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第三部幸福のひと24
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~めまい~
強く左腕を掴まれて、驚いて振り向きます。
「さが…した。」
そこには、苦しそうに呼吸をするリクの姿がありました。
リクの左手には、お面があります。
汗びっしょりの銀髪と緑の瞳が心配そうにゆがんでいるのを
みて、ルエラはほっとしました。
一瞬ですが、先ほどの男性かと思ったからです。
ルエラもお面をとります。
気づけば、まわりのみんなもすでにお面を取っていました。
ほっとしたからでしょうか。ルエラは、めまいを感じました。
少し頭もズキズキしているようです。
なぜか、足が震えてふんばりがききませんでした。
よろけるようにして、リクの胸に飛び込み、
さっき自分の身に起きた不思議な体験を話そうとしました。
「あの、私、あのね」
いまだ息の整わないリクが、額の汗をぬぐってルエラをみます。
リクの緑の瞳をみながら、なんとか言葉にしようとしました。
「おなかがすいたわ」
一生懸命探した言葉は、するりとどこかへ逃げ去って、
でてきた言葉はなんの変哲もないものでした。
リクはきょとんとしてから、楽しそうに笑います。
「うん、僕もだ。」
今日は暑いから水分も取った方がいいね、とルエラの手を引いて
屋台の方へと向かいます。
リクに手を引かれて歩くうちに足の震えがおさまってきました。
頭の痛みが徐々にやわらいできます。
それと同時に、先ほどの出来事も最初からなかったことのように
白く淡い霞となって消えていきました。
つづく
強く左腕を掴まれて、驚いて振り向きます。
「さが…した。」
そこには、苦しそうに呼吸をするリクの姿がありました。
リクの左手には、お面があります。
汗びっしょりの銀髪と緑の瞳が心配そうにゆがんでいるのを
みて、ルエラはほっとしました。
一瞬ですが、先ほどの男性かと思ったからです。
ルエラもお面をとります。
気づけば、まわりのみんなもすでにお面を取っていました。
ほっとしたからでしょうか。ルエラは、めまいを感じました。
少し頭もズキズキしているようです。
なぜか、足が震えてふんばりがききませんでした。
よろけるようにして、リクの胸に飛び込み、
さっき自分の身に起きた不思議な体験を話そうとしました。
「あの、私、あのね」
いまだ息の整わないリクが、額の汗をぬぐってルエラをみます。
リクの緑の瞳をみながら、なんとか言葉にしようとしました。
「おなかがすいたわ」
一生懸命探した言葉は、するりとどこかへ逃げ去って、
でてきた言葉はなんの変哲もないものでした。
リクはきょとんとしてから、楽しそうに笑います。
「うん、僕もだ。」
今日は暑いから水分も取った方がいいね、とルエラの手を引いて
屋台の方へと向かいます。
リクに手を引かれて歩くうちに足の震えがおさまってきました。
頭の痛みが徐々にやわらいできます。
それと同時に、先ほどの出来事も最初からなかったことのように
白く淡い霞となって消えていきました。
つづく
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