乙女ゲーに転生!?ある日公爵令嬢になった私の物語

ゆーかり

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本編

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「はあ……」

差し出されたサンドウィッチもそもそ食べながらでっかい溜息つく私。

「風邪で頭までおかしくなったのか?まあ元々おかしかったけどな」

「かもね……はぁ」

「何だ?張り合いないな」

だめだグレンの憎まれ口にも反応できない。こいつから何とか逃げようとしてんのに、自ら外堀埋めてどうするん……ちょっと隣女子の反応見るつもりが予想以上の成果で燃えてしまった……今日ばかりはこの性格が恨めしい。
物思いに耽ってたらグレンにむにっと頬っぺた摘まれた。

「いひゃい」

「笑え」

「なんで?」

「俺と一緒できて嬉しいんだろ?笑ってろ」

くっ……さっき自分で言ったことだ反論できぬ……まあ最近は慣れたのかグレンが側にいるのもそんな嫌じゃなくなった。なんせ私達一晩共にした仲だし(白目)。

「グレン、私達が噂になってるの知ってる?」

「噂?」

「グレンが私を看病までして寵愛が半端ないとかナントカ」

「ほう」

グレンはニヤって嫌な笑い。その顔は噂のこと絶対知ってるし……まさか確信犯?

「俺はお前の婚約者だ。お前を可愛がるのになんの不都合がある?」

「可愛がられた記憶なんてないですけど?」

「そうか、気の毒なその頭にあの夜のこと思い出させてやろうか?」

「いえ、結構です」

「照れることはないだろ?お前はずっと俺を離さず──」

「あーあーそれ以上はホントやめてお願い!」

くそー!今回は私の負けだ!色々やらかしてしまった自覚あるから反論できないんだよぉ……

「大体グレンが私と仲良くしてどんなメリットがあるの?」

私色々勉強はしてるつもりだけど、政治関係はまだちゃんと手つけられてなくて良くわかんないんだよね。

「今日の放課後時間はあるか?」

えーと確か今日は何も無いはずだ。私はコクリと頷く。

「なら迎えに行く。逃げるなよ」

すうって目を細めるグレンに、受けて立つ!と言わんばかりに睨み返す。

「絶対逃げない!」

私はこの世界で生きていくために色々知らなきゃいかんのだ!






「えっとグレン?」

「何だ」

「話するのになんでこんなとこ?」

アンジェリカの家ってかなりお金持ちみたいでさ、家は宮殿みたいにキラキラ豪華なんだけど……それ以上に何ここ世界遺産?私が連れ込まれた先は王宮のグレンの自室だった。見る目ない私が見ても建物調度品どれもお高いんでしょって感じ。

「ここは強固な結界が張ってあるから話を聞かれる心配がないんだ」

「そうなんだ」

ん?そこまでの機密を私に?自分が望んだとはいえあんまり深入りはしたくないんだけどな……
出された琥珀色の紅茶の湯気をボンヤリ眺めてたら、隣に座ったグレンが私の髪の毛クルクル指に巻きつけて弄びだした。

「最近それ好きだよね」

「そうだな、お前の髪手触り良くて気持ち良いんだ」

「あっそ、好きにすれば」

「……良いのか?」

「髪の毛限定ですから、不埒な妄想はおやめ下さい殿下」

ぎっと睨みつけて牽制する。グレンは面白そうに唇を歪めた。

「たまに淑女なお前も面白いが、いつもの粗野で下品なお前はもっと面白いよな」

何やっても私は面白いんですかソウデスカ良かったですねー(棒読み)。無言でずずっと紅茶を啜る私の髪を相変わらず弄びながら、グレンは何か楽しそうに笑ってた。ホントキャラ変わったよなこの男。
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