廃墟の箱庭

安達夷三郎

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第二章、動き出す歯車の音

研究員と治療員

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『研究室』とプレートがかけられた部屋の前にレンとソラがいた。
ソラの顔には疲れを感じさせる隈。レンはそれを見てギョッと驚く。
「ソラ、、、今日で何徹目?」
「五日」
「寝ろよ」
「キリが良い所まで終わったから今から寝ようと思ったのに、突然訪問してきた誰かさんのせいで寝れなくなった」
恨めしそうにレンを睨みつけ、レンはそっと目線をずらす。
 研究員は東京支部では三人しかおらず、そのくせオペレーターと同じような仕事量なので超過酷なのだ。
 研究員が少ない理由はソラ曰く「募集かけても来ないから」らしい。
流石に徹夜だらけの研究員になりたいと思う人は少ないだろう。
「で、僕を呼んだ理由は?」早く言えという気持ちを込め、怪訝そうな表情で凝視する。
「ルナが怪我したんだ」
 想像していなかった回答にはぁ!?と声を出す。
「それは、、、治療員に言えば良いんじゃない?」
「言葉足らずだったな、ルナの使ってるライフルも壊れたんだ」
その言葉を聞いて眉間を摘むソラ。
「最悪、、、」

 医務室に入るとカーテンレールで仕切られた部屋の中にルナとサチがいた。
処置は済ませたらしく、起き上がれる程度まで回復していた。
机の上に置かれた壊れたライフルを見てソラは呻き声を上げながら泣いている友に同情の目を向ける。
「もう大丈夫なのか?」
「うん。もう大丈夫!安静の為、一ヶ月は任務に行けないんだけどね」
 サチはカルテを慣れた手付きで書いている。カルテには赤色のペンで『一ヶ月の停止令を命じる』と書かれていた。
 停止令は治療員にしか決定権はない。どんな小さな怪我でも、治療員が停止令を出せば任務に行けないのだ。
「支部長は?今回は来ていないのか?」
支部長は何時も怪我した隊員がいたら必ず見舞いに来るのに今回は来ていない。
「支部長ならさっきまでいたけど、入れ違いになったみたいだね」
サチの言葉に納得した。
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