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第3話・どうぞこのまま
【あの日に帰りたい】
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1989年夏、再渡米した私はニューヨーク・ウィリアムズバーグのナッソーアベニューにあるミンジュンさんが暮らしているアパートメントの部屋で生活を始めた。
それと同時に、イワマツを作るプロジェクトを始めるための準備に取りかかった。
9月1日に、私はニューヨークの産業系のハイスクールに再進学した。
その翌日からは、イワマツを作るプロジェクトを始める準備と難易度の高い国家資格を取得することとプリント学習の3つだけの学園生活を送る。
ミンジュンさんは、セントラルパークの東側にある総合病院の産婦人科医である。
イレギュラーの勤務体系なので、夜間部屋にいないことが多いし、急患の場合は休日だろうが夜寝ていようが出勤しなければならない。
なので、ミンジュンさんがいない時が多い。
そんな中で私は、イワマツを作るプロジェクトを始める準備と難易度の高い国家資格を取得することとプリント学習の3つだけの学園生活とこづかい稼ぎのバイトに精を出す。
私と同い年の子たちは、その頃は卒業後に向けてアレコレと忙しい時期を過ごしている。
『どの大学を受験しようか』とか『手に職をつけたいので専門学校へ行こうか』とか言うて進学先を決めるためにあくせくしている子たちがいるけど、なんでそないにあくせくせなアカンねん…
…と、私はつくづく思う。
1989年11月9日に、欧州を東西に分断していたヴェルリンの壁が崩壊した。
それから3週間後に、私は18歳になった。
1990年~1991年10月の間に、世界情勢がさらに急変した。
東西ドイツが1つに統合されたのを皮切りに、湾岸戦争~ヴァルト三国独立~韓国北朝鮮、国際連合加盟…など…
世界は大きく変動したが、そんな中でもいつも通りの学園生活を送りながら大番頭はんたちの連絡を待ち続けた。
時は、1991年11月24日の夕方6時過ぎのことであった。
この日は、プリント提出と新しいプリントを受け取る日と同時にTOEICの試験があった。
午後2時にハイスクールを出た私は、近くの図書館でプリント学習をした。
ここ数日のことだけど、ミンジュンさんにコレクトコールが来ていた。
部屋におったら、毎日のようにプッシュホンのけたたましいベルに苦しめられるのでうんざりだ。
私が帰宅した時、ミンジュンさんはつらそうな表情で電話の応対をしていた。
「おかーさん、コレクトコールは(着信側に負担がかかるから)やめてといよんのに、なんでかけてくるのよ…おかーさんはミンジュンに幸せになってほしいデスライと言うけど、女の幸せは結婚しかないと言いたいのね!!…ホンマにはぐいたらしいわね!!ミンジュン、ムコはんいらんけん!!…ミンジュンがお見合いイヤといよんのに、どうして勝手なことすんのよ!!…ああ!!ドーキューセードーキューセー…おかーさんはドーキューセーの子と同じ人生じゃないとアカンと言いたいのかしら!!…やかましいわね!!ミンジュン、ムコはんいらんけん!!…ミンジュン、明日からしばらくの間休みないけん…ナマクラのクソッタレの医師がキューカ取ってマッキンリーへ単独登山に行ったけん、人手不足におちいったのよ!!病院は非常事態におちいったのよ!!ほやけん、休暇がつぶれたのよ!!…そういうことで、ほな、しゃいなら!!」
(ガチャーン!!)
ガチャーンと電話を切ったミンジュンさんは、両手で髪の毛を思い切りかきむしりながらキーッとイラついてた。
私は、言いにくい声でミンジュンさんに言うた。
「あの~、ミンジュンさん…どないしはったのですか?」
「ヨシタカさん…」
「なんぞイヤなことでもおましたか?」
「なんでもないわよ!!」
ミンジュンさんは、私にヒステリックに言うたあと、冷蔵庫の中からヴァドワイザー(缶ビール)を取り出して、のもうとしていた。
…と、その時に、またうぐいす色のプッシュホンのけたたましいベルが鳴り響いた。
(ジリリリリン!!ジリリリリン!!)
「あっ、電話に出なきゃ…」
私が電話に出ようとしたが、ミンジュンさんが私に出るなと言うた。
「出ないで!!」
「えっ?出ないでって…」
「いいから出ないで!!」
「なんでやねん?」
「南予の実家のオカンだからダメ!!」
「せやけど…」
「とにかく出ないで!!」
私に突き放す声で言うたミンジュンさんは、台所へかけ込んだあと、背中を向けてヴァドワイザーをのみながらひねていた。
その間も、電話のベルは鳴り続けた。
ミンジュンさん…
困りまんねん…
大番頭はんから大事な電話だったらどないしまんねん…
ミンジュンさん…
ミンジュンさんってば…
それと同時に、イワマツを作るプロジェクトを始めるための準備に取りかかった。
9月1日に、私はニューヨークの産業系のハイスクールに再進学した。
その翌日からは、イワマツを作るプロジェクトを始める準備と難易度の高い国家資格を取得することとプリント学習の3つだけの学園生活を送る。
ミンジュンさんは、セントラルパークの東側にある総合病院の産婦人科医である。
イレギュラーの勤務体系なので、夜間部屋にいないことが多いし、急患の場合は休日だろうが夜寝ていようが出勤しなければならない。
なので、ミンジュンさんがいない時が多い。
そんな中で私は、イワマツを作るプロジェクトを始める準備と難易度の高い国家資格を取得することとプリント学習の3つだけの学園生活とこづかい稼ぎのバイトに精を出す。
私と同い年の子たちは、その頃は卒業後に向けてアレコレと忙しい時期を過ごしている。
『どの大学を受験しようか』とか『手に職をつけたいので専門学校へ行こうか』とか言うて進学先を決めるためにあくせくしている子たちがいるけど、なんでそないにあくせくせなアカンねん…
…と、私はつくづく思う。
1989年11月9日に、欧州を東西に分断していたヴェルリンの壁が崩壊した。
それから3週間後に、私は18歳になった。
1990年~1991年10月の間に、世界情勢がさらに急変した。
東西ドイツが1つに統合されたのを皮切りに、湾岸戦争~ヴァルト三国独立~韓国北朝鮮、国際連合加盟…など…
世界は大きく変動したが、そんな中でもいつも通りの学園生活を送りながら大番頭はんたちの連絡を待ち続けた。
時は、1991年11月24日の夕方6時過ぎのことであった。
この日は、プリント提出と新しいプリントを受け取る日と同時にTOEICの試験があった。
午後2時にハイスクールを出た私は、近くの図書館でプリント学習をした。
ここ数日のことだけど、ミンジュンさんにコレクトコールが来ていた。
部屋におったら、毎日のようにプッシュホンのけたたましいベルに苦しめられるのでうんざりだ。
私が帰宅した時、ミンジュンさんはつらそうな表情で電話の応対をしていた。
「おかーさん、コレクトコールは(着信側に負担がかかるから)やめてといよんのに、なんでかけてくるのよ…おかーさんはミンジュンに幸せになってほしいデスライと言うけど、女の幸せは結婚しかないと言いたいのね!!…ホンマにはぐいたらしいわね!!ミンジュン、ムコはんいらんけん!!…ミンジュンがお見合いイヤといよんのに、どうして勝手なことすんのよ!!…ああ!!ドーキューセードーキューセー…おかーさんはドーキューセーの子と同じ人生じゃないとアカンと言いたいのかしら!!…やかましいわね!!ミンジュン、ムコはんいらんけん!!…ミンジュン、明日からしばらくの間休みないけん…ナマクラのクソッタレの医師がキューカ取ってマッキンリーへ単独登山に行ったけん、人手不足におちいったのよ!!病院は非常事態におちいったのよ!!ほやけん、休暇がつぶれたのよ!!…そういうことで、ほな、しゃいなら!!」
(ガチャーン!!)
ガチャーンと電話を切ったミンジュンさんは、両手で髪の毛を思い切りかきむしりながらキーッとイラついてた。
私は、言いにくい声でミンジュンさんに言うた。
「あの~、ミンジュンさん…どないしはったのですか?」
「ヨシタカさん…」
「なんぞイヤなことでもおましたか?」
「なんでもないわよ!!」
ミンジュンさんは、私にヒステリックに言うたあと、冷蔵庫の中からヴァドワイザー(缶ビール)を取り出して、のもうとしていた。
…と、その時に、またうぐいす色のプッシュホンのけたたましいベルが鳴り響いた。
(ジリリリリン!!ジリリリリン!!)
「あっ、電話に出なきゃ…」
私が電話に出ようとしたが、ミンジュンさんが私に出るなと言うた。
「出ないで!!」
「えっ?出ないでって…」
「いいから出ないで!!」
「なんでやねん?」
「南予の実家のオカンだからダメ!!」
「せやけど…」
「とにかく出ないで!!」
私に突き放す声で言うたミンジュンさんは、台所へかけ込んだあと、背中を向けてヴァドワイザーをのみながらひねていた。
その間も、電話のベルは鳴り続けた。
ミンジュンさん…
困りまんねん…
大番頭はんから大事な電話だったらどないしまんねん…
ミンジュンさん…
ミンジュンさんってば…
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