はじまり

天鳥そら

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第二部 はじまりは美しい11

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~外~

お父様が美しい屋敷へと帰ってしまってから、ルエラは部屋へと戻りました。 
まずは、綺麗に結い上げた髪をときました。
美しい髪飾りもすべてとり、櫛で髪をすきます。 

先ほどまで着ていた美しいドレスも脱ぎ、腰につけていたコルセットもとりました。 
首飾り、ブレス、耳飾りもすべて取り外します。 

少し迷ってから、空色のワンピースを取り出しました。 
膝下まであるスカートの裾から、ほんの少し白いレースが顔をのぞかせています。 
髪は、軽くみつあみにしました。 
はいていた窮屈なヒールの高い靴も脱ぎ、比較的低い靴にはきかえます。 
化粧を取って顔を洗うととてもさっぱりしました。 

そのまま廊下にでて、外へ行こうとすると屋敷の主人に呼び止められました。 

「一体どこへ行くんだい?」 

振り返ってにこやかに笑う主人に答えます。 

「ちょっとお庭にでたいの」 

「庭だけ?」 

そう切り返されて、ルエラは言葉につまってしまいました。
本当は屋敷を囲う森の中や小道を降りて海岸を歩きたいと考えていたからです。 
ルエラの様子をみて困ったように、ため息をつきます。 

「外に行くのは構わない。けれど、一人であまり遠くへは行かないでほしい」 

わかるね?と屋敷の主人に言われて、ルエラは黙ってしまいました。 
それでも屋敷の主人の言いたいことは、わかったので、ルエラは不承不承うなづきます。 

「わかったわ」 

少し気落ちしながら、お辞儀をして玄関へと向かいます。 

庭から海を眺めるのもいいかもしれない、そんな風に思い直して、
玄関の扉に手をかけた時、誰かが肩を叩きました。 

驚いて振り向くと目の前に、帽子がさしだされます。 

「少し散歩をするけど、君も一緒に行く?」 

にっこり笑う青年に、ルエラは輝く笑顔を向けました。 
帽子を受け取り、頭にすっぽりとかぶります。 

「ええ、ぜひ」 

二人は肩を並べて、扉の外へとでていきました。 


つづく
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