乙女ゲーに転生!?ある日公爵令嬢になった私の物語

ゆーかり

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本編

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グレンのお陰で無事補習もクリアしたよ!一週間みっちりしごかれた甲斐あったなぁ……ザマス先生もニッコリの出来だったし、杖魔法ももうバッチリ!

ただし威力は滅茶苦茶弱い……どう頑張っても下の上レベルで実技に関して元アンジェリカの努力に報いることは出来なそうだ……ごめんよ元アンジェリカ(涙目)!

でもまあ今回ばかりはグレンに感謝だな、とルンルンで迎えた週末のお休み!今日は人生2度目の夜会に来てるよ!

夜会ってさ、毎日何処かでは行われてるんだよね。どれに出席するか、とかは今のところグレンのチョイスなんだけど、まだ政治的なお勉強が進んでない私には取捨選択具合が良くわかんないんだ。

でもさ、そんな私でも流石に今日のお宅は分かるよ。
クライン子爵家──王太子の生母アニエステ妃の生家ですよ!何かもう敵陣に突っ込んでいく気分だよ。
散々グレンの命狙ってた人の親類の家にわざわざ出向くなんてって思うけど、色々大人の事情でどうしても断れなかったんだって。

緊張しながらホールに入ると、私一瞬足を止めちゃう。内装金ピカキラキラで、ハッキリ言ってしまえば成金ぽくて品がない……まあ私にだけは言われたくないだろうけどさ!

しかもここはオペラ座か!?なレベルのでっかいシャンデリアにポカーン。何というデカさだ……呆気にとられてるとグレンが顔を寄せてきた。

「間抜けな顔するなよ」

ハッとしてキッと睨む。

「こういう顔なんですっ!」

ニヤッと笑ってたグレンの顔が一瞬で無表情に変わった。ん?どうしたんだろ?グレンの目線の先を辿ると──あああああ居ますよねぇセオドシア殿下!しかもこっちに気付いたみたいで近付いてくるううう!

「やあグレンシュフォンティエルにアンジェリカ。会えて嬉しいよ」

グレンは何も言わないで礼だけする。

「セオドシア殿下、こんなところでお会い出来るとは……光栄です」

カーテシーして顔上げると……あ、あれ!?シアさんの隣でパートナーしてるのって……隣女子じゃない!?

「グレンシュフォンティエル殿下、アンジェリカ様お会いできて嬉しいです。マチルダ・メイヨールと申します」

マチルダちゃんっていうのか……今更名前知ったよ。だって隣にいるのにわざわざ名前聞けないし、教えてくれるような親しい人もクラスには居ないんだもんね。
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