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本編

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「ちょっ何グレン、痛いな!」

「何だグレン、相手してもらえなくて拗ねてんのか?」

「拗ねてる?ああ、そうかもな」

そこは否定しろよ。あんたが拗ねても全然かわいくな──頬杖ついて拗ね顔でこっち見てるグレン、すいませんちょっと可愛かったです。地球時代は弟がいたからかな、そういう顔に弱いんだ反則!
私が反応できないでいるのを良いことに、グレンが頬っぺた指で摘んでムニムニしだした。

「な、何してるの!?」

「手触りがいいなと思って」

「ぶははは!あのグレンが甘えてるとかすげーな!ラブラブじゃねーか」

まてえええい!スルーしてしまいたいけど聞き捨てならない!断じてラブラブではない!でも甘えてる……確かに甘えられてる感はある。何だよどうしたんだよ最近のグレン変でしょ?しかも人前で……私とした事がどうして良いか分からなくてされるがままだし。レベッカちゃんは反応に困ってるのかただ聖母像みたいに微笑んでる。

「断じてラブラブじゃないから!このギスギスっぷりが見えないの!?」

「えーギスギス?どこにもみえねーよな、ベッキー?」

「ええ。とても睦まじく見えます。微笑ましいくらい」

……終始こんな感じでランチは終了した。色んなもの削られてグッタリ気味の私に反して、グレンは何だか上機嫌だった。食堂出て二人と別れた所でグレンに引き止められた。

「今日も勉強会するんだろ?」

「うん、その予定」

セレスちゃんとの勉強会も週2日ペースで続いてた。カメラアイのお陰+地球知識で私の学力は現状に追いつくどころか追い越してると思う。
元々グレンとくっ付けようなんて下心満点な会だったんだよね。セレスちゃんに愛する婚約者が居ると分かった以上、もう勉強会自体は無くして、楽しく女子会何てどうかな?レベッカちゃんも誘ってさ。いいかも!何か楽しくなってきた!

「今日は俺も行こう」

「え、来なくて良いよ」

「行くから待ってろ。帰りも送って行く」

「いやホントいらないから……ふがっ!」

また鼻つままれた!

「全く生意気な女だな。俺にそんな口きく女はお前くらいなもんだ」

「そうだよ!可愛い子なら他にいくらでもいるでしょ!」

グレンはつまんでた鼻を解放すると、私の顔じぃって正面から眺めた。

「な、何よ?」

いきなりグッて顔近づけて来るから身構えたら、唇の端っこペロって舐められた。

「ぐ、グレン!?」

ここまだ人、人いるし見られてるし!

「クリームついてたぞ。甘ぇ……」

甘いの苦手なのかグレンは顔顰めた。ってちがうだろー!

「教えてくれれば良いのにっ!そんな人前でっ!」

「人前じゃなきゃいいのか?」

「もーそういう問題じゃない!馬鹿グレン!」

「まあそう怒るな、淑女の鏡?」

グッと私を黙らせる魔法の言葉。ムカつく男だ全く。

「又放課後な」

ふっと笑いながら私の頭をワシワシっと撫でるとグレンは去っていった。呆気にとられてぼーっと立ち尽くす私を残して。
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