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第二幕
魔王になるには
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「フェリ、その子が魔王になるって言ったんだね? 決して強要してないね?」
「何度も言わせるな、むしろ止めたのを聞かないのだ」
魔王になると告げてからやけに怒られた。
別に人間であり続ける必要などない。
私はこの世界に根付くつもりなのだから。
「フェリって名前だったんですか? 魔王様?」
「フェリーシアだ。と言うより、いつまで私を魔王と呼んでいる。魔王は辞めたと言っているだろうに」
魔王様改めてフェリーシア様。
覚えましたし。
さておき、そのフェリーシア様を愛称で呼んでいる方がフェリーシア様の育ての親らしい。
見た目は肩までの黒髪の美女である。
種族的にはドリアード。
大地に立ってる限りまず死なないとのこと。
強い。
と言ってもこの大地判定が曲者で、自然のままでないと発動しない。
魔族領もかなり人工物が多いので厳しいだろう。
「そちらの方は名前を教えてくれないんですか」
「お嬢さんが魔王になったら教えてやるよ」
人間には教えたくないって言うより、知ってしまったら後戻り出来ない感じかな。
「では、黒いんで黒姉さんと呼びます」
「素っ頓狂なことするねぇ。まぁ、好きに呼びな」
そんな中、私たちが目指しているのはエルフの森。
ファンタジー定番だね。
どうも私が魔王になるための手段はほとんどないらしい。
吸血鬼に噛まれたりとかと提案したら、その場合だと、噛んだ相手が私より上位存在になるため魔王の資格を失うとの事。
先んじて私が噛んだ相手を殺せばいいのだが、魔王スキルを既に持ってるため無理。
他に1回死んでみるとかあったのだが、死人になるにはネクロマンサーが必要らしいので、同じ理由で無理。
ということで、現状魔王になる手段がエルフの所で修行するぐらいしかないらしい。
かつてエルフ族の魔王がいたそうなので、魔族扱いになるのだろう。
それと、私が魔族の仲間入りするのと、どう関係があるのか知らない。
「ん、敵ですかね? 進行方向に集団でいる魔族がいますけど」
「ほう、私より早く見つけるとは、索敵のスキルでも身につけたか?」
持ってないけど、上位スキルなら持ってる。
ー探知ー
特定の範囲内の情報を察知する。
情報を絞ることでより正確に知ることが出来る。
※解析と一緒に取得していたスキル。
敵を探したことがなかったので、こっちが身に付いたんだと思う。
「エルフの森に侵入しようとしているようだな。フェリ、行けるかい?」
「いや、無理だな。まだ本調子には程遠い」
そこまで聞いたと同時に私が仕掛ける。
「コキュートス」
誤認のいい所は、認識した相手をなんていう末恐ろしい範囲に発動できること。
これにより、魔法の発動を感知しても、私の誤認のせいで異常なしと思ってしまう。
つまり、堂々と不意打ちができる。
チート万歳。
「あんたの参謀強すぎやしないかい?」
「戦っているところなど無茶したあの時以外、見たことがなかったのだがな」
まあ、強いよ。
仮にも、勇者だもの。
鍛えれば鍛えるだけ強くなるような化け物が弱いわけが無い。
本調子のフェリーシア様相手だとボコボコにされるだろうけど。
「さっさと行きましょう。嫌な予感がします」
「同意見だ」
エルフの森の入口にたどり着いた。
「ふーむ、完全に拒絶モードだな」
「困ったね、あっちが本気で隠れると入るに入れないじゃないか」
何やら2人して悩んでいるのだけど、入口普通に見えてるよね?
何か罠でもあるのか不安になってきたんだけど。
「罠でもあるんですか?」
分からない時は聞く。
「いや、普段なら敵対意思さえ見せなければ入れるんだが」
「さっきのやつらのせいで本気で隠れられてしまってねぇ、入口が分からないんだよ」
「いや、目の前にあるじゃないですか、罠がないならさっさと行きますよ」
もう、気にして損した。
早くエルフさんたちに会いに行こう。
きっと美人さんが多いに違いない。
「何度も言わせるな、むしろ止めたのを聞かないのだ」
魔王になると告げてからやけに怒られた。
別に人間であり続ける必要などない。
私はこの世界に根付くつもりなのだから。
「フェリって名前だったんですか? 魔王様?」
「フェリーシアだ。と言うより、いつまで私を魔王と呼んでいる。魔王は辞めたと言っているだろうに」
魔王様改めてフェリーシア様。
覚えましたし。
さておき、そのフェリーシア様を愛称で呼んでいる方がフェリーシア様の育ての親らしい。
見た目は肩までの黒髪の美女である。
種族的にはドリアード。
大地に立ってる限りまず死なないとのこと。
強い。
と言ってもこの大地判定が曲者で、自然のままでないと発動しない。
魔族領もかなり人工物が多いので厳しいだろう。
「そちらの方は名前を教えてくれないんですか」
「お嬢さんが魔王になったら教えてやるよ」
人間には教えたくないって言うより、知ってしまったら後戻り出来ない感じかな。
「では、黒いんで黒姉さんと呼びます」
「素っ頓狂なことするねぇ。まぁ、好きに呼びな」
そんな中、私たちが目指しているのはエルフの森。
ファンタジー定番だね。
どうも私が魔王になるための手段はほとんどないらしい。
吸血鬼に噛まれたりとかと提案したら、その場合だと、噛んだ相手が私より上位存在になるため魔王の資格を失うとの事。
先んじて私が噛んだ相手を殺せばいいのだが、魔王スキルを既に持ってるため無理。
他に1回死んでみるとかあったのだが、死人になるにはネクロマンサーが必要らしいので、同じ理由で無理。
ということで、現状魔王になる手段がエルフの所で修行するぐらいしかないらしい。
かつてエルフ族の魔王がいたそうなので、魔族扱いになるのだろう。
それと、私が魔族の仲間入りするのと、どう関係があるのか知らない。
「ん、敵ですかね? 進行方向に集団でいる魔族がいますけど」
「ほう、私より早く見つけるとは、索敵のスキルでも身につけたか?」
持ってないけど、上位スキルなら持ってる。
ー探知ー
特定の範囲内の情報を察知する。
情報を絞ることでより正確に知ることが出来る。
※解析と一緒に取得していたスキル。
敵を探したことがなかったので、こっちが身に付いたんだと思う。
「エルフの森に侵入しようとしているようだな。フェリ、行けるかい?」
「いや、無理だな。まだ本調子には程遠い」
そこまで聞いたと同時に私が仕掛ける。
「コキュートス」
誤認のいい所は、認識した相手をなんていう末恐ろしい範囲に発動できること。
これにより、魔法の発動を感知しても、私の誤認のせいで異常なしと思ってしまう。
つまり、堂々と不意打ちができる。
チート万歳。
「あんたの参謀強すぎやしないかい?」
「戦っているところなど無茶したあの時以外、見たことがなかったのだがな」
まあ、強いよ。
仮にも、勇者だもの。
鍛えれば鍛えるだけ強くなるような化け物が弱いわけが無い。
本調子のフェリーシア様相手だとボコボコにされるだろうけど。
「さっさと行きましょう。嫌な予感がします」
「同意見だ」
エルフの森の入口にたどり着いた。
「ふーむ、完全に拒絶モードだな」
「困ったね、あっちが本気で隠れると入るに入れないじゃないか」
何やら2人して悩んでいるのだけど、入口普通に見えてるよね?
何か罠でもあるのか不安になってきたんだけど。
「罠でもあるんですか?」
分からない時は聞く。
「いや、普段なら敵対意思さえ見せなければ入れるんだが」
「さっきのやつらのせいで本気で隠れられてしまってねぇ、入口が分からないんだよ」
「いや、目の前にあるじゃないですか、罠がないならさっさと行きますよ」
もう、気にして損した。
早くエルフさんたちに会いに行こう。
きっと美人さんが多いに違いない。
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