はじまり

天鳥そら

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はじまり25

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~別荘~ 


クローディアのいるこの国では、年に一度、大きな祭典があります。 
準備は、二ヶ月前から行い、祭りも七日間と大規模なものです。 
その七日の間に、3日間、聖なる式典というものがあります。 
この3日間は、王族でさえも王宮を留守にして、 
各地で行われている式典に参加します。 

王様も王妃様も例外ではありません。 
それどころか、毎年あらゆる都市をまわって、町の人たちと 
交流することを楽しみにしていました。 

もちろん、毎年すべてをまわることはできませんので、 
王族の中で、持ち場を割り振ります。 

クローディアとソウも本来であれば、王族の者として、 
式典を執り行う義務があります。 
しかし、まだ成人していないので、王宮のある王都の 
式典に顔を出す程度でありました。 

ソウとクローディアは、王族が視察や式典などで町に 
長期滞在することのできる宿に泊まっていました。 
王族以外にも身分の高い他国の要人が、こぞって 
利用します。 

他にも王族貴族のプライベートに利用するホテルが 
いくつかありました。 
小規模な別荘のようなものです。 

ソウ自身、国を背負うものとして、町での視察がスムーズに 
進むようにと、個人財産としていくつか持っていました。 

「ソウって趣味がいいわよね」 

海からただよう潮風に目を細めて、クローディアは笑います。 
いっけん、民宿のようにみえますが、見るものが見れば 
建物の造りがとても特殊なものであるとわかります。 

いざというときの抜け道や、隠れる場所、侵入者を撃退するためのものなど 
建物の中には、いろんな細工が施されているのでした。 

「ありがとう」 

にっこり笑って、ティーカップをクローディアに手渡します。 
華美ではないものの、ひとの心を落ち着かせてくれるような 
木の香りや、鮮やかに咲く草花の色彩にほっと息をつくのでした。 


つづく 

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