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第二章
第28話 魂の再会 その3
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「辺境伯領で、魔王フェリエラになすすべなく殺された俺は、女神の慈悲を受け、もう一度この世界に産まれ落ちたんだ。ハーズワート公爵家の三男として。……ヴァルクリス・カートライアの記憶を引き継いだまま、な」
振り向くと、俺の言葉を聞いて、ロヴェルとヒューリアが固まっていた。
そりゃあそうだろう。逆の立場になれば俺だって、「そんな馬鹿な!」と笑うか、「嘘つくな!」と怒るかの二択だ。
ちなみに、地球の物語でも、こういう展開の後は大抵その二パターンに収まると言っても過言ではない。
「信じられないとは思うが、真実だ。疑っているだろうから、ロヴェル、ヒューリア、その証明として、当時の俺たちにしか分からないような質問に答えよう。いくらでも訊いてくれて構わない」
そんな月並みな反応を二人にさせたくなかったので、俺は機先を制してそう言った。ヒューリアが怒り出しそうで怖かったから、という理由では決して無い。
そしてそんな俺の言葉を聞いても固まっているロヴェルに変わり、ヒューリアが口を開いた。
「じゃ、じゃあ、カートライア辺境伯家の家族構成を」
「父、ラルゴス。母、ミネア、そして妹のエフィリアだ。ちなみに執事長はボルディンス」
すらすらと一つ目の質問を答える俺に、ロヴェルが目を丸くした。
「わ、私とロヴェルが婚約したのはいつ?」
「……確か、ロヴェルが良い婚約者がいないって、うちに相談に来た時だったな。期限が迫ってるって焦ってたから、ロヴェルが13歳、俺が12歳。ヒューリアが10歳の時か。シナディリオで父上たちが不在だった隙に二人がうちに遊びに来て、エフィリアがその提案をした。その場で二人が合意したので、俺が婚約の立ち会いをした。場所はカートライア家の裏庭だ」
「そ、そのお礼も兼ねて、ヴァルスたちを男爵家に招いた時に、みんなで出かけた場所は?」
「パリアペートの聖女博物館だ。その存在を知らなかった俺に、ヒューリアが『パリアペート男爵領にあるわよ』って教えてくれたんじゃないか」
「う、あ、じゃあ、あなたがわたしと最後にあったのは?!」
「そういや、あの時も聖女博物館の帰りだったな。北コーラル……いや、それは食事の時か。魔王の結界から逃げた瞬間だったから正確には南コーラルかな」
ヒューリアは気づいていなかっただろう。ヴァルクリスとして、既に俺の事を「あなた」と呼んでいることに。
「じゃ、じゃあ、あなたが結婚しようとしていた子の名前は?」
「……ヒューリア、それも君が教えてくれたんじゃないか。家臣にして、ゆくゆくは騎士爵に取り立てられれば、結婚も夢じゃないって。貴族が平民と結婚するための抜け道だって。だから俺はそれを聞いて以来、ずっと彼女と、ミューと結ばれるためだけに生きて来たんだ。……もう少し、だったんだけどな」
ヒューリアは、既に涙で頬を濡らしていた。
俺も、ミューの名前を口にした瞬間に、感情が堪えられなくなっていた。
「ヴァルス……信じられない、ヴァルスなのね……本当に」
「ああ、ヒューリア、無事にあの時、君だけでも逃がせて良かった」
「ああああ! ヴァルス!!」
ヒューリアが俺の胸に飛び込んで来た。俺とヒューリアは抱き合って泣きじゃくった、あの頃の少年少女のように。
「……ほ、本当に、ヴァルス……なのか?」
「ああ。……老けたな、ロヴィ」
「……ああ、苦労……したからな」
そういえば、昔からロヴェルが泣いたのは見たことがなかった。
いつも明るい、お調子者のちょっとおバカなロヴィ。
そのロヴェルが、俺の前で初めて涙を流していた。
そして静かにその抱擁の輪に加わった。
「ああ、ヴァルス! ヴァルス!」
「ロヴィ、ヒューリア!」
そして俺たちは、名前を呼び合いながら、いつまでもいつまでも泣いていた。
******
「もう、良い歳してこんなに泣かせないでよ! 馬鹿ヴァルス!」
少し落ち着いてから、ヒューリアが照れ隠しにそう言った。もう三人とも泣きすぎて精も根も尽き果てていた。
「そんなのお互い様だ。こっちだって、死を挟んで十四、五年ぶりに二人に会ったんだぞ。結婚して、子供も居てさ、すっかり大人になりやがって。二人の無事を確認した時の俺がどんな気持ちだったか」
「そうか、あの時の涙はそういう意味だったのか。いや、今わかったよ」
俺の口答えにロヴェルが乗っかって来た。
そういや、その瞬間に涙を流すのを見られていたっけ。
「正直、公爵家のご子息は、ちょっと精神的に不安定な人なのかな、とヒューと心配していたんだけど、謎が解けて良かったよ」
「てめえ、ロヴィ!」
「んだよ、痛えな」
ロヴェルを軽くはたく俺。
そしてへらへらと笑うロヴェル。
それを見て、ふふっと笑うヒューリア。
残念ながらここにミューとエフィリアはいないが、確かにそこには、俺たち三人の、北東三辺境領の貴族に産まれた俺たちの絆があった。
しかしいつまでも懐かしんでばかりはいられない。
俺は一息入れると二人に本題を切り出した。
「さて、そろそろ真面目な話をしよう、ロヴィ」
「ああ」
俺はここまでの状況を順序立ててロヴェル達に説明した。
勿論、ベル様や地球の事、この世界のルールブレイクの話は伏せてある。そうでは無くて、今現状のこの世界の情勢の話だ。
ミューとエフィリアの死。
結界の中で、魔王に一対一を挑み、あっさりと殺された事。
フィアローディ伯爵家に聖女が生まれ、サンマリア男爵領、リハリス子爵領を奪還した事。
俺もゼガータ侯爵領を奪還した事。
これまでに幹部魔物は魔鬼バルガレウス、魔獣ゲージャの二体が倒されている事。
そして聖女様は俺と共に王宮に行き、『ガルダ準男爵領』、『ランドラルド伯爵領』、そして『リングブリム子爵領』に魔法使いがいると陛下に知らされた事。
聖女様と俺は二手に分かれて、俺はここに来た、という事。
「……ふう」
ここまで話して、ロヴェルとヒューリアは大きく息を吐いた。
「ずっと、大変だったのね、ヴァルスも」
「そうか? ロヴィやヒューリアの方が大変だっただろう」
この世界の理の外、というチート能力を持っている俺よりも、隣の領地にラスボスが現れ、そこから溢れてくる魔物と戦い続けて来た二人の方がどう考えてもよっぽど大変だと思った。
「いいえ、そんなことない。絶対にあなたの方が大変だった。だからね、ここに助けに来てくれて良かったわ。あなたがヴァルスの生まれ変わりなら、なおさら死ねなかったもの」
……そういう意味か。
俺にはヒューリアの言った言葉の意味を理解した。
どれだけ近しい人を失ったか。
それでもどうして立っていられるのか。
そういう事だろう。
確かに、ヒューリアの言う通り、目の前でロヴェルとヒューリアまでもが死んでしまっていたら、俺は壊れてしまったかもしれなかった。
「ああ、そうだな」
俺はヒューリアに、それだけを返した。
「ねえ、ヴァルス、その、あなたがこうしてここにいるのなら、ミューとエフィリアも、もしかしたら、なんてことは無いのかしら」
「いや、残念ながらそれはあり得ないようだ。女神は俺だけに慈悲を与えられたようだったからな」
ヒューリアの質問ももっともであるが、ミューもエフィリアも、地球の人間ではない。今この世界の創造主たるウル様が自由に動けない以上、この世界の人間の魂をどうこうするのは不可能なのだ。もちろん、そんな説明をするわけにもいかなかったが。
「ところでさ、機密事項ってのは、つまり、ヴァルスが生まれ変わっている、って事なんだよな?」
ロヴェルが空気を読んで話題を変えて来た。
ああ、そういえば、そこのネタバラしをし忘れていたか。
「ああ。これは今のところ、世界で二人しか知らない。だから、さっきは三人だけになるためにああ言ったが、エミュにも言わないでくれると助かる」
「いや、言えるわけねえだろ! こんな事!」
既にすっかり昔の喋り方になっているロヴェルは、そう叫んだのであった。
そしてその後、俺は二人から、パリアペートとリングブリムのあれからの事を聞いた。
男爵、子爵、つまりヒューリアとロヴェルの御父上は、残念ながら共に戦死してしまったとの事。しかし、ヒューリアの母上と、ウェリサ、エーニャの二人の妹はリングブリムに逃げて来て無事らしい。現在は領都に居るそうだ。
領主と領主夫人であるロヴェルとヒューリアが、こんな危険な前線にいるのは、まあ、娘を一人前線に放り出すわけにはいかないから、で十分すぎる理由になるだろう。
「この後の流れだが、俺の仲間の義勇兵たちがエレダグシェワまでの全ての地域を解放している。彼らのここへの到着が、西の地域の奪還と同義となる。盛大に受け入れてやって欲しい。
そして先ほども言ったが、彼らを受け入れたその後にマビューズ・レバーシーからの支援物資が届く」
俺のその言葉に安堵のため息を吐くロヴェルとヒューリア。その表情が、孤立した数年間にも及ぶ兵站の確保がいかに大変だったかを物語っていた。
「その後は……そこから話し合うとしようか」
「ああ、もうそれだけでも十分すぎるくらいだ。ありがとう、ヴァルス」
「大人になってからも色々と助けてくれ、っていうのがロヴィの口癖だったしな」
「生まれ変わってまで助けに来るなんて思ってねえよ!」
そんな俺たちを見て、ヒューリアが目頭を押さえながらも、笑っていた。
さて、ひとまずこれで話はひと段落ついた。
しばらくは待機である。さすがに俺も疲れたし、怪我もしたしね。それまで、せいぜいエミュと仲良くなっておかなくてはな。
あ、そういえば。
「なあ、ロヴェル、ヒューリア。エミュの名前って……」
そう切り出した俺に、二人は少しバツが悪そうに苦笑いした。
「ええ、エフィリアとミューから貰ったのよ。私達も、二人の存在を忘れたくなかったから」
いや、なんていうか、それは嬉しいけど。……いや、嬉しいのか?
しかも、そんな遠い目をされても、呼ぶ俺が一番照れるんだけど。
ついでに言えば、名前を取った相手は、疾風の戦乙女と天才軍師ですけど、名前負けしない? 大丈夫?
……あ、いや、大丈夫なのか。彼女は鉄壁の魔法使いなのだから。
「男だったらヴァル。女だったらエミュと名付ける。その予定だった」
どこぞの特務機関の司令か! お前は!
ロヴェルの言葉に、俺は久々に、地球仕込みの心のツッコミを炸裂させたのだった。
ひとまず話を終えた俺たちは、この場の内容は三人だけの秘密という事を改めて約束して、解散した。
まあ、俺とロヴェルは並んで廊下を歩いていたが。
ロヴェルとヒューリアも忙しいだろうし、俺も、フッツァとマビューズを待っている間の暇を持て余していても仕方ない。ダグシェワの砦の西側の魔物はフッツァ達が狩り尽くしてくれるだろうから、砦の南側、つまりパリアペート男爵領側の魔物でも軽く減らしておくか。
そう思ってロヴェルに提案すると、通行許可書を発行してくれる、という事になった。で、今、彼の執務室に向かう最中なのである。
「にしても、魔物に気づかれない魔法か。すげえなあ」
ロヴェルが改めてそう口にした。いや、正確には魔法でもなんでもないんだけどね。すんません。
「いやいや、お前の娘の方が凄いって。ゲージャのあれを二回も防ぐなんて、彼女以外には出来ないさ」
「いやでもさ、娘と親友が魔法使いだなんて、本当に驚くしかねえよ」
「でも、ロヴェル、お前、そういうので嫉妬したり、羨ましいとか思ったりしないだろ?」
「しねえな」
即答だった。やっぱりロヴェルは変わってなかった。なんか安心するな。
「ああ! そうだ! ヴァルス、お前がヴァルスなのすっかり忘れてたぜ!」
急に大声を出すロヴェル。
おいおい、突然声を上げてどうしたんだ。
ついでに言えば、発言の内容がめちゃくちゃなんだが?
「ついて来てくれ! お前に返したいものがある」
ロヴェルはそう言うと、俺の腕を引っ張っりながら、大股でどこかに歩き出した。
なんだろうか?
ヴァルクリスの時に、ロヴェルになにか貸したままになっていた物でもあったっけ?
そう思ったが、残念ながらこれっぽっちも思い当たらなかった。
ってかおい、引っ張るなって! そこを引っ張られると、ゲージャに喰らったダメージで、あばらが痛い!
ロヴェルが俺を連れて来た場所は、厩舎だった。
一番手前の広いスペースに、見慣れた顔がある。
「おう、相棒、お前はここにいたか。昨日はよく眠れたか? ここでしばらくは休憩できるからな」
俺の言葉に彼は少し目を細めて尻尾を高く振った。これが彼のリラックスしている時の表情だ。良かった、しっかりと休めたらしい。
「ヴァルスこっちだ」
少しロヴェルの声が真剣味を帯びていた。
俺は、マヤノの首を少し撫でると、その後を追った。
その厩舎の一番奥。
そこは、怪我をした馬や、もう動けない老馬たちが療養しているスペースだった。
「リングブリムではずっとここが最前線だったからな。ずっと俺と一緒に戦ってくれたんだ。彼に何度も命を救われた」
そう言ってロヴェルは、一頭の馬を指さした。
もう相当なご老体なのだろう。目を細めた彼は、横たわり緩やかな呼吸をしていた。
余すところなく全身茶色のその馬に唯一ついていた模様。それは額の部分にある逆水滴型の白い模様だった。
その漆黒の瞳と目が合う。
俺はその目を知っていた。
「……ファルコン?」
俺の言葉に反応したのか、彼は少しいななくと、かろうじて上半身だけを持ち上げた。
「そ、そんな……もう、何日も起き上がれなかったのに」
ロヴェルの声は静かだったが、その声の震えが彼の驚きの大きさを表していた。
俺は恐る恐る彼に近寄った。彼は、俺を嫌がるどころか、まるであの時のように顔を近づけてきてくれた。
「ファルコン、ファルコン、ファルコン!」
彼は、涙を流す俺の言葉の一つ一つにゆっくり頷いた。
そして、額を撫でる俺の頬をひとたび舐めて小さくいななくと、再びゆっくりとその体を横たえた。
彼には俺の魂が見えていたのだろうか。いや、きっと見えていたに違いない。馬っていうのはなんというか、そういう生き物だ。人の僅かな心の変化や動揺、それどころか哀しみや喜びさえも敏感に察知する。そういう不思議な生き物だ。
ファルコンは、俺がヴァルクリスだと分かったに違いなかった。
いや、俺がそう思いたかった。
俺はしばらく傍らで、彼と共に二人きりでの時間を過ごした。
その思い出話は尽きることは無かった。
しばらくして、俺が厩舎から出ると、外ではロヴェルが待っていてくれた。
「魔王の結界が解けてさ、結構すぐに、カートライアとうちの境界線あたりで保護されたんだ。ヴァルスの忘れ形見だと思ってさ。俺が乗って、ずっと面倒を見ようと決めたんだ。まあ何度も命を救われたのは俺の方なんだけどな」
「……ありがとう、ロヴェル!」
俺はロヴェルの肩を掴んで礼を述べた。
既にファルコンは18歳か19歳。こちらの世界の馬の平均寿命を超えたくらいである。リングブリムで、ロヴェルとヒューリアとその娘を助け、前世の愛馬にも会うことが出来た。俺にとっては全てが奇跡だった。
しかし、だ。
ファルコンの生存に喜んだ一方で、俺はひとつの確証を得た。
『馬や家畜は魔物に襲われない』
という事だ。
これまでに気づいても良さそうなものだったが、なかなか確証が得られなかったのだ。
馬単体で、魔物と相対する現場に遭遇することは無かったし、逆に人間が乗っていればまとめて襲われるのだ。その光景を何度も目の当たりにすれば、馬も襲われると脳内に刷り込まれるのも仕方ない。
これまでに奪還した地域も、破棄されてから何年も経っているところがほとんどであ る。魔物を殲滅してみたら、家畜たちだけが元気に生活していた、なんて場面はひとつも無い。ほとんどが逃げ出しているか、餓死して骨になっているか、或いは逃げてきた人間達に略奪されたかだ。
しかし……。
俺は、ヴァルクリスの時、北コーラルからカートライア邸に向かうまでの間、魔物に襲われなかった。
ファルコンに乗ったまま魔物の中を突っ切ったのに、だ。
それだけが唯一引っかかっていた。
あの時に既に、俺のこの能力『この世界の理の外』が分かっていたら直ぐに気づいていただろう。
しかし、あの時は何も分からずに、俺自身も襲われると思ってただやみくもに走っていただけだったのだ。後々になって思い返しても、確信に至るまでは状況証拠を積み重ねられないものなのである。
それに、俺の服や装備品も、魔物には認識されない。だから馬に乗っている間だけは一纏めで有効、という説も十分考えられた訳だし。
まあ、ともあれ、これではっきりした。
今後は二代目愛馬に乗ったまま、敵陣を突破できる訳だ。
これまで取っていた安全マージンを気にする必要が無くなった分、かなり効率が良くなる。
さらに言えば、魔物は『餌を求めて人間を襲う生態』なのではなく、『この世界の人間を襲うというルール』なのだという事もはっきりした。
設定において歪んでいると感じるところは、全てこの世界のルールである。そこには アンテナを張らなくてはならない。
それは、ファルコンが生涯をかけて俺に残してくれた、情報という置き土産だった。
(ありがとう、相棒)
俺は、ロヴェルと共に屋敷に向かう道すがら、もう一度、魂の再会を果たしたかつての相棒が休む小屋に振り返り、感謝の祈りを捧げたのだった。
第29話『エミュの告白』へつづく
振り向くと、俺の言葉を聞いて、ロヴェルとヒューリアが固まっていた。
そりゃあそうだろう。逆の立場になれば俺だって、「そんな馬鹿な!」と笑うか、「嘘つくな!」と怒るかの二択だ。
ちなみに、地球の物語でも、こういう展開の後は大抵その二パターンに収まると言っても過言ではない。
「信じられないとは思うが、真実だ。疑っているだろうから、ロヴェル、ヒューリア、その証明として、当時の俺たちにしか分からないような質問に答えよう。いくらでも訊いてくれて構わない」
そんな月並みな反応を二人にさせたくなかったので、俺は機先を制してそう言った。ヒューリアが怒り出しそうで怖かったから、という理由では決して無い。
そしてそんな俺の言葉を聞いても固まっているロヴェルに変わり、ヒューリアが口を開いた。
「じゃ、じゃあ、カートライア辺境伯家の家族構成を」
「父、ラルゴス。母、ミネア、そして妹のエフィリアだ。ちなみに執事長はボルディンス」
すらすらと一つ目の質問を答える俺に、ロヴェルが目を丸くした。
「わ、私とロヴェルが婚約したのはいつ?」
「……確か、ロヴェルが良い婚約者がいないって、うちに相談に来た時だったな。期限が迫ってるって焦ってたから、ロヴェルが13歳、俺が12歳。ヒューリアが10歳の時か。シナディリオで父上たちが不在だった隙に二人がうちに遊びに来て、エフィリアがその提案をした。その場で二人が合意したので、俺が婚約の立ち会いをした。場所はカートライア家の裏庭だ」
「そ、そのお礼も兼ねて、ヴァルスたちを男爵家に招いた時に、みんなで出かけた場所は?」
「パリアペートの聖女博物館だ。その存在を知らなかった俺に、ヒューリアが『パリアペート男爵領にあるわよ』って教えてくれたんじゃないか」
「う、あ、じゃあ、あなたがわたしと最後にあったのは?!」
「そういや、あの時も聖女博物館の帰りだったな。北コーラル……いや、それは食事の時か。魔王の結界から逃げた瞬間だったから正確には南コーラルかな」
ヒューリアは気づいていなかっただろう。ヴァルクリスとして、既に俺の事を「あなた」と呼んでいることに。
「じゃ、じゃあ、あなたが結婚しようとしていた子の名前は?」
「……ヒューリア、それも君が教えてくれたんじゃないか。家臣にして、ゆくゆくは騎士爵に取り立てられれば、結婚も夢じゃないって。貴族が平民と結婚するための抜け道だって。だから俺はそれを聞いて以来、ずっと彼女と、ミューと結ばれるためだけに生きて来たんだ。……もう少し、だったんだけどな」
ヒューリアは、既に涙で頬を濡らしていた。
俺も、ミューの名前を口にした瞬間に、感情が堪えられなくなっていた。
「ヴァルス……信じられない、ヴァルスなのね……本当に」
「ああ、ヒューリア、無事にあの時、君だけでも逃がせて良かった」
「ああああ! ヴァルス!!」
ヒューリアが俺の胸に飛び込んで来た。俺とヒューリアは抱き合って泣きじゃくった、あの頃の少年少女のように。
「……ほ、本当に、ヴァルス……なのか?」
「ああ。……老けたな、ロヴィ」
「……ああ、苦労……したからな」
そういえば、昔からロヴェルが泣いたのは見たことがなかった。
いつも明るい、お調子者のちょっとおバカなロヴィ。
そのロヴェルが、俺の前で初めて涙を流していた。
そして静かにその抱擁の輪に加わった。
「ああ、ヴァルス! ヴァルス!」
「ロヴィ、ヒューリア!」
そして俺たちは、名前を呼び合いながら、いつまでもいつまでも泣いていた。
******
「もう、良い歳してこんなに泣かせないでよ! 馬鹿ヴァルス!」
少し落ち着いてから、ヒューリアが照れ隠しにそう言った。もう三人とも泣きすぎて精も根も尽き果てていた。
「そんなのお互い様だ。こっちだって、死を挟んで十四、五年ぶりに二人に会ったんだぞ。結婚して、子供も居てさ、すっかり大人になりやがって。二人の無事を確認した時の俺がどんな気持ちだったか」
「そうか、あの時の涙はそういう意味だったのか。いや、今わかったよ」
俺の口答えにロヴェルが乗っかって来た。
そういや、その瞬間に涙を流すのを見られていたっけ。
「正直、公爵家のご子息は、ちょっと精神的に不安定な人なのかな、とヒューと心配していたんだけど、謎が解けて良かったよ」
「てめえ、ロヴィ!」
「んだよ、痛えな」
ロヴェルを軽くはたく俺。
そしてへらへらと笑うロヴェル。
それを見て、ふふっと笑うヒューリア。
残念ながらここにミューとエフィリアはいないが、確かにそこには、俺たち三人の、北東三辺境領の貴族に産まれた俺たちの絆があった。
しかしいつまでも懐かしんでばかりはいられない。
俺は一息入れると二人に本題を切り出した。
「さて、そろそろ真面目な話をしよう、ロヴィ」
「ああ」
俺はここまでの状況を順序立ててロヴェル達に説明した。
勿論、ベル様や地球の事、この世界のルールブレイクの話は伏せてある。そうでは無くて、今現状のこの世界の情勢の話だ。
ミューとエフィリアの死。
結界の中で、魔王に一対一を挑み、あっさりと殺された事。
フィアローディ伯爵家に聖女が生まれ、サンマリア男爵領、リハリス子爵領を奪還した事。
俺もゼガータ侯爵領を奪還した事。
これまでに幹部魔物は魔鬼バルガレウス、魔獣ゲージャの二体が倒されている事。
そして聖女様は俺と共に王宮に行き、『ガルダ準男爵領』、『ランドラルド伯爵領』、そして『リングブリム子爵領』に魔法使いがいると陛下に知らされた事。
聖女様と俺は二手に分かれて、俺はここに来た、という事。
「……ふう」
ここまで話して、ロヴェルとヒューリアは大きく息を吐いた。
「ずっと、大変だったのね、ヴァルスも」
「そうか? ロヴィやヒューリアの方が大変だっただろう」
この世界の理の外、というチート能力を持っている俺よりも、隣の領地にラスボスが現れ、そこから溢れてくる魔物と戦い続けて来た二人の方がどう考えてもよっぽど大変だと思った。
「いいえ、そんなことない。絶対にあなたの方が大変だった。だからね、ここに助けに来てくれて良かったわ。あなたがヴァルスの生まれ変わりなら、なおさら死ねなかったもの」
……そういう意味か。
俺にはヒューリアの言った言葉の意味を理解した。
どれだけ近しい人を失ったか。
それでもどうして立っていられるのか。
そういう事だろう。
確かに、ヒューリアの言う通り、目の前でロヴェルとヒューリアまでもが死んでしまっていたら、俺は壊れてしまったかもしれなかった。
「ああ、そうだな」
俺はヒューリアに、それだけを返した。
「ねえ、ヴァルス、その、あなたがこうしてここにいるのなら、ミューとエフィリアも、もしかしたら、なんてことは無いのかしら」
「いや、残念ながらそれはあり得ないようだ。女神は俺だけに慈悲を与えられたようだったからな」
ヒューリアの質問ももっともであるが、ミューもエフィリアも、地球の人間ではない。今この世界の創造主たるウル様が自由に動けない以上、この世界の人間の魂をどうこうするのは不可能なのだ。もちろん、そんな説明をするわけにもいかなかったが。
「ところでさ、機密事項ってのは、つまり、ヴァルスが生まれ変わっている、って事なんだよな?」
ロヴェルが空気を読んで話題を変えて来た。
ああ、そういえば、そこのネタバラしをし忘れていたか。
「ああ。これは今のところ、世界で二人しか知らない。だから、さっきは三人だけになるためにああ言ったが、エミュにも言わないでくれると助かる」
「いや、言えるわけねえだろ! こんな事!」
既にすっかり昔の喋り方になっているロヴェルは、そう叫んだのであった。
そしてその後、俺は二人から、パリアペートとリングブリムのあれからの事を聞いた。
男爵、子爵、つまりヒューリアとロヴェルの御父上は、残念ながら共に戦死してしまったとの事。しかし、ヒューリアの母上と、ウェリサ、エーニャの二人の妹はリングブリムに逃げて来て無事らしい。現在は領都に居るそうだ。
領主と領主夫人であるロヴェルとヒューリアが、こんな危険な前線にいるのは、まあ、娘を一人前線に放り出すわけにはいかないから、で十分すぎる理由になるだろう。
「この後の流れだが、俺の仲間の義勇兵たちがエレダグシェワまでの全ての地域を解放している。彼らのここへの到着が、西の地域の奪還と同義となる。盛大に受け入れてやって欲しい。
そして先ほども言ったが、彼らを受け入れたその後にマビューズ・レバーシーからの支援物資が届く」
俺のその言葉に安堵のため息を吐くロヴェルとヒューリア。その表情が、孤立した数年間にも及ぶ兵站の確保がいかに大変だったかを物語っていた。
「その後は……そこから話し合うとしようか」
「ああ、もうそれだけでも十分すぎるくらいだ。ありがとう、ヴァルス」
「大人になってからも色々と助けてくれ、っていうのがロヴィの口癖だったしな」
「生まれ変わってまで助けに来るなんて思ってねえよ!」
そんな俺たちを見て、ヒューリアが目頭を押さえながらも、笑っていた。
さて、ひとまずこれで話はひと段落ついた。
しばらくは待機である。さすがに俺も疲れたし、怪我もしたしね。それまで、せいぜいエミュと仲良くなっておかなくてはな。
あ、そういえば。
「なあ、ロヴェル、ヒューリア。エミュの名前って……」
そう切り出した俺に、二人は少しバツが悪そうに苦笑いした。
「ええ、エフィリアとミューから貰ったのよ。私達も、二人の存在を忘れたくなかったから」
いや、なんていうか、それは嬉しいけど。……いや、嬉しいのか?
しかも、そんな遠い目をされても、呼ぶ俺が一番照れるんだけど。
ついでに言えば、名前を取った相手は、疾風の戦乙女と天才軍師ですけど、名前負けしない? 大丈夫?
……あ、いや、大丈夫なのか。彼女は鉄壁の魔法使いなのだから。
「男だったらヴァル。女だったらエミュと名付ける。その予定だった」
どこぞの特務機関の司令か! お前は!
ロヴェルの言葉に、俺は久々に、地球仕込みの心のツッコミを炸裂させたのだった。
ひとまず話を終えた俺たちは、この場の内容は三人だけの秘密という事を改めて約束して、解散した。
まあ、俺とロヴェルは並んで廊下を歩いていたが。
ロヴェルとヒューリアも忙しいだろうし、俺も、フッツァとマビューズを待っている間の暇を持て余していても仕方ない。ダグシェワの砦の西側の魔物はフッツァ達が狩り尽くしてくれるだろうから、砦の南側、つまりパリアペート男爵領側の魔物でも軽く減らしておくか。
そう思ってロヴェルに提案すると、通行許可書を発行してくれる、という事になった。で、今、彼の執務室に向かう最中なのである。
「にしても、魔物に気づかれない魔法か。すげえなあ」
ロヴェルが改めてそう口にした。いや、正確には魔法でもなんでもないんだけどね。すんません。
「いやいや、お前の娘の方が凄いって。ゲージャのあれを二回も防ぐなんて、彼女以外には出来ないさ」
「いやでもさ、娘と親友が魔法使いだなんて、本当に驚くしかねえよ」
「でも、ロヴェル、お前、そういうので嫉妬したり、羨ましいとか思ったりしないだろ?」
「しねえな」
即答だった。やっぱりロヴェルは変わってなかった。なんか安心するな。
「ああ! そうだ! ヴァルス、お前がヴァルスなのすっかり忘れてたぜ!」
急に大声を出すロヴェル。
おいおい、突然声を上げてどうしたんだ。
ついでに言えば、発言の内容がめちゃくちゃなんだが?
「ついて来てくれ! お前に返したいものがある」
ロヴェルはそう言うと、俺の腕を引っ張っりながら、大股でどこかに歩き出した。
なんだろうか?
ヴァルクリスの時に、ロヴェルになにか貸したままになっていた物でもあったっけ?
そう思ったが、残念ながらこれっぽっちも思い当たらなかった。
ってかおい、引っ張るなって! そこを引っ張られると、ゲージャに喰らったダメージで、あばらが痛い!
ロヴェルが俺を連れて来た場所は、厩舎だった。
一番手前の広いスペースに、見慣れた顔がある。
「おう、相棒、お前はここにいたか。昨日はよく眠れたか? ここでしばらくは休憩できるからな」
俺の言葉に彼は少し目を細めて尻尾を高く振った。これが彼のリラックスしている時の表情だ。良かった、しっかりと休めたらしい。
「ヴァルスこっちだ」
少しロヴェルの声が真剣味を帯びていた。
俺は、マヤノの首を少し撫でると、その後を追った。
その厩舎の一番奥。
そこは、怪我をした馬や、もう動けない老馬たちが療養しているスペースだった。
「リングブリムではずっとここが最前線だったからな。ずっと俺と一緒に戦ってくれたんだ。彼に何度も命を救われた」
そう言ってロヴェルは、一頭の馬を指さした。
もう相当なご老体なのだろう。目を細めた彼は、横たわり緩やかな呼吸をしていた。
余すところなく全身茶色のその馬に唯一ついていた模様。それは額の部分にある逆水滴型の白い模様だった。
その漆黒の瞳と目が合う。
俺はその目を知っていた。
「……ファルコン?」
俺の言葉に反応したのか、彼は少しいななくと、かろうじて上半身だけを持ち上げた。
「そ、そんな……もう、何日も起き上がれなかったのに」
ロヴェルの声は静かだったが、その声の震えが彼の驚きの大きさを表していた。
俺は恐る恐る彼に近寄った。彼は、俺を嫌がるどころか、まるであの時のように顔を近づけてきてくれた。
「ファルコン、ファルコン、ファルコン!」
彼は、涙を流す俺の言葉の一つ一つにゆっくり頷いた。
そして、額を撫でる俺の頬をひとたび舐めて小さくいななくと、再びゆっくりとその体を横たえた。
彼には俺の魂が見えていたのだろうか。いや、きっと見えていたに違いない。馬っていうのはなんというか、そういう生き物だ。人の僅かな心の変化や動揺、それどころか哀しみや喜びさえも敏感に察知する。そういう不思議な生き物だ。
ファルコンは、俺がヴァルクリスだと分かったに違いなかった。
いや、俺がそう思いたかった。
俺はしばらく傍らで、彼と共に二人きりでの時間を過ごした。
その思い出話は尽きることは無かった。
しばらくして、俺が厩舎から出ると、外ではロヴェルが待っていてくれた。
「魔王の結界が解けてさ、結構すぐに、カートライアとうちの境界線あたりで保護されたんだ。ヴァルスの忘れ形見だと思ってさ。俺が乗って、ずっと面倒を見ようと決めたんだ。まあ何度も命を救われたのは俺の方なんだけどな」
「……ありがとう、ロヴェル!」
俺はロヴェルの肩を掴んで礼を述べた。
既にファルコンは18歳か19歳。こちらの世界の馬の平均寿命を超えたくらいである。リングブリムで、ロヴェルとヒューリアとその娘を助け、前世の愛馬にも会うことが出来た。俺にとっては全てが奇跡だった。
しかし、だ。
ファルコンの生存に喜んだ一方で、俺はひとつの確証を得た。
『馬や家畜は魔物に襲われない』
という事だ。
これまでに気づいても良さそうなものだったが、なかなか確証が得られなかったのだ。
馬単体で、魔物と相対する現場に遭遇することは無かったし、逆に人間が乗っていればまとめて襲われるのだ。その光景を何度も目の当たりにすれば、馬も襲われると脳内に刷り込まれるのも仕方ない。
これまでに奪還した地域も、破棄されてから何年も経っているところがほとんどであ る。魔物を殲滅してみたら、家畜たちだけが元気に生活していた、なんて場面はひとつも無い。ほとんどが逃げ出しているか、餓死して骨になっているか、或いは逃げてきた人間達に略奪されたかだ。
しかし……。
俺は、ヴァルクリスの時、北コーラルからカートライア邸に向かうまでの間、魔物に襲われなかった。
ファルコンに乗ったまま魔物の中を突っ切ったのに、だ。
それだけが唯一引っかかっていた。
あの時に既に、俺のこの能力『この世界の理の外』が分かっていたら直ぐに気づいていただろう。
しかし、あの時は何も分からずに、俺自身も襲われると思ってただやみくもに走っていただけだったのだ。後々になって思い返しても、確信に至るまでは状況証拠を積み重ねられないものなのである。
それに、俺の服や装備品も、魔物には認識されない。だから馬に乗っている間だけは一纏めで有効、という説も十分考えられた訳だし。
まあ、ともあれ、これではっきりした。
今後は二代目愛馬に乗ったまま、敵陣を突破できる訳だ。
これまで取っていた安全マージンを気にする必要が無くなった分、かなり効率が良くなる。
さらに言えば、魔物は『餌を求めて人間を襲う生態』なのではなく、『この世界の人間を襲うというルール』なのだという事もはっきりした。
設定において歪んでいると感じるところは、全てこの世界のルールである。そこには アンテナを張らなくてはならない。
それは、ファルコンが生涯をかけて俺に残してくれた、情報という置き土産だった。
(ありがとう、相棒)
俺は、ロヴェルと共に屋敷に向かう道すがら、もう一度、魂の再会を果たしたかつての相棒が休む小屋に振り返り、感謝の祈りを捧げたのだった。
第29話『エミュの告白』へつづく
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