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第1章
拾い物はギルドへ
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紆余曲折あったけれども、いつの間にかDランクになっていた私だ。
何を言っているかは分かるだろうが、過程は説明しない。
そして拾い物をした。
うん、こういう時はギルドに持っていくのが正解だろう。
という事で、サクッと周りを片付けて、ギルマスを呼んでもらった。
あれ以降、私の持ってくる話は優先的に聞いてくれるので便利である。
「なぁ、拾い物ってまさかそれじゃないよな?」
「これよ? なんかでっかいゴブリンがはしゃいでたから頭撃ち抜いて周りを片付けたら落ちてたの」
うん、あれはもう落ちてたと言って過言でないぐらい最初なんなのか分からなかった。
「ああ、お前が厄介事に関わりたくなくて必死に物扱いしてるのは分かったが、それは帝国の王女様だ、しばらくしたら大絶叫になるから、地下に行くぞ」
地下とは、厄介事を抱え込んだ時に飛び込む場所だ。
臭いものにはってやつである。
「さて、王女様が叫び散らす前に軽く説明しておくが、ゴブリンの体液には女の思考を奪う効果がある。あらゆる体液にな」
「あー、それで目が虚ろなのか。そして、なんで商業ギルドで買取してくれるのか分かったわ」
作る薬ってそういうものなんだな。
「勘違いなきように付け加えると、荒事に慣れてない女性を救い出す時暴れられたら困るから使うということが多いからな」
なるほど、襲いかかる時に使うわけじゃないわけね。
「で、どういう状況だった」
「でっかいゴブリンが腰振ってたわ」
最初何してるのか分からなかったんだよな。
周りに普通のゴブリンいるから、それが見えなかったしな。
「護衛は、いなかったのか?」
「そうね、死体もなかったし、厄介事だと思わない?」
この王女様がよほどのお転婆少女でないのなら、護衛が裏切り者だろう。
見たところまだ、中学生ぐらいの年齢だろうに、嫌な世界だ。
この世界に中学校なんて施設はないが。
「王女様を探してるよな……」
「ねぇ? 王女様を死んだことにしとけば解決しないかしら?」
護衛は王女様をなるべく不自然にならないように殺したい。
幸い、ギルドに来た時、私は荷物か何かのように王女様を担いでたから、生きていたかどうかなんて知らぬ存ぜぬで通せる。
会話は聞かれてないしな。
ここに連れてきた時には致命傷で助からずに息を引き取った。
そんな説明でどうにか出来ると思うのだ。
問題は一時的に死体を用意するか、処分したことにするかだが、後者は無理だ。
帝国の王女様だと分からなかったとするには難しい。
グチャグチャで判断つかなかったとすると、きっと生きている可能性を捨てれないから後々の不安要素になる。
となると死体を用意せねばならない。
さて、こっちは実は一時的なら用意出来る。
そう、自在変化のスキルだ。
演じるのに必要であれば自動取得する私のスキルなら、任意の仮死状態を得ることが出来るだろう。
問題は、王女様とギルマスにこのスキルを説明しないといけないということ。
このスキル、諜報員として最強のチートスキルだ。
下手すると、何も信じて貰えなくなるだろう。
しかし、これが一番確実である。
多分なんだが、焼却ぐらいなら耐えられると思う。
死体を演じないといけないわけだし。
さて、兎にも角にもまずは王女様が目覚め───
「いやあああああああああああああああ!!」
うるせぇ!
と思った私はクズで間違いない。
「さて、王女様。落ち着いたかしら?」
「はい、先程は申し訳ございませんでした」
いい子だ。
私と大違い。
という事で状況説明と今後の話し合いだ。
「おおよそ、護衛が裏切ったと推測してるのだけれど合っているかしら?」
「はい、あの森で私は、わた、私は襲われました」
うん、そういう意味でも襲われたんだろうな。
見た目的に可憐な美少女だ。
どうせ殺すならと考えても不思議じゃない。
「てことは、死体を確認できなかった護衛さん達は、可能性の高い場所としてここに来るわね。ねぇ? どうしたい?」
「と言いますと」
そりゃ、護衛を殺したいのか、もう関わりたくないのかって話だよ。
「復讐するつもりはあるのかと聞きたいのよ」
「……ありません、もう私は汚れた身、国に帰ることも出来ないでしょう。彼らを殺したとしても何も得るものがない、それならばいっそ、死んでしまった方がマシです」
強いな、この子。
王族の覚悟ってやつか。
カッコイイね。
だからこそ、クズに踏みにじられたのが気に食わない。
とは言え、本人が望んでないなら勝手に報復したらまずいわな。
「なら、死んだことにしてしまおうかしら? 私のスキルがあれば、完璧に死を偽装してあげるわ」
「あなたに何の利があるのです」
冒険者が無償で国に喧嘩売るようなことするわけないわな。
ほんと、強いなこの子。
「一生をかけても返せない程の恩を貴女に売れるわ。どう? 私からしたらちょっとした先行投資よ。いずれ返してもらうわ」
「……選択肢は無いでしょうね。お願いできますか」
あんまり悩まずに答えを出したか。
やるだけやってあげるとしますか。
「ギルマス、今からやることは他言無用だし、詮索もしないでね?」
「自在変化ってやつか? 姿を変えられると聞いているが」
トビアスに鑑定されたからか、そのぐらいまでは把握してたってとこか。
「そんな優しいもんじゃないわよ、女性であればどんな姿にもなれるし、それを演じる上で必要ならスキルも取得する。何より、その姿が実在している必要も無いわ」
物語のヒロインにもなれるし、伝説の女神にだってなってやれる。
今からなるのは、時間が来たら蘇生する王女の死体の姿ってとこか。
チートだよなー。
頼りきるつもりは毛頭ないが。
やりこみ大好き人間がそんな面白くないことするかっての。
「諜報員として最高のスキルですね」
「ええ、なんせ一日に何回までみたいな制限もないからね。ただし、自力で取得したスキル以外は姿を辞めた時点で消えるわ」
「にしたって、えぐいスキルだな。だがいいのか? お前のスキルが消えることに」
人の話を聞こうな。
自力で取得したスキルは消えねぇっての。
「失礼ね、冒険者として身につけたスキルよ? 自在変化の自動取得に頼りきるわけないじゃないの」
「ちっ、自動取得の楽してるやつってことにしたら俺の小さな自尊心が助かったというのに」
そういう事。
許そう。
「さて、なら護衛さんたちが駆けつけてくる前に、あっさりと死体になっておくから、丸焼きぐらいにしといて。蘇生するからバラバラにはしないでね」
サクッと死体になってみた。
何を言っているかは分かるだろうが、過程は説明しない。
そして拾い物をした。
うん、こういう時はギルドに持っていくのが正解だろう。
という事で、サクッと周りを片付けて、ギルマスを呼んでもらった。
あれ以降、私の持ってくる話は優先的に聞いてくれるので便利である。
「なぁ、拾い物ってまさかそれじゃないよな?」
「これよ? なんかでっかいゴブリンがはしゃいでたから頭撃ち抜いて周りを片付けたら落ちてたの」
うん、あれはもう落ちてたと言って過言でないぐらい最初なんなのか分からなかった。
「ああ、お前が厄介事に関わりたくなくて必死に物扱いしてるのは分かったが、それは帝国の王女様だ、しばらくしたら大絶叫になるから、地下に行くぞ」
地下とは、厄介事を抱え込んだ時に飛び込む場所だ。
臭いものにはってやつである。
「さて、王女様が叫び散らす前に軽く説明しておくが、ゴブリンの体液には女の思考を奪う効果がある。あらゆる体液にな」
「あー、それで目が虚ろなのか。そして、なんで商業ギルドで買取してくれるのか分かったわ」
作る薬ってそういうものなんだな。
「勘違いなきように付け加えると、荒事に慣れてない女性を救い出す時暴れられたら困るから使うということが多いからな」
なるほど、襲いかかる時に使うわけじゃないわけね。
「で、どういう状況だった」
「でっかいゴブリンが腰振ってたわ」
最初何してるのか分からなかったんだよな。
周りに普通のゴブリンいるから、それが見えなかったしな。
「護衛は、いなかったのか?」
「そうね、死体もなかったし、厄介事だと思わない?」
この王女様がよほどのお転婆少女でないのなら、護衛が裏切り者だろう。
見たところまだ、中学生ぐらいの年齢だろうに、嫌な世界だ。
この世界に中学校なんて施設はないが。
「王女様を探してるよな……」
「ねぇ? 王女様を死んだことにしとけば解決しないかしら?」
護衛は王女様をなるべく不自然にならないように殺したい。
幸い、ギルドに来た時、私は荷物か何かのように王女様を担いでたから、生きていたかどうかなんて知らぬ存ぜぬで通せる。
会話は聞かれてないしな。
ここに連れてきた時には致命傷で助からずに息を引き取った。
そんな説明でどうにか出来ると思うのだ。
問題は一時的に死体を用意するか、処分したことにするかだが、後者は無理だ。
帝国の王女様だと分からなかったとするには難しい。
グチャグチャで判断つかなかったとすると、きっと生きている可能性を捨てれないから後々の不安要素になる。
となると死体を用意せねばならない。
さて、こっちは実は一時的なら用意出来る。
そう、自在変化のスキルだ。
演じるのに必要であれば自動取得する私のスキルなら、任意の仮死状態を得ることが出来るだろう。
問題は、王女様とギルマスにこのスキルを説明しないといけないということ。
このスキル、諜報員として最強のチートスキルだ。
下手すると、何も信じて貰えなくなるだろう。
しかし、これが一番確実である。
多分なんだが、焼却ぐらいなら耐えられると思う。
死体を演じないといけないわけだし。
さて、兎にも角にもまずは王女様が目覚め───
「いやあああああああああああああああ!!」
うるせぇ!
と思った私はクズで間違いない。
「さて、王女様。落ち着いたかしら?」
「はい、先程は申し訳ございませんでした」
いい子だ。
私と大違い。
という事で状況説明と今後の話し合いだ。
「おおよそ、護衛が裏切ったと推測してるのだけれど合っているかしら?」
「はい、あの森で私は、わた、私は襲われました」
うん、そういう意味でも襲われたんだろうな。
見た目的に可憐な美少女だ。
どうせ殺すならと考えても不思議じゃない。
「てことは、死体を確認できなかった護衛さん達は、可能性の高い場所としてここに来るわね。ねぇ? どうしたい?」
「と言いますと」
そりゃ、護衛を殺したいのか、もう関わりたくないのかって話だよ。
「復讐するつもりはあるのかと聞きたいのよ」
「……ありません、もう私は汚れた身、国に帰ることも出来ないでしょう。彼らを殺したとしても何も得るものがない、それならばいっそ、死んでしまった方がマシです」
強いな、この子。
王族の覚悟ってやつか。
カッコイイね。
だからこそ、クズに踏みにじられたのが気に食わない。
とは言え、本人が望んでないなら勝手に報復したらまずいわな。
「なら、死んだことにしてしまおうかしら? 私のスキルがあれば、完璧に死を偽装してあげるわ」
「あなたに何の利があるのです」
冒険者が無償で国に喧嘩売るようなことするわけないわな。
ほんと、強いなこの子。
「一生をかけても返せない程の恩を貴女に売れるわ。どう? 私からしたらちょっとした先行投資よ。いずれ返してもらうわ」
「……選択肢は無いでしょうね。お願いできますか」
あんまり悩まずに答えを出したか。
やるだけやってあげるとしますか。
「ギルマス、今からやることは他言無用だし、詮索もしないでね?」
「自在変化ってやつか? 姿を変えられると聞いているが」
トビアスに鑑定されたからか、そのぐらいまでは把握してたってとこか。
「そんな優しいもんじゃないわよ、女性であればどんな姿にもなれるし、それを演じる上で必要ならスキルも取得する。何より、その姿が実在している必要も無いわ」
物語のヒロインにもなれるし、伝説の女神にだってなってやれる。
今からなるのは、時間が来たら蘇生する王女の死体の姿ってとこか。
チートだよなー。
頼りきるつもりは毛頭ないが。
やりこみ大好き人間がそんな面白くないことするかっての。
「諜報員として最高のスキルですね」
「ええ、なんせ一日に何回までみたいな制限もないからね。ただし、自力で取得したスキル以外は姿を辞めた時点で消えるわ」
「にしたって、えぐいスキルだな。だがいいのか? お前のスキルが消えることに」
人の話を聞こうな。
自力で取得したスキルは消えねぇっての。
「失礼ね、冒険者として身につけたスキルよ? 自在変化の自動取得に頼りきるわけないじゃないの」
「ちっ、自動取得の楽してるやつってことにしたら俺の小さな自尊心が助かったというのに」
そういう事。
許そう。
「さて、なら護衛さんたちが駆けつけてくる前に、あっさりと死体になっておくから、丸焼きぐらいにしといて。蘇生するからバラバラにはしないでね」
サクッと死体になってみた。
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