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第三部幸福のひと25
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~大掃除~
ルエラとリクが借りている庭付きの小さな家が、
今日は朝から大忙しでした。
「ルエラ、これは船に積むものだね?」
「そうよ」
ひもでしばった小さな木箱をさして叫ぶリクに、
ルエラは返事をします。
数名の乗組員とともに、荷物の運び出しと部屋の大掃除を
していました。
ルエラと赤ん坊のミクの体調が整ったので、
数日後にはこの国を離れます。
一か月ほど前から、荷物をまとめ絨毯のクリーニングや
壁の張り替え、床の掃除等進めてきました。
船の中にも荷物を運びいれ、乗組員が交代ですでに
乗り込み、準備を進めてくれています。
もともと家具つきの貸家でしたし、食器などは船のものを
そのまま使っていたので、それほど大変ではありません。
荷を運ぶたびに、最初に来た頃の借家へと戻っていきます。
当時のことを思い出して、ルエラはほんのりと微笑みます。
出産を控え、知らない土地、初めて触れる文化、とにかく初めてのことばかりで内心不安でした。
それでも、良い隣人に恵まれ、新しい土地になじむことは
ちっとも苦ではありませんでした。
ここに越してきたばかりの頃、小さな庭の片隅に埋めた
木を眺めます。
まるい黄色の実をジャムにして、ルエラは船に積んでいくことにしました。
「木はもっていけないものね」
少し寂しそうに呟いて、玄関でルエラを呼ぶリクの方へと
ゆっくり歩いて行きました。
つづく
ルエラとリクが借りている庭付きの小さな家が、
今日は朝から大忙しでした。
「ルエラ、これは船に積むものだね?」
「そうよ」
ひもでしばった小さな木箱をさして叫ぶリクに、
ルエラは返事をします。
数名の乗組員とともに、荷物の運び出しと部屋の大掃除を
していました。
ルエラと赤ん坊のミクの体調が整ったので、
数日後にはこの国を離れます。
一か月ほど前から、荷物をまとめ絨毯のクリーニングや
壁の張り替え、床の掃除等進めてきました。
船の中にも荷物を運びいれ、乗組員が交代ですでに
乗り込み、準備を進めてくれています。
もともと家具つきの貸家でしたし、食器などは船のものを
そのまま使っていたので、それほど大変ではありません。
荷を運ぶたびに、最初に来た頃の借家へと戻っていきます。
当時のことを思い出して、ルエラはほんのりと微笑みます。
出産を控え、知らない土地、初めて触れる文化、とにかく初めてのことばかりで内心不安でした。
それでも、良い隣人に恵まれ、新しい土地になじむことは
ちっとも苦ではありませんでした。
ここに越してきたばかりの頃、小さな庭の片隅に埋めた
木を眺めます。
まるい黄色の実をジャムにして、ルエラは船に積んでいくことにしました。
「木はもっていけないものね」
少し寂しそうに呟いて、玄関でルエラを呼ぶリクの方へと
ゆっくり歩いて行きました。
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