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第二部 はじまりは美しい7
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~名前~
“美しいひと”は、軽やかなステップで、小道を駆け降りました。
寄せては引いていく波の音を聞きながら、夜空から降ってきそうな
満天の星空の下を歩きます。
屋敷からあまり離れてしまわないよう気をつけて、大きな岩の上に
腰をおろしました。
ゆるやかな潮風に、“美しいひと”の髪がなびいています。
ぼんやりと、月の光をあびながら海を眺めていると、
どこからか歌声が聞こえてきました。
優しく柔らかな旋律が、海の音にまじって聞こえます。
その歌声とともに人の話し声もぽつりぽつりと聞こえました。
きょろきょろとあたりを見回して、岩の上から海岸を覗き込みます。
どうやら、二人の男女がいるようです。
1人は男性で、岩に腰をおろしていました。
もう1人は、女性のようですが、奇妙なことに気づきました。
海の中から、顔をだしているのです。
歌を歌っているのは、女性でした。
なぜ、海の中にいるのかしらと疑問に思ったところで、
海から大きな尾がでているのがみえました。
「あれは…」
「人魚だね」
自分以外の声に驚いて、後ろを振り向きました。
月の光に照らされて、青年が笑っています。
「あなた…」
「無茶をするね」
何も言わずに、“美しいひと”に肩掛けを差し出しました。
「怒らないの?」
「怒ってほしい?」
心底驚いたような“美しいひと”の肩に、肩掛けをかけます。
それから、青年は“美しいひと”の隣に立ちました。
「あの…あなた…」
「リクだよ」
紹介された時、ちゃんと聞いてなかっただろうと楽しそうに笑いました。
“美しいひと”は、恥じ入るようにうつむいて、ごめんなさいと謝ります。
自分の横に立った青年の顔を眺めて、“美しいひと”は口を開きました。
「あの…」
ん?と青年は、“美しいひと”の方へと視線を向けます。
楽しそうに微笑みながら、話の続きを促します。
その笑顔に勇気づけられて、“美しいひと”は言葉を紡ぎました。
「私、ルエラよ」
肩掛けをありがとうと、顔をほころばせました。
ルエラの言葉に一瞬、きょとんとしたものの
青年は笑顔で、片手をさし出しました。
「うん、よろしく」
差し出された青年の手はあたたかく、
ルエラはほんの少し嬉しい気持ちになりました。
つづく
“美しいひと”は、軽やかなステップで、小道を駆け降りました。
寄せては引いていく波の音を聞きながら、夜空から降ってきそうな
満天の星空の下を歩きます。
屋敷からあまり離れてしまわないよう気をつけて、大きな岩の上に
腰をおろしました。
ゆるやかな潮風に、“美しいひと”の髪がなびいています。
ぼんやりと、月の光をあびながら海を眺めていると、
どこからか歌声が聞こえてきました。
優しく柔らかな旋律が、海の音にまじって聞こえます。
その歌声とともに人の話し声もぽつりぽつりと聞こえました。
きょろきょろとあたりを見回して、岩の上から海岸を覗き込みます。
どうやら、二人の男女がいるようです。
1人は男性で、岩に腰をおろしていました。
もう1人は、女性のようですが、奇妙なことに気づきました。
海の中から、顔をだしているのです。
歌を歌っているのは、女性でした。
なぜ、海の中にいるのかしらと疑問に思ったところで、
海から大きな尾がでているのがみえました。
「あれは…」
「人魚だね」
自分以外の声に驚いて、後ろを振り向きました。
月の光に照らされて、青年が笑っています。
「あなた…」
「無茶をするね」
何も言わずに、“美しいひと”に肩掛けを差し出しました。
「怒らないの?」
「怒ってほしい?」
心底驚いたような“美しいひと”の肩に、肩掛けをかけます。
それから、青年は“美しいひと”の隣に立ちました。
「あの…あなた…」
「リクだよ」
紹介された時、ちゃんと聞いてなかっただろうと楽しそうに笑いました。
“美しいひと”は、恥じ入るようにうつむいて、ごめんなさいと謝ります。
自分の横に立った青年の顔を眺めて、“美しいひと”は口を開きました。
「あの…」
ん?と青年は、“美しいひと”の方へと視線を向けます。
楽しそうに微笑みながら、話の続きを促します。
その笑顔に勇気づけられて、“美しいひと”は言葉を紡ぎました。
「私、ルエラよ」
肩掛けをありがとうと、顔をほころばせました。
ルエラの言葉に一瞬、きょとんとしたものの
青年は笑顔で、片手をさし出しました。
「うん、よろしく」
差し出された青年の手はあたたかく、
ルエラはほんの少し嬉しい気持ちになりました。
つづく
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