乙女ゲーに転生!?ある日公爵令嬢になった私の物語

ゆーかり

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本編

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日課の裏庭での魔法訓練中、どうやら風邪を引いたみたいだ。ちょっと薄着だったのがまずかったかな。頭ガンガン悪寒でゾクゾク関節も痛い。

「ただの風邪のようですね。2、3日寝ていれば良くなりますよ」

ヴァルク家主治医のインテリ眼鏡がにっこり笑うと、メイドに薬渡して去ってった。風邪なんて久しぶりだな。元アンジェリカは結構病弱だったみたいでさ、しょっちゅう倒れてたらしいんだ。あれ、でも私アンジェリカになってから病弱って自覚したことないな。んーまいっか!健康なのはよきよき。あ、今は絶賛風邪引き中だった……って自覚したら意識が朦朧としてきた。休養が必要だからね、私は逆らわずに睡魔に身を委ねた。







「お、ここは……」

「やっ!また会えたね」

私に笑いながら手振ってる無個性平均顔の男。

「自称カミサマ?」

「うん、僕神様。無個性だけど覚えててくれて嬉しいな」

「ホントに神様なら聞きたいこといっぱいあるよ?」

「いいよー時間が許す限り教えてあげる」

まじか!太っ腹だな。

「そもそもアンジェリカって何?スペック高過ぎない?」

「アンジェリカは僕の巫女だからね。遠い昔君の魂に僕手ずから恩寵を授けてる。今となっては人々から忘れ去られた存在だけどね」

巫女ねえ。お正月に神社で売り子してるお姉さん達が頭に浮かんじゃった。

「あ、それ全然違うから」

「また心読んでるしっ!キモ神めっ!」

「あーついごめんごめん。でもキモ神は……悲しいなぁ」

神様しょんぼり。なんかやけに人間臭いんだよね。

「遠い昔にってことは……つまりアンジェリカの魂は恩寵とやらと共に輪廻転生してるってこと?」

「そう。君は頭が良いから話が早くて助かるね」

「……その恩寵とかアンジェリカの役割って何なの?」

「お、核心きたね、聞いちゃう?」

え……聞いたら後戻りできなくなるとかそういうヤツ?何かそれにはまだ覚悟が足りないような気がするな。

「うんうん、そうかそうか」

神様したり顔で頷いてる。掌の上で転がされてる感半端ない……

「僕はね、恩寵を盾に君に何かを強要するつもりはないんだよ。君は自由に思うまま生きればいい」

「うん、言われなくてもそのつもり。ねえ、アンジェリカはグレンが好きだったんでしょ?戻らずにアンジェリカとして結ばれた方が幸せだったんじゃないの?」

神様ここで微妙な顔になる。なんだその表情は?ちょっと悲しそう?

「アンジェリカはそうでも、グレンはどうだろね。二人はこのままだと不幸にしかならなかった」

「グレンは元アンジェリカを愛せなかったってこと?」

悲しそうに神様は頷いた。

「グレンはアンジェリカを愛する筈だった。でもあのアンジェリカでは駄目なんだ」

「待って!それだとまるで私なら愛されるみたいに聞こえるじゃん!?」

「あれ、自覚ないの?」

「あ、やっぱいい!それ以上聞きたくないです!」

ふふって神様イヤらしい含み笑い。こいつホントに神様なんかい?

「いいよ、見えること見ないふりって君なりの防衛本能なんだろね。自分を大事にするのは悪いことじゃ無い」

何こいつ急に訳わかんないこと言ってんの?グレンが私を愛するとか……ないない。そもそも私があのグレンを愛するとか想像もつかないし。

「ふふ、いつかその曇った眼がクリアになると良いね」

「……それよりこの世界はゲームなのかって話。この間聞けなかったよね?」

「そうだったね。簡潔に言えばあのゲームがこの世界をベースに作られたものなんだよ。だからこの世界はゲームじゃなくて現実。君はチキュウから見たら所謂異世界の現実で生きてるってこと」

やっぱり私の前提が間違ってたんだ。ゲームに出ていたキャラも、ここでは自分の意思で動いて生きてる。じゃあ最初からゲームの知識なんて無い方が良かったんじゃ……

「んーそう言われちゃうと僕もちょっと切な悲しいなぁ」

「また勝手に人の心を……何であんたが切な悲しくなんのよ?」

「ああ時間足りない!その話もまた今度かな。お大事にねアンジェリカ」

神様がバイバイって手振ると、一瞬で意識が途切れた。
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