友泉(ゆうみ)とたっくん~かあさんに恋をしたら

佐伯達男

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第4話

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Y公園で発生した事件をきっかけに、かあさんとぼくは休日ごとにデートに出かけるようになった。

入籍したての頃は、時間を作ってデートに行くことができなかったので、ふたりの想い出をいっぱい作るために、休日ごとにデートに出かけていた。

一緒に映画鑑賞を楽しんだり、まちなか広場(ほんからどんどん)やオシャレなレストランなどで食事をしたり、キスケワオ(カラオケボックス)へ行ってふたりが大好きなお歌をたくさん歌ったり、毎年2回いまこく(今治国際ホテル)で開催されるディナーショーへ行って、ゲストの歌手の歌を一緒に聴くなど…デートをいっぱい楽しんでいた。

他にも、松前のエミフル(フジグラン)でショッピングを楽しんだり、夏は五色姫海浜公園のビーチへ行って、水着になって水遊びを楽しんだり…

その他にも、しまなみ海道を越えて山陽地方へデートに行った。

倉敷の美観地区の古い街並みの通りおててつないで一緒に歩いたり、広島のパルコでショッピングを楽しむなど…

ぼくとかあさんは、ラブメモリーをいっぱいいっぱい作って行った。

また時は流れて…

10月の最初の日曜日に、いまこく(今治国際ホテル)のブライダルフェアが開催されていたので、かあさんと一緒にいまこくへ行った。

この時、ぼくとかあさんはバレンタインデーの翌日の土曜日に、挙式披露宴を挙げるを決めていたので、仮予約を取ることにした。

仮予約を入れたあと、かあさんとぼくは早速挙式披露宴の準備と新居探しを始めていた。

住まいは、今よりもいいところが見つかった時点で引っ越しをするとあらかじめ決めています。

ぼくとかあさんは、休日ごとに挙式披露宴の準備と新居探しをして、来たる日に備えていた。

また時は流れて…

待ちに待ったクリスマスイブがやって来た。

クリスマスイブの夜は、かあさんと二人きりで甘い時間を過ごす予定となっていた。

この時、会社は1年の総決算の書類を作るなどで…バタバタとしていた。

クリスマスイブの日も、書類の作成や売り上げ高の計算などのお仕事がたくさんありましたので、ぼくはいつも以上にお仕事をがんばっていた。

夕方頃のことであった。

かあさんを迎えにパン屋さんへ行った時、ぼくの顔はすごくしんどそうな表情になっていた。

パン屋さんのご主人さまは、ぼくの表情がいつもと違うことに気がついたので、すごく心配になっていた。

「たっくん、顔色がよくないけれど、大丈夫か?」
「はい、大丈夫です。」
「どうもすみません…ありがとうございました。たっくん、一緒に帰ろう。」

ぼくの表情がいつもと違うことに気がついたかあさんは、ぼくが無理をしているのではないのかと思って心配になっていた。

そんな中で、ふたりは部屋に帰ってきた。

この時ぼくは、すごく疲れていたので先にお風呂に入ることにした。

お風呂に入った後は、かあさんと二人でクリスマスイブの甘いひとときを過ごす予定になっていた。

それから90分後のことであった。

かあさんは、ぼくがお風呂から上がっていないので、どうしたのかなと心配になってお風呂場へ行った。

そしたら…

「キャッ、たっくん!!」

ぼくは、浴槽の中でおぼれていた。

「かあさん…苦しいよ…かあさん…」

大変だ…

パニックにおちいっていたかあさんは、急いで近所の人たちに助けを求めに行った。

「大変よ…たっくんがお風呂の中でおぼれているわ!!たっくんを大急ぎで助けてください!!」

かあさんは、となりの住人に助けを求めた。

「こりゃいかん…」

となりの部屋のご主人と息子さんが、浴室にかけつけて来た。

ご主人と息子さんは、浴槽の中でおぼれているぼくを助けた。

「たみおさん、しっかりしてください!!」
「たみおさん!!」

救助されたぼくは、意識を失っていて、死の淵をさまよっていた。

意識を失っているぼくは、救急車で県病院に救急搬送された。

救急搬送口にて…

ぼくは、痛々しい状態でストレッチャーの上に載せられていた。

ぼくの口には、酸素マスクがつけられていた。

心拍数も血圧も…

異常な数値になっていて…

きわめて危険な状態におちいっている…

ぼくは…

このまま死ぬのかな…

そんなんイヤや…

そんなんイヤや…

医師の診断の結果、浴室の温度の急変が原因でぼくの血圧が急に高くなった…それが原因で意識を失ったあと浴槽の中でおぼれたと診断された。

医師は、極度のストレスが大きな原因で引き起こされたことも考えられるとも言うていた。

そして…

「今夜が峠でしょう。」

医師は、厳しい言葉で『覚悟しておいてください』とかあさんに伝えていた。

痛々しい姿で集中治療室のベッドに横たわっているぼくをみたかあさんは、くすんくすんと泣きじゃくっていた。

「たっくん…たっくん死なないで…」

この時、ぼくの両親とかあさんの兄夫婦が病院に駆けつけてきた。

「友泉(ゆうみ)。」
「兄さん…」
「たみおさんは?」
「今夜が峠だと…先生から宣告されたわ。」
「まさか。」
「たみお。」
「ああ…心配だわ。」

ぼくの両親も、痛々しい状態におちいっているぼくを心配していた。

6時間後に、急患の患者さんが救急車で運ばれてきた。

この時、急患の患者さんが大量に吐血して最大血圧が大きく下回っているので、大至急集中治療室を使用することになったので、ぼくは5階の個室の病棟へ移された。

パン屋さんのご主人さま夫婦も、知らせを聞いて県病院にかけつけてきた。

「たみおさん。」
「たみおさん。」
「友泉(ゆうみ)のパート先のご主人さま。」
「たみおさんが、お風呂場で倒れたって、本当なのですか?」
「ええ。」

おくさまは、こう言うた。

「たみおさん、すごく顔色がおかしかったので…まさかとは思っていたわ。たみおさん、だいぶ無理をなされていたみたいだわ…」

かあさんの兄夫婦は、どうすればいいのかとうろたえてばかりいた。

寒い時期の入浴中の事故については、テレビの情報番組で何度も見ていた。

冬場の入浴中の事故の原因は、血圧の急激な変化など複数の原因があると聞いていたけど…

まさか…

30前のぼくが…

よりによって…

入浴中の事故に遭うなんて…

ああ…

どうしてぼくは…

ついていなかったのかなぁ…

神さま…

ぼくはまだ…

死にたくないよぉ…
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