乙女ゲーに転生!?ある日公爵令嬢になった私の物語

ゆーかり

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本編

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「てかグレン、お兄さんと継母が魔族関係者なのに何でそんな冷静なの?」

グレンは視線を斜め上に向ける。

「昔からあの二人を前にするとザワザワと胸が騒いだんだ。うまく言えないが……違和感のようなものがこびりついてた。だからかな、妙に納得できたんだ。あの違和感の正体はそれか、ってな」

なるほど……グレンの検知能力ってかなり優秀なんだな。てかまた私のいうことそんなあっさり信じちゃうの?グレン私に対して無防備過ぎない?グレンは私を見るとニっと笑った。

「こう見えても人を見る目はそれなりにあるんだ。伊達に修羅場潜ってないからな」

そっか、子どもの頃から命狙われたり、継母にいびられたり辛い思いいっぱいしてきたんだろな……そのグレンの目から見て私が信用できるっていうなら、私はそれに応えないとね!

「あんたに恩返ししたいし私頑張るよ」

グレンめっちゃしょっぱい顔になる。

「頼むから危ないことはするな……アンリ」

「ひ、ひゃい!?」

グレンの低い声にビビって変な声出ちゃったよ!

「お前のお陰で俺も覚悟を決めた。見たくないもの見ないふりし続けて、結果的にお前を巻き込んでしまった。その……」

グレンがらしくもなく言い淀む。まさかこれって……ごめんなさいが言いたいけど言えないってヤツ!?

「今謝罪とかそういうの要らない。何かしたい事あって私に手伝えるなら言って?」

「……何もしなくて良い。見届けろ」

「それだけで良いの?」

グレンはゆっくり頷いた。ああ、良い目してるね。覚悟を決めた男の目。やっと気付いたよ、あんた見た目も性格も何もかも私の好みじゃないはずだけど……イイ男じゃん。

「分かった。何もできないのは癪だけど、あんたを見届けるよ」

グレンが今まで見た事もないくらい優しく笑った。そしてこれまで空気だったサリーちゃんに目を向ける。サリーちゃんは敵でも見るような目でグレンを見てた。グレンは気にすることもなくふっと不敵に笑った。

「サリー・ヒートン、あなたの協力が必要だ」
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