乙女ゲーに転生!?ある日公爵令嬢になった私の物語

ゆーかり

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本編

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「概ねあの二人にあてられたってとこか?」

「うん、ホント仲良いよねあの二人」

甘すぎてこっちが砂吐きそうだったよ……

「そうだな、放っとくとすぐ二人の世界だな」

あんなに仲良くて浮気を疑うなんて!アーサーどんだけおかしくなってたんだろ?

「レベッカちゃんに初めて会った時、アーサーがサリーちゃんのこと好きなんじゃないかって悩んでたんだよね。サリーちゃん一体何したんだろ?」

「アンリ」

最近グレンの目見ただけで何となく意図を察する術を覚えた……気がする。全くわかんない時もあるけど。

取り敢えず今は黙れ、かな。私が頷くと、グレンは満足そうに笑って私の肩を抱いた。
うっかり文句言いそうになったけど、公の場では私グレン大好きなアンジェリカ⭐︎だからね、絶対分かってやってるよねグレン。

肩抱かれたまま、グレンの──というより王族専用のらしい──個室に連れて行かれた。

「サリー・ヒートンは恐らく精神干渉に関する何らかの術が使えるようだ」

「え!?でも精神干渉って禁呪に相当するんでしょ?サリーちゃんってそんな凄い魔力があるって聞かないけどな?」

「魔法実技は並だった。ちなみにお前は採点不能で補習らしいな」

「な、なんでもうグレンが知ってるの!?」

「一応王族だからな、その気になってできないことの方が少ない」

おのれ権力無駄遣いしおって!

「付き合おうか?」

「え?」

「杖の使い方、まだ慣れてないんだろ?教えてやってもいいぞ」

「いいの!?あ……やっぱいい……」

「何でだ?」

「だってグレンに教えてもらったら高くつきそうだし……」

ただでさえ借り返しきれてないしさ……これ以上借金増やせないよ。
ちょっと俯いてたらグレンにいきなり両手で頬っぺぐっと挟まれた。分かりますか、私今思いっきりタコ口になってますよ!

「アンリは俺の婚約者だろ。そんな事ぐらいで貸しにするかよ」

「ふぁなふぇ!」

グレン吹き出した!乙女に散々変顔させて喜ぶとかこいつマジ変態かよ!

「これまでのアンジェリカの評判守りたいんだろ?」

ぐっと言葉に詰まる。そこを突かれると本気で痛い。評判なんて大そうなものじゃなくて、私は元アンジェリカの血の滲むような努力だけはどうしても守りたいんだ。こんな馬鹿な意地なんて張ってる場合じゃなかったね。

「……おねふぁい」

グレンメッチャ楽しそうに笑うと、私のタコ口にキスしおった!両手でガッツリ固定されてるから逃げらんないし!変顔にキスとか物好きだなホントに……

「明日から厳しく仕込むぞ」

グレンはニヤって笑うとおでこにキスした。もうそういう甘いのヤメテ!ホント反応に困るから!
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