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【プレイヤー 編】
ひとだかり
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なぜ、このような人だかりが出来たのかは分からないが、もしかしたら青年剣士の一言で集まった者たちなのかもしれない。お祭り騒ぎが好きなプレイヤーにとっては、良くあるとこなのだ。
「よーし! 良い返事だ。では、まず俺様の率いる最強かつ、愉快な仲間たちを紹介してやる。友よ……さあ、こちらへ」
青年剣士に歩み寄り他三名のメンバーが横並びする。どの辺りが愉快な仲間かは別として、集まったメンバーは紛れもなく強者だということは、しれっと眺める米子からでも分かった。
この世界において、見た目だけで他人の強さを測ることは難しい。他のゲームとは違い、他人のステータス表示なるものを確認できないからである。
そしてレベルという概念さえ存在しないことからも難しいと言えよう。
相手の強さを測るには自ら決闘を挑むか、適当なモンスターを倒してもらう方法が一番手っ取り早い。他に自己申告という手もあるが、そこを信用できるかはプレイヤー次第となる。
では、なぜ米子は見だけで強者と分かったのか。
べつに「こ、こいつの剣気をみろ!」とか言ってしまう禍々しいオーラなど出てはいない。勿論、何処かのM字ッパゲが所持する「戦闘力、二か……ゴミめ!」などの構造を疑ってしまいそうなほど、いいだけ暴れても絶対外れないくせに、高い戦闘力だけで壊れてしまう片眼鏡もない。
只々、装備が強そうだったから――それだけのことである。
仮に、経験値に余裕があったとしても、米子には到底及ばない装備品ゆえの強さ。
「まずは、こいつ。前頭二枚目こと力士山。斧戦士だ! 力士山の斧は巨大な岩をも軽々と粉砕する。すげぇだろ? ……まあ、俺様の剣技には敵わないがな」
「うっす! 自分は、ただ力の限り頑張るだけッス、からっ!」
始めに紹介された男は、それほど暑くもないのにダラダラと汗をかきながら、勝利者インタビューのテンプレみたいな挨拶をした。
わかりやすく名前に力士と付け、それだけだと力士っぽくないから山を加えちゃった男『力士山』。
その通称で呼ばれることはないだろうが、彼曰く前頭二枚目らしい。何ゆえ知名度の高い横綱とかにしなかったのか聞きたいところ。
中途半端すぎて相撲をしらない輩にとっては理解に苦しむだろう。因みに、容姿は名の通り太めで巨体、だが二枚目と称される男ではないだろう。
「みんな待たせたな。次は女性陣の紹介をしよう」
「「「「「待ってました! やったぜ、兄貴! ヒャッホーウ! 結婚して下さいっ!」」」」」
最後の方でプロポーズした者含め、女性というだけで”どえらい”騒ぎ様。
名古屋弁でいうところのデラ又はドラ騒がしい。
更には”どえりゃら”と豪華三点盛り。
そんな話はどうでも良いのだが、常備タオルが手放せない力士山の存在価値は皆無である。
テンションも急上昇し、更に盛り上がるプレイヤーたちを「諸君! まあまあ落ち着け!」と言わんばかりに両手を軽く縦に振る青年剣士。
「ご紹介しよう。火属性魔法の達人紅ネコだ! ベニネコって呼んでる。少しばかり気が弱いところはあるが、一度でもキレたら何でも燃やし尽くすぜ? ……まあ、俺様の剣技には敵わないがな」
「よ、よろしく、おぬっ! ぬぬぬぬぬ――――ッ!」
ベニネコは、極度の緊張から血が吹き出るほど舌を噛んでしまったようだ。
「「「「「乳、揺れまくりだぜ! ありがとう、兄貴! ヒャッホーウ! 本当お願いします!」」」」」
ベニネコがもうこれ以上の会話を続けることは困難を極めるため、即退場。
彼女のアバターはヒューマン。
真紅に染まった髪は、炎の魔法使いに相応しい色。中身のプレイヤーはどうなのか知り得ることは出来ないが、その容姿は幼いが、ダイナマイト&ダイナミック。何がダイナマイトかは言わずしても分かるはず。
ヒューマンである長所はないが、それとは逆に短所もない。良くもなく悪くもなく、言わば普通の種族。
「そして、もうひとり。水属性ならお任せあれ! あまり喋らない女レイカだ! 影は薄いが、レイカの魔法は絶対零度だぜ? ……まあ、俺様の剣技には敵わないがな、フッ」
(剣士さん。毎回毎回、最後に自分の強さをアピールする必要性あるの?)
「…………です」ペコリ。
「「「「「美しいぜェエ! やったぜ、兄貴! ヒャッホーウ! か、可憐だ……ッ!」」」」」
レイカのアバターはエルフ。エルフの特徴は、知力や器用さが高いことから、魔法攻撃と弓が大の得意。遠距離攻撃に特化し、その分体力は低めに設定されている。
エルフはヒューマンより平均身長は高くスリムな体型が主流である。
彼女が眼鏡をかけているのは、お洒落のつもりなのか。もしかするとリアルで眼鏡を使用しているのかもしれない。
「最後はやはり主役の俺様を紹介してやろう。皆が知っての通り俺様は強い! 以上」
(――手短か)
青年剣士の紹介は短かったが、これほどまで多くのプレイヤーをこの場に集めた実力は認めざるを得ない。彼の知名度が高いからこそ、とくに紹介する必要性を感じなかったのだろう。
そして、彼が自信過剰な性格であることも見て分かる。
「さて、このまま先に進めたいところだが、実は本当はもう一人いる。そろそろ来ているはず、だが? ――さあ、姿を見せてもらおうか」
(はい? ここで、わたしを呼ぶ……と?)
「よーし! 良い返事だ。では、まず俺様の率いる最強かつ、愉快な仲間たちを紹介してやる。友よ……さあ、こちらへ」
青年剣士に歩み寄り他三名のメンバーが横並びする。どの辺りが愉快な仲間かは別として、集まったメンバーは紛れもなく強者だということは、しれっと眺める米子からでも分かった。
この世界において、見た目だけで他人の強さを測ることは難しい。他のゲームとは違い、他人のステータス表示なるものを確認できないからである。
そしてレベルという概念さえ存在しないことからも難しいと言えよう。
相手の強さを測るには自ら決闘を挑むか、適当なモンスターを倒してもらう方法が一番手っ取り早い。他に自己申告という手もあるが、そこを信用できるかはプレイヤー次第となる。
では、なぜ米子は見だけで強者と分かったのか。
べつに「こ、こいつの剣気をみろ!」とか言ってしまう禍々しいオーラなど出てはいない。勿論、何処かのM字ッパゲが所持する「戦闘力、二か……ゴミめ!」などの構造を疑ってしまいそうなほど、いいだけ暴れても絶対外れないくせに、高い戦闘力だけで壊れてしまう片眼鏡もない。
只々、装備が強そうだったから――それだけのことである。
仮に、経験値に余裕があったとしても、米子には到底及ばない装備品ゆえの強さ。
「まずは、こいつ。前頭二枚目こと力士山。斧戦士だ! 力士山の斧は巨大な岩をも軽々と粉砕する。すげぇだろ? ……まあ、俺様の剣技には敵わないがな」
「うっす! 自分は、ただ力の限り頑張るだけッス、からっ!」
始めに紹介された男は、それほど暑くもないのにダラダラと汗をかきながら、勝利者インタビューのテンプレみたいな挨拶をした。
わかりやすく名前に力士と付け、それだけだと力士っぽくないから山を加えちゃった男『力士山』。
その通称で呼ばれることはないだろうが、彼曰く前頭二枚目らしい。何ゆえ知名度の高い横綱とかにしなかったのか聞きたいところ。
中途半端すぎて相撲をしらない輩にとっては理解に苦しむだろう。因みに、容姿は名の通り太めで巨体、だが二枚目と称される男ではないだろう。
「みんな待たせたな。次は女性陣の紹介をしよう」
「「「「「待ってました! やったぜ、兄貴! ヒャッホーウ! 結婚して下さいっ!」」」」」
最後の方でプロポーズした者含め、女性というだけで”どえらい”騒ぎ様。
名古屋弁でいうところのデラ又はドラ騒がしい。
更には”どえりゃら”と豪華三点盛り。
そんな話はどうでも良いのだが、常備タオルが手放せない力士山の存在価値は皆無である。
テンションも急上昇し、更に盛り上がるプレイヤーたちを「諸君! まあまあ落ち着け!」と言わんばかりに両手を軽く縦に振る青年剣士。
「ご紹介しよう。火属性魔法の達人紅ネコだ! ベニネコって呼んでる。少しばかり気が弱いところはあるが、一度でもキレたら何でも燃やし尽くすぜ? ……まあ、俺様の剣技には敵わないがな」
「よ、よろしく、おぬっ! ぬぬぬぬぬ――――ッ!」
ベニネコは、極度の緊張から血が吹き出るほど舌を噛んでしまったようだ。
「「「「「乳、揺れまくりだぜ! ありがとう、兄貴! ヒャッホーウ! 本当お願いします!」」」」」
ベニネコがもうこれ以上の会話を続けることは困難を極めるため、即退場。
彼女のアバターはヒューマン。
真紅に染まった髪は、炎の魔法使いに相応しい色。中身のプレイヤーはどうなのか知り得ることは出来ないが、その容姿は幼いが、ダイナマイト&ダイナミック。何がダイナマイトかは言わずしても分かるはず。
ヒューマンである長所はないが、それとは逆に短所もない。良くもなく悪くもなく、言わば普通の種族。
「そして、もうひとり。水属性ならお任せあれ! あまり喋らない女レイカだ! 影は薄いが、レイカの魔法は絶対零度だぜ? ……まあ、俺様の剣技には敵わないがな、フッ」
(剣士さん。毎回毎回、最後に自分の強さをアピールする必要性あるの?)
「…………です」ペコリ。
「「「「「美しいぜェエ! やったぜ、兄貴! ヒャッホーウ! か、可憐だ……ッ!」」」」」
レイカのアバターはエルフ。エルフの特徴は、知力や器用さが高いことから、魔法攻撃と弓が大の得意。遠距離攻撃に特化し、その分体力は低めに設定されている。
エルフはヒューマンより平均身長は高くスリムな体型が主流である。
彼女が眼鏡をかけているのは、お洒落のつもりなのか。もしかするとリアルで眼鏡を使用しているのかもしれない。
「最後はやはり主役の俺様を紹介してやろう。皆が知っての通り俺様は強い! 以上」
(――手短か)
青年剣士の紹介は短かったが、これほどまで多くのプレイヤーをこの場に集めた実力は認めざるを得ない。彼の知名度が高いからこそ、とくに紹介する必要性を感じなかったのだろう。
そして、彼が自信過剰な性格であることも見て分かる。
「さて、このまま先に進めたいところだが、実は本当はもう一人いる。そろそろ来ているはず、だが? ――さあ、姿を見せてもらおうか」
(はい? ここで、わたしを呼ぶ……と?)
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