乙女ゲーに転生!?ある日公爵令嬢になった私の物語

ゆーかり

文字の大きさ
12 / 77
本編

10

しおりを挟む
あれ?ここどこだろ?気付いたら真っ白で何も無い所に立ってた。え、やだこれまさかあの世とかそういうとこ?

「違うよ、ここは君の精神世界っていうのかなあ」

いきなり人が現れてビックリした!私の方見てニヤニヤ笑ってる男──なんだろこの人、平均顔っていうのかな?整ってるけど全く特徴がないつまんない顔って感じ。

「まあ僕の容姿のことはこの際どうでもいいよ。あんま時間もないし」

「私の心読めるんか!つか勝手によむな!」

「えー気にするのそこ?」

「当たり前でしょ!気持ち悪っ!」

「さすがの僕もそれはちょっと傷つくなぁ……」

「勝手に心読まれるダメージのがでかいわっ!」

「そっかごめんねえ。じゃ見えないふりするから許して?」

結局私の心見えてんのかっ!

「つかあんた誰よ?」

「あ、やっと僕に興味持ってくれたね」

男がニコニコ嬉しそうに笑うけど無視。

「勿体ぶるのとか嫌いだから、簡潔に教えて」

「うんうん、さっぱりしてていいね。僕は神様だよー」

「そういうのいいから」

「いやホントなんだよ?どうしたら信じてもらえるのかなぁ。あーそこから始めなきゃなのかぁ……」

何か男はぶつぶつ呟き出した。胡散臭い男だな。

「まあこの際信じてくれなくてもいいや」

説明を放棄したぞこの男。

「君は元々アンジェリカなんだ」

「は?」

「僕の、その、ささやかなミスで本来の器どころか世界を間違ってしまってさ」

「待って待って!そもそも私が地球に生を受けたのが間違ってたってこと!?」

「うん。やっぱ君はエラく頭が良いね。流石僕の──」

「じゃあ元アンジェリカは!?」

「君たちの魂は本来の器から取り違えられたんだ。つまり元アンジェリカはチキュウの君の肉体の本来の持ち主ってこと」

「なん……ですと?」

「アンジェリカは今チキュウの元君の肉体に宿って元気に暮らしてるよ。そこは安心して?」

「安心とか……そういう問題か!?そもそも何でカミサマとやらがそんな凡ミス冒すのよ!?」

「神も万能じゃないんだ……人間のようにうっかりミスすることもあるんだよねぇ……」

「人生狂わせといて……うっかりのレベルが違うだろー!?」

「いやーホント面目ない。君たちには謝っても謝りきれないから、色々僕なりに便宜図ってるつもり」

許しててへぺろ♪みたいな顔してるけど神経逆撫でされるわホント。

「ひとまず君はこれから死ぬまでアンジェリカだ」

「ちょっと待って。ここはゲームの世界なの?」

カミサマは困ったように首を傾げた。

「その説明はまた別の機会に、かな。ひとまず君はゲームではなく1人の人間として生きてる。アンジェリカとしてこれからの生を全うするんだ。僕はそれを伝えにきたんだよ」

まだ色々聞きたいのに、カミサマの輪郭が段々ボヤけて意識が朦朧としてくる。

「また会おう」

私の意識は完全に闇に呑まれた。
しおりを挟む
感想 31

あなたにおすすめの小説

当て馬令息の婚約者になったので美味しいお菓子を食べながら聖女との恋を応援しようと思います!

朱音ゆうひ@11/5受賞作が発売されます
恋愛
「わたくし、当て馬令息の婚約者では?」 伯爵令嬢コーデリアは家同士が決めた婚約者ジャスティンと出会った瞬間、前世の記憶を思い出した。 ここは小説に出てくる世界で、当て馬令息ジャスティンは聖女に片思いするキャラ。婚約者に遠慮してアプローチできないまま失恋する優しいお兄様系キャラで、前世での推しだったのだ。 「わたくし、ジャスティン様の恋を応援しますわ」 推しの幸せが自分の幸せ! あとお菓子が美味しい! 特に小説では出番がなく悪役令嬢でもなんでもない脇役以前のモブキャラ(?)コーデリアは、全力でジャスティンを応援することにした! ※ゆるゆるほんわかハートフルラブコメ。 サブキャラに軽く百合カップルが出てきたりします 他サイトにも掲載しています( https://ncode.syosetu.com/n5753hy/ )

【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない

朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。

おばさんは、ひっそり暮らしたい

波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

婚約破棄までの七日間

たぬきち25番
恋愛
突然、乙女ゲームの中の悪役令嬢ロゼッタに転生したことに気付いた私。しかも、気付いたのが婚約破棄の七日前!! 七日前って、どうすればいいの?!  ※少しだけ内容を変更いたしました!! ※他サイト様でも掲載始めました!

婚約破棄された際もらった慰謝料で田舎の土地を買い農家になった元貴族令嬢、野菜を買いにきたベジタリアン第三王子に求婚される

さくら
恋愛
婚約破棄された元伯爵令嬢クラリス。 慰謝料代わりに受け取った金で田舎の小さな土地を買い、農業を始めることに。泥にまみれて種を撒き、水をやり、必死に生きる日々。貴族の煌びやかな日々は失ったけれど、土と共に過ごす穏やかな時間が、彼女に新しい幸せをくれる――はずだった。 だがある日、畑に現れたのは野菜好きで有名な第三王子レオニール。 「この野菜は……他とは違う。僕は、あなたが欲しい」 そう言って真剣な瞳で求婚してきて!? 王妃も兄王子たちも立ちはだかる。 「身分違いの恋」なんて笑われても、二人の気持ちは揺るがない。荒れ地を畑に変えるように、愛もまた努力で実を結ぶのか――。

【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~

降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。

混血の私が純血主義の竜人王子の番なわけない

三国つかさ
恋愛
竜人たちが通う学園で、竜人の王子であるレクスをひと目見た瞬間から恋に落ちてしまった混血の少女エステル。好き過ぎて狂ってしまいそうだけど、分不相応なので必死に隠すことにした。一方のレクスは涼しい顔をしているが、純血なので実は番に対する感情は混血のエステルより何倍も深いのだった。

男装の騎士に心を奪われる予定の婚約者がいる私の憂鬱

恋愛
私は10歳の時にファンタジー小説のライバル令嬢だと気付いた。 婚約者の王太子殿下は男装の騎士に心を奪われ私との婚約を解消する予定だ。 前世も辛い失恋経験のある私は自信が無いから王太子から逃げたい。 だって、二人のラブラブなんて想像するのも辛いもの。 私は今世も勉強を頑張ります。だって知識は裏切らないから。 傷付くのが怖くて臆病なヒロインが、傷付く前にヒーローを避けようと頑張る物語です。 王道ありがちストーリー。ご都合主義満載。 ハッピーエンドは確実です。 ※ヒーローはヒロインを振り向かせようと一生懸命なのですが、悲しいことに避けられてしまいます。

処理中です...