はじまり

天鳥そら

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はじまり52

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~道~ 


それはそれは綺麗な満月が、夜空を煌々と照らす時分に、 
クローディアとソウとヨウメイは王宮の地下を走っていました。 
ソウに手を引かれて、気味の悪い地下通路を急いで通り抜けます。 
いくつかの岐路をまがり、地下水が流れる音を聞きながら、 
クローディアは口を開きました。 

「お城にこんなものがあるなんて、知らなかったわ」 

「城の機能の一つに、要塞があるのですよ」 

あなたのお兄さんに感謝するんですね、とヨウメイが息を 
切らさぬままに答えます。 

「趣味でして」 

ソウは簡潔に答えて、先を急ぎます。 
その昔、戦乱の世であった時、この城は要塞として建てられました。 
王を侵略者から守り、何かあった時には無事に逃がすために 
多くのからくりが仕組まれています。 

ソウは、迷路のような地下通路や、部屋のいたるところにある不思議な扉など、 
王宮内のすべてを熟知していたのでした。 

クローディアが休む前、必ず侍女が挨拶に伺います。 
その時、クローディアは大胆にも王宮をでると告げました。 
それから、ベッドにくくりつけたシーツをつたって、 
いかにもベランダから逃げ出したように見せかけたのでした。 

実際クローディアは、ベランダの脇から降りたようにみせかけて、 
侍女から死角になる位置に身を潜めます。 

ベランダのそばにある小さな扉を開いて、中に入り、 
別の部屋へとでました。 
そこで、急いで衣服を着替え、また別の扉を開きます。 

侍女は困惑し、当然王様に知らせに行きます。 
侍女の話を聞いた王様は急いで、家臣を集め、 
国中に兵をばらまきました。 

『外に目を向けさせるんだ』 

キールは、わざと騒ぎをおこして、そのどさくさに 
二人を秘密の地下通路から逃がす計画でした。 
王宮の地下通路は、当然海から外に逃げられるようにも 
なっています。 
そこで、シキと数人の乗組員が待っているはずでした。 


つづく 

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