チッ…と音がしました。
木時計から音がします。
よく見てみると、小さな音をたてながら、わずかに
時計の針が動いているのが目に入りました。
驚いて、時計を元の机の上に置きます。
しかし、時計が止まることはありませんでした。
クローディアが手にしてから、規則正しい音をたてて、
時計の針はゆっくりと時を刻み始めたのです。
そろりと隣にいるシキとソウを見ます。
二人は話に夢中で、時計が動いたことに気づいていないようでした。
つづく
0
あなたにおすすめの小説
レオナルド先生創世記
ポルネス・フリューゲル
ファンタジー
ビッグバーンを皮切りに宇宙が誕生し、やがて展開された宇宙の背景をユーモアたっぷりにとてもこっけいなジャック・レオナルド氏のサプライズの幕開け、幕開け!
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる