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天使
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入学式当日
馬車が爵位の低い順に次々と学園に到着する
馬車のドアが開くと、ほとんどの人間の意識がドアに向かい、男性なら離散。女性なら意識と視線がさらに集中する。爵位の低い女性たちも到着し終え、待ち構えていた婚約者や婚約者の座を狙っている男性たちに囲まれ、チヤホヤされ、満足している中、
「あ、あの馬車はっ!」
誰かがいうと、アピール中の男性以外の人たちの意識がそっちへ向いた。
「クファープノ公爵家の馬車だ!!!!」
そう叫んだ誰かの声はひどく興奮している。クファープノ公爵家にはそう!令嬢がいるのだ!!!
馬車が止まる。到着済みの令嬢たちも自分より上にいやがる女が来たわ、と苛立たしげに馬車を横目で見やる。ほとんどの人間の意識が1台の馬車、クファープノ公爵家の馬車に向く。
ガシャ ドアが開き……………
ドシッ
まるまるとした巨体令嬢が馬車から降りる。二重顎どころではない肥大化した顔。埋もれかけている首。肉に埋もれかけた小さな目。を何とか大きくしようとした結果のものすごい厚化粧。三段腹どころではないお腹のどデカいボリューム肉。を無理矢理押し込めたピチピチの豪華に飾り付けられたドレス。一言で言うと酷い、としか言いようがないぶくぶくと肥えた状態。…だが女性なのだ。貴重で大切な女性なのだ。
「クファープノ公爵令嬢!!」みるみるうちに令息たちで巨体が覆い隠されていく。ここで普通は婚約者が止めるのだが…クファープノ公爵令嬢は婚約者を作り、これまでのように囲まれなくなるのが嫌で婚約者を作っていない。クファープノ公爵令嬢はとても満足そうな顔。……肉のせいでよく表情も分からないが。
ふと、車輪の音がした
公爵令嬢の後に来る馬車は皇家しかいない。
皆が顔を向け礼を取ろうとしたところで固まる。皇家の紋が馬車にない。皇家でないのならば、ものすごい不敬を馬車の中の人物は働いている。しかし、馬車の警備は厳重だ。困惑が広がる。クファープノ公爵令嬢も一気に不機嫌そうな顔に。機嫌は急降下。ピリピリとした空気が走る中、
馬車が止まった。
ドアが開きーーーー
「…し、シャワーク先生?」
その場にいた教師の呆けた声が降りてきた人物の名を呼ぶ
うねりのある肩までの黒髪に目の下の濃いくま。不健康そうなどこかどんよりとした美形男性。ルベリオン学園教師のルカ・シャワークだ。シャワーク先生の顔を知らなかった者たちも教師なのか、と理解したが、疑問は全く解決しない。シャワーク家は子爵家だ。公爵家の後にはいってこれる身分ではない。それに教師は入学式の最終準備の為に、朝早くから学園に来ているはず。ぐるぐるぐるぐると疑問がその場にいる者たちの頭の中で回る。
と、
生徒や少数の教師たちの疑問の視線やざわめきに、全く反応しなかったーー気付いていて反応しないのではなく、何か目の前のことに気を取れていて、その疑問やざわめきすら気づいてない様子ーーシャワーク先生は、馬車の中を見つめーーー優しげに口角を上げた
教師たちに驚愕が走る
あの、シャワーク先生が口角を上げた!?
いつも無愛想でニコリともしない女性にも興味がなく無関心なシャワーク先生が!?!?
生徒たちにもぶっきらぼうで怖がられているシャワーク先生が!?しかも優しく!?
教師たちの驚愕の表情に生徒たちにも異常なのだと、何か普段とは違うのだと、認識した
馬車の中には何があるのか
好奇心、不安、警戒、様々な感情が現れる中で、シャワーク先生は馬車の中に手を差し出す。
そう、まるでエスコートするようにーーーー
時が止まった
誰もが馬車から降りてきた人物に目を奪われた
亜麻色の綺麗な細い髪がゆれる
だれもが呆けた顔をした
視線が上がる
この世で一番美しい琥珀が太陽の光を反射し輝く
誰かが恋に落ちる音がした
男女、生徒、教師問わず、全ての人が声も言葉も無く見惚れ
暴力的なまでの感動が彼らの中を渦巻いた
痛いほどの静寂が広がった
コツッ
降り立った少女はーーーーー神々しいほど美しかった
馬車が爵位の低い順に次々と学園に到着する
馬車のドアが開くと、ほとんどの人間の意識がドアに向かい、男性なら離散。女性なら意識と視線がさらに集中する。爵位の低い女性たちも到着し終え、待ち構えていた婚約者や婚約者の座を狙っている男性たちに囲まれ、チヤホヤされ、満足している中、
「あ、あの馬車はっ!」
誰かがいうと、アピール中の男性以外の人たちの意識がそっちへ向いた。
「クファープノ公爵家の馬車だ!!!!」
そう叫んだ誰かの声はひどく興奮している。クファープノ公爵家にはそう!令嬢がいるのだ!!!
馬車が止まる。到着済みの令嬢たちも自分より上にいやがる女が来たわ、と苛立たしげに馬車を横目で見やる。ほとんどの人間の意識が1台の馬車、クファープノ公爵家の馬車に向く。
ガシャ ドアが開き……………
ドシッ
まるまるとした巨体令嬢が馬車から降りる。二重顎どころではない肥大化した顔。埋もれかけている首。肉に埋もれかけた小さな目。を何とか大きくしようとした結果のものすごい厚化粧。三段腹どころではないお腹のどデカいボリューム肉。を無理矢理押し込めたピチピチの豪華に飾り付けられたドレス。一言で言うと酷い、としか言いようがないぶくぶくと肥えた状態。…だが女性なのだ。貴重で大切な女性なのだ。
「クファープノ公爵令嬢!!」みるみるうちに令息たちで巨体が覆い隠されていく。ここで普通は婚約者が止めるのだが…クファープノ公爵令嬢は婚約者を作り、これまでのように囲まれなくなるのが嫌で婚約者を作っていない。クファープノ公爵令嬢はとても満足そうな顔。……肉のせいでよく表情も分からないが。
ふと、車輪の音がした
公爵令嬢の後に来る馬車は皇家しかいない。
皆が顔を向け礼を取ろうとしたところで固まる。皇家の紋が馬車にない。皇家でないのならば、ものすごい不敬を馬車の中の人物は働いている。しかし、馬車の警備は厳重だ。困惑が広がる。クファープノ公爵令嬢も一気に不機嫌そうな顔に。機嫌は急降下。ピリピリとした空気が走る中、
馬車が止まった。
ドアが開きーーーー
「…し、シャワーク先生?」
その場にいた教師の呆けた声が降りてきた人物の名を呼ぶ
うねりのある肩までの黒髪に目の下の濃いくま。不健康そうなどこかどんよりとした美形男性。ルベリオン学園教師のルカ・シャワークだ。シャワーク先生の顔を知らなかった者たちも教師なのか、と理解したが、疑問は全く解決しない。シャワーク家は子爵家だ。公爵家の後にはいってこれる身分ではない。それに教師は入学式の最終準備の為に、朝早くから学園に来ているはず。ぐるぐるぐるぐると疑問がその場にいる者たちの頭の中で回る。
と、
生徒や少数の教師たちの疑問の視線やざわめきに、全く反応しなかったーー気付いていて反応しないのではなく、何か目の前のことに気を取れていて、その疑問やざわめきすら気づいてない様子ーーシャワーク先生は、馬車の中を見つめーーー優しげに口角を上げた
教師たちに驚愕が走る
あの、シャワーク先生が口角を上げた!?
いつも無愛想でニコリともしない女性にも興味がなく無関心なシャワーク先生が!?!?
生徒たちにもぶっきらぼうで怖がられているシャワーク先生が!?しかも優しく!?
教師たちの驚愕の表情に生徒たちにも異常なのだと、何か普段とは違うのだと、認識した
馬車の中には何があるのか
好奇心、不安、警戒、様々な感情が現れる中で、シャワーク先生は馬車の中に手を差し出す。
そう、まるでエスコートするようにーーーー
時が止まった
誰もが馬車から降りてきた人物に目を奪われた
亜麻色の綺麗な細い髪がゆれる
だれもが呆けた顔をした
視線が上がる
この世で一番美しい琥珀が太陽の光を反射し輝く
誰かが恋に落ちる音がした
男女、生徒、教師問わず、全ての人が声も言葉も無く見惚れ
暴力的なまでの感動が彼らの中を渦巻いた
痛いほどの静寂が広がった
コツッ
降り立った少女はーーーーー神々しいほど美しかった
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