乙女ゲーに転生!?ある日公爵令嬢になった私の物語

ゆーかり

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「ご主人様、難しい顔してどうしました?」

元アンジェリカの習慣だったらしい、就寝前のホットミルクをアズが持ってきてくれた。

「ありがとう。ねえアズ、魔族って精神干渉とか得意なんだよね?」

「全魔族が、というわけではありませんけど、そういうのを得意とする者達はいますね」

「へぇアズもそういうのできるの?」

「まあ出来ますけど……そういう卑怯で下劣な術は好みません」

アズすんごい嫌そうな顔してる。よっぽど精神干渉嫌いなんだな。

「あれ、いきなり不意打ちで攻撃してくるのは卑怯とか下劣じゃないの?」

「ふふ、あなたのような人間は初めて見たので興奮のあまり我慢できませんでした」

悪びれもしないでにっこり笑いおって……興奮のあまりうっかり殺しちゃっても仕方ないよね、てへ☆って感覚なのか。全く魔族ってやつは……

しかも絶対笑顔で誤魔化せるとか思ってるよね。いいよいいよ、その美貌に免じて誤魔化されてあげようじゃないの!

面食いでもない私でもたまにクラってするんだよね、アズって。魔族って皆こんな感じなのかな?なんかこう魔性の魅力というかなんというか……危険な感じ?まあ魔族が人間に敬遠されるのも分かるよね。

「こんな僕を下僕として受け入れてくれて本当にありがとうございます、ご主人様」

笑顔はマジ天使!全くこういうとこズルいよねー!バカな私なんてこの可愛さに何でも許しちゃうよ!

「もうしょうがないなぁアズは……ってそうじゃなくて!人間が行う精神干渉と魔族が行う精神干渉って違うんだよね、やっぱ?」

「人間が行う場合禁呪に相当すると思いますけど、禁呪には必ず代償が伴います。その犠牲を払ってまで行う人間はまずいないと思いますね」

「代償ってまさか命、とかじゃないよね?」

「いえ、そのまさかです」

まじか!だから「禁呪」なのか、納得。ってなると魔族が絡んでる線の方が濃厚?ああでも私色々チート能力あるけど魔力検知能力は絶望的にないんだよな……だから魔族とか高位魔術師とか側にいても分かんないんデスヨ。

「そういえばグレンってなんでアズが魔族って分かったんだろ?」

「ああ、僕が隠さなかったからです」

しれっとドヤ顔美少年。

「え、なんで?普段は隠してるってこと?」

「普段は隠してますよ、完璧に無害な人間のふりです。あの男は見た瞬間魔力を解放しました」

「何でわざわざそんなこと?」

アズはきゅって顔引き締めた。

「言いたくありません……」

「アズ、無理を言いたくはないんだけど、そこちょっと今の私には重要かもだから教えて?」

アズはちょっと泣きそうな顔になった。え、何事!?

「僕の事、嫌いになりませんか?」

「んー聞いてみないと分かんないけど多分ならないと思う!」

「僕の力を見せつけたかったんです。あの男ご主人様の事自分のものみたいに振る舞うからムカついて……」

なるほど、ヤキモチ的なあれか……アズ行動が子どもっぽいって自覚有で恥ずかしかったのね。んーやっぱそういうとこは男の子だよね、可愛いなぁ。私アズの頭わしゃわしゃ撫でる。

「そっかそっか。少なくともグレンには私以上に検知能力があるってことだね!」

「ご主人様は壊滅的になさすぎると思います」

くううう!数々のチートを持ちながら何で魔力検知させてくれないんだ神よ!って流石にこれ以上は望み過ぎだよね。

「アズも嫌な思いさせてごめんね。魔族は自分で魔力解放しない限り、完璧に人間に擬態できるんだね?」

「そうです。でもまあ魔族にも色々居るんですけどね。僕みたいに自分の肉体ごと顕現させられない低級な魔族も多いんですよ」

「んーそれって結界とかそういう関係で?」

「そうです。人間の世界って誰が作ったのか知りませんけど、魔族除けの強固な結界があるんですよ。それをくぐり抜けられない低級な魔族は、邪な人間に召喚されて契約してその人間の肉体を仮宿にしてやっと存在することができるんです」

「それって……人間の肉体に悪魔の魂を宿してるってこと?」

「はい。そういう魔族は僕以上に完璧に人間を装えますよ。なにせ肉体は本物の人間なんですから」

そんなことされたらお手上げだー!バタンってベッドに倒れて私は漫画のように意識を失ってしまった――
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