はじまり

天鳥そら

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第二部 はじまりは美しい37

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~旅立ち~ 


白く輝く真昼の太陽が、青い海の波間にはじきます。
まるで真珠の首飾りが連なって、時折宙に飛び出して、
青い空の中で、きらりと光ります。

いくつもいくつもあがる波しぶき、穏やかに、時に激しく打ち寄せる海岸に、
多くの人たちがつめかけていました。

船着き場に、とても大きな船がとまっているからです。
まずは、その船の大きさに驚き、次にこの町出身の小さな店を営む商人のものだということに驚きました。

顔馴染みの商人が、これほどまでに大きく成長するとは誰も思っていませんでした。

立派な船だと眺めていると、リンゴーン、リンゴーンと教会の鐘が町中に響き渡ります。

その鐘の音とともに、一組の花嫁と花婿が現れました。
森に囲まれた屋敷があります。

その屋敷は、切り立った崖にありますが、脇には海岸に降りる小道があります。
その小道を花嫁と花婿が降りてくるのです。
靴やドレスが泥に汚れますが、花嫁は輝く笑顔です。

そのまま降りてくると、呆然とこちらを眺める町の人たちににっこり笑って、
ブーケを投げました。
そのまま通りすぎると、大きく立派な船に花婿ともども乗り込みます。

船と陸つなぐ橋をゆっくりと渡り、花嫁が渡りきると橋は取り払われてしまいました。

船首に花婿と花嫁が現れます。誰かが小さく拍手をしました。
その音がさざ波のように伝わり、大きな祝福の拍手となります。

花嫁花婿は、照れたように笑って大きく手をふりました。
森と大地と人々の拍手に見送られ、風と共に大海原へとこぎだします。
頭上では、強く輝く太陽が二人の門出を祝うかのように照らしていました。


つづく
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