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第2話・さらばシベリア鉄道
【花の首飾り】
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(ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)
時は流れて、1989年7月1日の夜10時過ぎのことであった。
ゆめいろ市から家出して幸せ探しを続けていた17歳の私は、西鉄本線の各駅停車の電車に乗って大牟田方面へ向かった。
深夜11時50分ごろ、私が乗っている電車が大牟田駅に到着した。
電車を降りた私は、国道389号線を歩いて熊本方面へ向かった。
日付が変わって、7月2日深夜3時頃にJR荒尾駅の前に到着した。
ひどく腹が減った減った私は、屋台のラーメン屋へ行った。
屋台のラーメン屋にて…
私は、一杯500円のとんこつラーメンをたのんで遅すぎる夕食を摂っている。
屋台のたなの上に置かれている小型ラジオのスピーカーから熊本放送ラジオで放送されている『歌うヘッドライト』が流れている。
この時、タイガースの歌で『花の首飾り』が聞こえた。
歌を聴きながらラーメンを食べている私は、もしかしたら大番頭はんたちにだまされたかもしれないと思った。
もしかしたら私は…
大番頭はんたちにだまされたのかもしれへん…
なんで私が赤ちゃんの時に…
一方的に私の人生設計を決めたのか…
私は…
イワマツの家なんぞ…
つぎたくない…
時は、1971年12月4日の午前11時半過ぎのことであった。
場所は、アイスランド北部のミーヴァトン湖の湖畔にて…
生後間もない私は、施設長さんと女性スタッフさんふたりと一緒に湖畔の風景をのんびりとながめて過ごしていた。
そんな時であった。
溝端屋の子守女さんが私たちのもとにやって来た。
子守女さんは、大番頭はんたちがホテルのレストランで待っていることを施設長さんに伝えた。
「眞規子はん、大番頭はんたちがホテルのレストランでお待ちです。」
「分かったわ。」
生後間もない私を抱っこしている施設長さんは、女性スタッフさんふたりと一緒に湖畔の近くにあるホテルへ向かった。
ところ変わって、湖畔の近くにあるホテルのレストランにて…
時は、12時半頃であった。
レストランの座席には、生後間もない私を抱っこしている施設長さんと女性スタッフさんふたりと大番頭はんと事務長はんと宮出さんとケントさん夫妻が座っている。
それからしばらくして、番頭はんと車いすに乗っているセヴァスチャンじいさんがレストランに入った。
番頭はんは、大番頭はんたちにセヴァスチャンじいさんが到着したことを伝えた。
「たいへんながらくお待たせしやした。セヴァスチャンじいさんをお連れしやした。」
「ほな、ぼちぼち始めまひょか?」
大番頭はんは、事務長はんに『例のアレを…』とお願いした。
例のアレとは、公正証書に書き換えたセヴァスチャンじいさんの遺言書である。
事務長はんは、公正証書が入っているふうとうを宮出さんに手渡した。
「宮出、頼んだぞ。」
「分かった。」
事務長はんからふうとうを受け取った宮出さんは、封を開ける準備を始めた。
大番頭はんは、生後間もない私を抱っこしている施設長さんに公正証書に記載されている内容を読み上げたあと、生前贈与の手続きに入ることを伝えた。
「ほな宮出はん、よろしゅうたのんます。」
大番頭はんから言われた宮出さんは、公正証書が入っているふうとうにはさみを入れて開封した。
封を開けた宮出さんは、ふうとうの中に入っていた書面を取り出して開いた。
このあと、書面に記載されている内容を読み始めた。
「それではこれより、コリンチャンスイワマツキザエモンセヴァスチャンの所有財産を生前贈与に切り替える手続きを挙行する…まず、それに先だって公正証書の内容を読み上げる…なお、すべての文章を読み上げたあと、法的な手続きを執りおこなう…ひとつ…イワマツグループとイワマツ家の財産書に記載されている財産すべてを、コリントイワマツヨシタカグラマシーにすべて贈与する…ただし、贈与の権利が生じるのは、当人が18歳の誕生日をむかえる1989年11月30日より生ずる…なお、正式な権利を有するための法的な手続きは、連帯立会人のもとで行うこと…正式な権利を有するまでの間は、連帯立会人のもとで預かりとする…」
宮出さんは、このあとこまかい部分を2分間に渡って読み上げた。
つづいて、宮出さんは私の人生設計の項目を発表した。
「つづいて、コリントイワマツヨシタカグラマシーの人生設計のことについて読み上げる…ひとつ・『教育』について…コリントイワマツヨシタカグラマシーは、日本国籍を有していないので、日本の国で学校教育を受けることができない…」
宮出さんが言うた言葉を聞いた女性スタッフさんふたりが、ビックリした声で言うた…
「えー、そんなー!!」
「よーくん、日本の学校へ行けないってー!!どうしてなのよ!!」
女性スタッフさんふたりが、宮出さんに異議を唱えた。
それを聞いた大番頭はんは、女性スタッフさんふたりを怒鳴りつけた。
「あんさんら!!だまって聞きなはれ!!」
「あんまりですわ!!撤回してください!!」
「撤回してください!!」
「あんたたち!!…もう…」
端で聞いていた施設長さんは、必死になって女性スタッフさんふたりをなだめた。
「すみません…すみません…続けてください…」
宮出さんは『教育』に関する詳細の事項を読みあげた。
つづいては、『結婚』に関する事項が発表された。
「つづいて、『結婚』の項目について読み上げる…コリントイワマツヨシタカグラマシーは、日本国籍を有していないので、いかなる形であっても、日本の国で『恋愛』『お見合い』『結婚』をすることは厳禁とする…もちろん、日本人女性と『恋愛』『お見合い』『結婚』することも厳禁とする!!」
宮出さんの言葉を聞いた女性スタッフさんふたりが、また異議を唱えた。
「そ、そんなー!!一方的だわ!!」
「そうよ!!撤回してよ!!」
「あんたたちもう!!(ブツブツ…)」
施設長さんは、必死になって女性スタッフさんふたりをなだめた。
宮出さんは、その間に書面に記載されている項目をすべて読み上げた。
約6枚に渡ってつづられた書面を宮出さんが読み上げたあと、イワマツの全財産を私に生前贈与をするための法的な手続きを取る作業に入った。
私は、セヴァスチャンじいさんの意志に沿ってイワマツの全財産の所有権を得た。
しかし、成人年齢(18歳)に達するまでは連帯立会人のもとで預かりとなる。
それから2週間後、セヴァスチャンじいさんは、入院先のマンシュウリの病院で病没した。
時は流れて、1989年7月1日の夜10時過ぎのことであった。
ゆめいろ市から家出して幸せ探しを続けていた17歳の私は、西鉄本線の各駅停車の電車に乗って大牟田方面へ向かった。
深夜11時50分ごろ、私が乗っている電車が大牟田駅に到着した。
電車を降りた私は、国道389号線を歩いて熊本方面へ向かった。
日付が変わって、7月2日深夜3時頃にJR荒尾駅の前に到着した。
ひどく腹が減った減った私は、屋台のラーメン屋へ行った。
屋台のラーメン屋にて…
私は、一杯500円のとんこつラーメンをたのんで遅すぎる夕食を摂っている。
屋台のたなの上に置かれている小型ラジオのスピーカーから熊本放送ラジオで放送されている『歌うヘッドライト』が流れている。
この時、タイガースの歌で『花の首飾り』が聞こえた。
歌を聴きながらラーメンを食べている私は、もしかしたら大番頭はんたちにだまされたかもしれないと思った。
もしかしたら私は…
大番頭はんたちにだまされたのかもしれへん…
なんで私が赤ちゃんの時に…
一方的に私の人生設計を決めたのか…
私は…
イワマツの家なんぞ…
つぎたくない…
時は、1971年12月4日の午前11時半過ぎのことであった。
場所は、アイスランド北部のミーヴァトン湖の湖畔にて…
生後間もない私は、施設長さんと女性スタッフさんふたりと一緒に湖畔の風景をのんびりとながめて過ごしていた。
そんな時であった。
溝端屋の子守女さんが私たちのもとにやって来た。
子守女さんは、大番頭はんたちがホテルのレストランで待っていることを施設長さんに伝えた。
「眞規子はん、大番頭はんたちがホテルのレストランでお待ちです。」
「分かったわ。」
生後間もない私を抱っこしている施設長さんは、女性スタッフさんふたりと一緒に湖畔の近くにあるホテルへ向かった。
ところ変わって、湖畔の近くにあるホテルのレストランにて…
時は、12時半頃であった。
レストランの座席には、生後間もない私を抱っこしている施設長さんと女性スタッフさんふたりと大番頭はんと事務長はんと宮出さんとケントさん夫妻が座っている。
それからしばらくして、番頭はんと車いすに乗っているセヴァスチャンじいさんがレストランに入った。
番頭はんは、大番頭はんたちにセヴァスチャンじいさんが到着したことを伝えた。
「たいへんながらくお待たせしやした。セヴァスチャンじいさんをお連れしやした。」
「ほな、ぼちぼち始めまひょか?」
大番頭はんは、事務長はんに『例のアレを…』とお願いした。
例のアレとは、公正証書に書き換えたセヴァスチャンじいさんの遺言書である。
事務長はんは、公正証書が入っているふうとうを宮出さんに手渡した。
「宮出、頼んだぞ。」
「分かった。」
事務長はんからふうとうを受け取った宮出さんは、封を開ける準備を始めた。
大番頭はんは、生後間もない私を抱っこしている施設長さんに公正証書に記載されている内容を読み上げたあと、生前贈与の手続きに入ることを伝えた。
「ほな宮出はん、よろしゅうたのんます。」
大番頭はんから言われた宮出さんは、公正証書が入っているふうとうにはさみを入れて開封した。
封を開けた宮出さんは、ふうとうの中に入っていた書面を取り出して開いた。
このあと、書面に記載されている内容を読み始めた。
「それではこれより、コリンチャンスイワマツキザエモンセヴァスチャンの所有財産を生前贈与に切り替える手続きを挙行する…まず、それに先だって公正証書の内容を読み上げる…なお、すべての文章を読み上げたあと、法的な手続きを執りおこなう…ひとつ…イワマツグループとイワマツ家の財産書に記載されている財産すべてを、コリントイワマツヨシタカグラマシーにすべて贈与する…ただし、贈与の権利が生じるのは、当人が18歳の誕生日をむかえる1989年11月30日より生ずる…なお、正式な権利を有するための法的な手続きは、連帯立会人のもとで行うこと…正式な権利を有するまでの間は、連帯立会人のもとで預かりとする…」
宮出さんは、このあとこまかい部分を2分間に渡って読み上げた。
つづいて、宮出さんは私の人生設計の項目を発表した。
「つづいて、コリントイワマツヨシタカグラマシーの人生設計のことについて読み上げる…ひとつ・『教育』について…コリントイワマツヨシタカグラマシーは、日本国籍を有していないので、日本の国で学校教育を受けることができない…」
宮出さんが言うた言葉を聞いた女性スタッフさんふたりが、ビックリした声で言うた…
「えー、そんなー!!」
「よーくん、日本の学校へ行けないってー!!どうしてなのよ!!」
女性スタッフさんふたりが、宮出さんに異議を唱えた。
それを聞いた大番頭はんは、女性スタッフさんふたりを怒鳴りつけた。
「あんさんら!!だまって聞きなはれ!!」
「あんまりですわ!!撤回してください!!」
「撤回してください!!」
「あんたたち!!…もう…」
端で聞いていた施設長さんは、必死になって女性スタッフさんふたりをなだめた。
「すみません…すみません…続けてください…」
宮出さんは『教育』に関する詳細の事項を読みあげた。
つづいては、『結婚』に関する事項が発表された。
「つづいて、『結婚』の項目について読み上げる…コリントイワマツヨシタカグラマシーは、日本国籍を有していないので、いかなる形であっても、日本の国で『恋愛』『お見合い』『結婚』をすることは厳禁とする…もちろん、日本人女性と『恋愛』『お見合い』『結婚』することも厳禁とする!!」
宮出さんの言葉を聞いた女性スタッフさんふたりが、また異議を唱えた。
「そ、そんなー!!一方的だわ!!」
「そうよ!!撤回してよ!!」
「あんたたちもう!!(ブツブツ…)」
施設長さんは、必死になって女性スタッフさんふたりをなだめた。
宮出さんは、その間に書面に記載されている項目をすべて読み上げた。
約6枚に渡ってつづられた書面を宮出さんが読み上げたあと、イワマツの全財産を私に生前贈与をするための法的な手続きを取る作業に入った。
私は、セヴァスチャンじいさんの意志に沿ってイワマツの全財産の所有権を得た。
しかし、成人年齢(18歳)に達するまでは連帯立会人のもとで預かりとなる。
それから2週間後、セヴァスチャンじいさんは、入院先のマンシュウリの病院で病没した。
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